破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

第十六話 暴露(脚本)

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

今すぐ読む

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇劇場の座席
リングアナ「これより二回戦第1試合をはじめます!」
「ウオーーーッッ!!」
  午後になっても、観客はおおいに盛りあがっている。

〇闘技場
青馬文彦「まいったな、女子高生と闘うことになるなんて・・・」
  闘技場の中央では、青馬文彦と夏目ボタンがむかいあっている。
リングアナ「両選手とも、大方の予想を裏切って勝ちあがってきました!」
夏目ボタン「今日も勝たせてもらうよ☆」
  文彦はまた萌えそうになるも、自分の頬をビンタして気合を入れなおす。
青馬文彦「ゲームとちがって容赦しないぞ。覚悟はできてるか?」
夏目ボタン「そっちこそ!」
ミスター小林「両者とも、全力で闘うように」
  ボタンは立ち上がりから、立ち技で果敢に攻めてくる。
リングアナ「一回戦に続きまして、夏目選手のスカートの中を見せない技術がすばらしい!」
リングアナ「もはや芸術です!」
  文彦はそれらを余裕でさばいて、同じく立ち技で応酬する。
  だがどうしても手加減してしまう。
夏目ボタン「うそつき! 本気でかかってこい!」
青馬文彦「しかたない」
  再び攻めてきた、ボタンの右の中段蹴りをキャッチし──
  〝破邪小竜巻〟で巻きこんで、うつ伏せに倒す。
  そのまま右脚を両腕でクラッチし、〝破邪逆片海老〟を極める。

〇劇場の座席
リングアナ「ドラゴン・スクリューからの逆片エビ固めー!」
リングアナ「青馬選手、伝統武道の使い手のはずが、まるでプロレスのような技を繰り出します!」
  実相寺総帥が、リングアナに耳打ちする。
リングアナ「実相寺総裁によりますと、19世紀半ばに破邪神拳の門弟の一人であったジョン万次郎によってアメリカに伝えられ──」
リングアナ「彼の地のアマチュアレスリングと融合して誕生したのが、現在のプロレスリングなのだそうです!」

〇闘技場
  文彦は、クラッチしている両腕にさらに力を込める。
青馬文彦「ギブアップしないと大ケガするぞ!」
夏目ボタン「くっ・・・!!」
リングアナ「この技はほぼ脱出不可能です! 夏目選手、どこまで持ちこたえられるか──」
  ついに、右の股関節が鈍い音を立てる。
  文彦のほうが驚いて、すぐさま技を解除して立ちあがる。
青馬文彦「大丈夫か!」
  右脚が根元から、あらぬ方向をむいている。
夏目ボタン「ちょっと関節が外れただけだよ」
青馬文彦(身動きもとれないほどの激痛のはずだ・・・!!)
  ボタンは両手を握り合わせて、右の股関節を思いきり叩く。
夏目ボタン「つぅっ!」
  また鈍い音がして、もとの形にはまる。
夏目ボタン「勝負はこれからだよ!」
  ボタンはヨロヨロと立ち上がる。
青馬文彦「見上げた敢闘精神だ・・・!!」
青馬文彦「おれがまちがっていた」
青馬文彦「最強を目指すのに男も女もない」
青馬文彦「女性としてでなく、一人のファイターとして敬意を表し、全力で闘おう」
夏目ボタン「ありがとう!」

〇劇場の座席
リングアナ「場内も、さわやかな拍手に包まれています」
リングアナ「おっと、ここで訂正です。選手のプロフィールの記載に虚偽が見つかりました」
リングアナ「現在試合中の夏目ボタン選手、ほんとうは17歳の女子高生ではなく──」
リングアナ「31歳の成人男性で、ふだんはカフェ店員をしているそうです」
  観客の拍手がピタッとやむ。

〇闘技場
青馬文彦「・・・・・・・・・」
  文彦は無言で、ボタンのミニスカートをめくりあげる。
青馬文彦「ゲッ!!」
  股間のふくらみがしっかりある。
夏目ボタン「や~ん♡」
  股間を確認して、萌えの幻惑から目が覚めたせいだろう。
青馬文彦(近くでよく見たら、明らかにゴツゴツした男の顔だ)
青馬文彦(おのれ、騙しやがってぇ・・・!!)

〇劇場の座席
「Boo!! Boo!!」
リングアナ「しかし昨今、性同一性障害やLGBTの問題が取りざたされ、うかつに非難できない風潮となっております」
「・・・・・・」
リングアナ「ただ夏目ボタンこと田淵孝四郎選手は、それらとはどうもちがうようです」
リングアナ「大型スクリーンにご注目ください」
リングアナ「3年前の日付の写真週刊誌からの切り抜きです」
リングアナ「銭湯の女湯の脱衣場で、ボタン選手こと田淵孝四郎が逮捕される瞬間の写真が掲載されています」
リングアナ「田淵容疑者は取り調べで、覗き目的であったと供述して有罪判決を受けています」

〇闘技場
青馬文彦「許さん!!」
  文彦は、ボタンの顔面にマッハパンチを連打し、
  殺人技の〝破邪脳天杭打(パイルドライバー)〟でとどめを刺す。
  カン!カン!カン!カン!カーン!!

〇劇場の座席
リングアナ「つづく二回戦第2試合は、ウォン・シャオティエン選手対カチャン選手の一戦です」

〇黒
  つづく
  次回予告
  
  第十七話 偶像崇拝
  
        乞うご期待!!

次のエピソード:第十七話 偶像崇拝

ページTOPへ