破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

第十五話 再会(脚本)

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

今すぐ読む

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇施設の廊下
  午後の試合開始まで、あと半時間ほど──
青馬文彦「トイレはどこだ?」
青馬文彦「お、ここか」

〇学校のトイレ
  ジャーー・・・
  隣りで用を足していた人物に気づき、
青馬文彦「ザ・ワン選手!」
根岸学「破邪神拳の・・・」
青馬文彦「やっぱり根岸先輩ですよね!」
青馬文彦「おれですよ。道場でいっしょだった青馬です」
根岸学「・・・人ちがいだ」
青馬文彦「キャラ立ってますよ。ザ・ワンて、リングネームもカッコイイですよね」
根岸学「だから人ちがいだと!」
青馬文彦「顔はそんなに変わってないけど、体格はむちゃくちゃ良くなりましたね」
青馬文彦「昔の根岸先輩ときたら──」

〇神社の本殿
  10年前──

〇神社の本殿

〇柔道場
  その日は、文彦(10歳)と根岸(21歳)が試合形式の組手をしていた。
男の子「ガンバレ、アオマッち!」
男の子「勝てる! 勝てる!」
男の子「もっと蹴ってー!」
竹國無蔵「両者、気合いを入れて!」
根岸学「は! ひ! や!」
文彦(10歳)「とりゃ! せやっ!」
  根岸は全力で闘っているが、あまりにひ弱すぎて、小学生相手に押されている。
根岸学「ならば!!」
  根岸は身長差を利用して、文彦を背中から抱え込む。
竹國無蔵「ほお!」
竹國無蔵「このまま持ち上げれば、大技の〝破邪大地落下(パワーボム)〟を放てる体勢だ」
根岸学「う~ん・・・!!」
  だが持ち上げられない。
文彦(10歳)「うりゃ!」
  逆に文彦のほうが、〝破邪大地落下返し(リバース・スープレックス)〟で、根岸を後方に放り投げる。
  根岸は風車のように空中で3回転してから、床に落下する。
根岸学「う~~ん・・・」
男の子「ギャグマンガみたいだ!!」
「アッハッハ!!」
竹國無蔵「そこまで!」
竹國無蔵「ぶははっ!」
文彦(10歳)「よっしゃー!」
根岸学「う、うう・・・」

〇学校のトイレ
青馬文彦「小学生に、ふつうに負けて!」
青馬文彦「何か特別な筋トレをしたんですか? 高いプロティンを飲んでるんでしょう」
青馬文彦「そういえば、すぐに道場を辞めたみたいだけど、どうしてですか?」
根岸学「ぼ、ぼくはたしかに生まれつき体力に乏しい」
根岸学「様々な武道・格闘技を試してみたけど、どれもぼくを強くはしてくれなかった」
  威圧感のあるザ・ワンの重低音ボイスから、上ずった素の根岸の口調にもどっている。
根岸学「とくに破邪神拳は最悪だった! あれはインチキ武道だ!」
青馬文彦「たとえかつての先輩でも、破邪神拳の侮辱だけは許せない!」
根岸学「ぼくはウルトラ・ステロイドを開発して超人になった」
根岸学「もはや武道も肉体鍛錬も無用の長物だ!」
根岸学「最強なのは、まちがいなく頭脳と科学の力!」
根岸学「この大会で優勝して、それを証明する!」
青馬文彦「ならばおれは、破邪神拳こそ最強であることを証明するために優勝する!」
根岸学「決勝まで上がってこれるかも怪しいものだ!」
青馬文彦「そっちこそ!」
「・・・・・・」
  ジャーー・・・

〇黒
  つづく
  次回予告
  
  第十六話 暴露
  
        乞うご期待!!

次のエピソード:第十六話 暴露

ページTOPへ