第1 話 「おじさん、スポドリ会社で働く!」(脚本)
〇狭い畳部屋
おじさん「はぁ」
おじさん「不景気のため、会社にクビにされてしまった」
おじさん「これから、どうしようかの」
おじさん「ちょっと、気晴らしに外出るか・・・」
〇公園のベンチ
マモル「おーい、こっちこっち!」
エミリー「ごめんなさい、待ち合わせに遅れちゃって」
マモル「気にしないで」
マモル「映画のチケット2枚買ってきたよ」
マモル「ほら、行こう♫」
エミリー「わぁい、ありがとう♡」
エミリー「マモルさん、大好き」
マモル「もう、エミリーったら」
マモル「僕のほうが、大好きだから♡」
エミリー「やだあ、照れるぅ〜」
おじさん(すごいカップルじゃの)
おじさん(デートかのう)
おじさん(羨ましいのう)
子ども「おじさん、ボール取って」
おじさん「ほらよ」
おじさん「サッカー頑張れよ」
子ども「うん、ありがとう」
おじさん「当たり前だが、わしが失業しても」
おじさん「日常はお構いなく進んでいくものだな・・・」
おじさん「わしは何を頑張れているのじゃろ・・・」
ヒュルリ〜
一枚の紙が飛んできた
★★スタッフ大募集★★
仕事内容▶︎スポーツドリンク倉庫作業
経験や年齢は不問!
時給5000円 早い者勝ちです
おじさん「こ、これはまことか?」
おじさん「時給、高すぎるぞ」
おじさん「急がねば」
〇面接会場
面接が始まったー
「どうぞお座りください」
「あなたは、スポーツドリンクが お好きですか」
おじさん)はい!
「スポーツドリンクに全てを 捧げられますか?」
おじさん)はい、もちろん!
「弊社では作業にあたって 秘密事項が出てきますが それらを守ることはできますか?」
「おじさん)はい、もちろん!!!!」
5秒後ー
「採用です!」
〇狭い畳部屋
おじさん「ふぅ、面接疲れたな」
おじさん「それにしても、採用早すぎないか?」
おじさん「ブラックな会社かもな」
おじさん「まあでも、生きるためじゃ」
おじさん「仕方あるまい」
おじさん「とりあえず行ってから考えよう」
〇古い倉庫
おじさん「一応、教えられたとおり 制服を着て来てみたんだが・・・」
〇倉庫の搬入口
おじさん「ここかのう?」
ヒュルリ〜
紙が一枚飛んできた
おじさん「ん?何か書いてあるぞ」
ようこそ、我が社へ★
まずは入社おめでとう!
早速だがスポーツドリンクが入った
段ボール箱を配送先ごとに仕分けしてくれ
おじさん「山のようにあるな」
おじさん「よし、やってみるか」
おじさんは、機敏に体を動かし
凄まじいスピードで
段ボール箱を仕分けていった
そして・・・
おじさん「よし、終わったぞ!」
作業が完了すると
また一枚の紙が・・・
おじさん「ヒュルリ〜だろ?」
初日の勤務、お疲れ様★
今日は家でゆっくり休んでくれ。
これから君のことは
作業員Xと呼ぼう
X、これからも頼むぞ
それから毎日、作業員Xは
倉庫に飛んでくる紙の指示に従って
仕事に黙々と取り組むのであった・・・
〇狭い畳部屋
だが、とある日のことー
おじさん「いや、おかしいじゃろ!」
おじさん「ずっと紙と会話しているぞ」
おじさん「この職場には人がいないのか?」
おじさん「さすがのわしも変だと分かるわい!」
おじさん「そういえば・・・」
おじさん「面接のときも面接官はいなかったのう」
面接で
Xはスピーカーから聞こえてくる質問に
ただ答えていただけなのである
おじさん「おかしい、おかしいぞ」
おじさん「よし、明日早く行って調べてやろう」
〇倉庫の搬入口
おじさん「段ボール箱、ちょっと開けちゃえ」
中を開けると・・・
おじさん「確かにスポーツドリンクじゃの」
おじさん「異常なし」
おじさん「今さらだが、このスポーツドリンクは」
おじさん「どのようにして作って ここまで運んでおるんじゃ?」
倉庫の近くに製造工場などは
1つも見当たらないのである
おじさん「おかしい、おかしいぞ」
おじさん「よし、外に出て歩いて調べてみよう」
〇倉庫の裏
おじさん「・・・しばらく歩いてみたが」
おじさん「特に変わったことはないのう」
っと、そのとき!
何か緑色の者が目の前を横切った
エイリアン父「・・・」
エイリアン父「あっ、いけね・・・」
だが、高速で走り去り姿を消してしまった
さらに進むと・・・
紫色の者が目の前に飛び出してきた
魔法使い「・・・」
魔法使い「あっ、やばっ・・・」
そして、一瞬で姿を消した
おじさん「おかしい、おかしいぞ」
緑色の者が走っていた先に向かって
進んでいくと・・・
〇黒
おじさん「うわぁ、なんじゃ」
怪しい光の文字がXを包み込んだ・・・
〇研究所の中枢
おじさん「ここは、どこじゃ」
気がつくとXは床に倒れていた
目の前に何か転がっている
おじさん「スポーツドリンク!」
おじさん「こっちにも」
おじさん「あっちにも」
おじさん「スポーツドリンクゥ!!」
耳を澄ませると隣の部屋から何か声がする
〇研究装置
魔法使い「スッポドリドリ〜 スッポポポーン♪」
魔法使い「ハァァァァ〜」
紫色の者が怪しい呪文を唱えると
まばゆい光とともに
スポーツドリンクが大量に出てきた
魔法使い「くっ、ハァ、ハァ」
魔法使い「もう、年なのか、体力が・・・」
エイリアン父「む、無理をするな」
エイリアン父「体を壊すぞ」
おじさん「あの魔法使いみたいな人が スポーツドリンクを作っていたのか・・・」
「ん?」
「見ーたーなー!!」
おじさん「ひぃぃ」
果たしてXはどうなるのか
次回に続く・・・
笑えてきたり首を傾げたくなるけど何だかハートフルなこの世界観は大好きです。ツッコミ要素が多すぎるのにストーリーが渋滞せずに面白く流れていて、楽しく読ませてもらってます。
いつもどおり、キャラがツッコミどころが多くて面白いです。
とくに、イケメンとエイリアンがデートしているのに、おじさんが羨ましがっているところで、オイッ、と声に出してしまいました(笑)
後半も楽しみにしています!
会社に誰もいないのは不自然ですよね。
面接すら誰もいなかったら謎に思いますよ!
結局スポーツドリンクを作っていたのは魔術師で、それを出荷してたんでしょうか?
作るの大変だろうなぁと思いました。