エピソード1(脚本)
〇シックな玄関
──あの日は雨が降っていた
傘をパクられ俺は雨に打たれながら帰った
──ツイてない日だった
──そう・・・
どうしようもなくツイてなかったんだ
東雲 太陽「ただいま」
東雲 柚月「お兄ちゃん、おかえり」
東雲 柚月「わぁ!!びしょびしょ・・・」
東雲 柚月「傘はどうしたの?」
東雲 太陽「誰かが持ってったんだろ おかげで俺はずぶ濡れだけどな」
東雲 柚月「もう!!風邪ひいちゃうよ! わたし、タオル取ってくるね」
東雲 太陽(もう!!ってなんだよ!! もうって!!)
東雲 太陽(しかも、俺が風邪引くことを心配してくれてるのか!!柚月が”俺のため”にわざわざタオルを取りにいってくれている!!)
東雲 太陽(パクられてクソムカついたが、 良い・・・!!むしろ良い・・・!!)
東雲 太陽(今日も俺の妹は可愛い!!!!!!)
この男、東雲太陽(17)
妹である東雲柚月に対する感情が少々気持ち悪いタイプのシスコンである
──しかし、
東雲 柚月「はい、タオル」
東雲 柚月「しっかり拭いてね」
東雲 太陽「ありがとな、柚月」
柚月の前では、普通の兄を演じるのだ
東雲 柚月「あ!!そうだ!!」
東雲 柚月「お兄ちゃんに相談があって・・・」
東雲 太陽「ん?どうかしたのか?」
東雲 柚月「お兄ちゃんって誕生日プレゼント何もらったら嬉しい?」
東雲 太陽(俺へのプレゼントを直接聞くだなんて、 可愛いやつだなぁ)
東雲 太陽(あれ・・・? でも俺の誕生日にしては早くないか?)
東雲 太陽「俺だったら、柚月に貰えるものならなんだって嬉しいぞ」
東雲 太陽「それより、俺の誕生日にしては少し気が早いんじゃないか?」
東雲 柚月「あー・・・ えーっとね・・・」
東雲 柚月「彼氏の誕生日プレゼントに何が良いかなぁって・・・」
東雲 柚月「お兄ちゃんと同い年だから参考にしたくて」
東雲 太陽「へぇ・・・ お兄ちゃんと同い年のお友達か」
東雲 柚月「お友達じゃなくて、彼氏だよ!!」
東雲 太陽(聞き間違いじゃなかった・・・!!!!!!)
東雲 太陽(っていうか・・・)
東雲 太陽「お兄ちゃん、彼氏が出来たなんて聞いてないけど!?!?」
東雲 柚月「そうだっけ? 忘れてたかも?」
東雲 太陽「待ってマジで俺聞いてない!!!!!! いや、まってまってまって、、、!!!?」
妹の前であっても、取り繕う余裕などない
東雲 太陽「あのな、柚月」
東雲 柚月「うん?」
東雲 太陽「お前は可愛いんだ!!!!」
東雲 柚月「お兄ちゃん!?」
東雲 太陽「柚月は可愛いんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
東雲 柚月「あ、ありがとう?」
東雲 太陽「お兄ちゃんは柚月のことが・・・」
東雲 太陽「大好きなんだよ!!」
東雲 太陽「愛してる!!」
東雲 太陽「だから・・・・・・」
東雲 太陽「彼氏だなんて信じない!!!!」
東雲 柚月「えぇ・・・!?」
東雲 柚月「お兄ちゃんが信じなくても 私に彼氏がいることは変わらないんだよ?」
東雲 太陽「嫌だ・・・」
東雲 太陽「俺の柚月に彼氏だなんて・・・」
東雲 太陽「お兄ちゃんはイヤダァァァアアアァ!!!!」
東雲 柚月「お兄ちゃん!? わたしの話きいて!?」
──こうして、
俺は柚月に彼氏がいることを知った
雨によって冷え切った身体とショックで
部屋に引きこもった結果、
見事風邪を引き丸三日間寝込んだ──
タイトルそのまんまな所が逆に新鮮でよかったです。妹にたいして抱く愛情は女の私には想像できないけど、姉ではなくお兄さんが欲しかった私は、同じような感情をもったのかも。妹が大して抵抗しないのもよかったです。
お兄ちゃんのヤキモチがありえないほど強く面白いです。妹に対して愛してるとかよく言えますね。妹さんもこれでは先が思いやられらでしょう。今後の展開が楽しみです。
お兄さんと妹さんの温度差ですごく笑いました!笑
妹さんはかわいいなら普通に彼氏もいそうなんですが、お兄さんはそれを認めたくないのかもしれません。
お兄さんも大変だ!笑