〇女性の部屋
　　ナナの部屋
タク「どうもー！ゲーム実況者のタクです！」
タク「今回やっていくゲームは・・・」
　　今、わたしはゲーム実況者・タクの動画を見ています。
　　わたしはタクくんをずっと前から推しています。
　　声も性格も見た目もゲームの腕もどれも最高なのです。
　　推しに会いたいという気持ちはきっとどのファンも持つ思いでしょう。
「はー・・・今日も推しが尊い・・・」
　　会いたいという気持ちでいっぱいになっていたその時。
　　ピコーン
　　SNSの通知が鳴ったのです。
　　表示されている文字はタクくんのアカウントからの通知でした。
　　「大切なお知らせ」の文字。
「何!?お知らせって・・・まさか・・・引退!?熱愛!?何・・・」
タク「いつも応援してくれている皆さんに大切なお知らせです」
タク「なんと・・・イベントをします!!」
「え!?嘘!?やった!!」
　　わたしはイベントの日まで楽しみで仕方なかったのです。

〇男の子の一人部屋
　　今日は俺がイベントをすることを告知した動画の投稿日。
　　SNSでは俺についてやこのイベントについてのコメントが書かれている。
タク「あの子、来てくれるかな・・・」
　　俺が指すあの子とは昔から俺を応援してくれている女の子。
　　特定のファンの子にこんな感情をもつのは駄目だろう。
タク「でもっ・・・！」
タク「俺はあの子に来て欲しいんだ・・・」
タク「この感情って・・・」
　　この感情を言葉で表すとするならば・・・。

〇コンサート会場
タク「今日は来てくれてありがとう！また会おうね！」
　　あー・・・楽しかったな・・・またタクくんに会えるといいな・・・

〇渋谷駅前
　　イベントが無事終了した。客席にはあの子がいた。あー・・・。会いたい。
　　そんな感情が胸の中を駆け巡っていたその時。
？？？「あの・・・スマホ落としましたよ？」
　　後ろから声をかけられた。
　　というよりもスマホを落としたようで声をかけてくれた。
「ありがとうございます！」
ナナ「いえいえ！・・・ってタクくん!?」
「あ、はい！そうです！知ってくれているんですね！」
　　この子、昔から応援してくれてるあの子じゃん！
ナナ「昔から見てて、ずっと応援しています！これからも頑張ってください！」
「ありがとうございます!!そういう声が励みになるんです！」
ナナ「あの・・・写真撮ってもらってもいいですか？」
「あ！大丈夫ですよ！」
　　カシャ
ナナ「ありがとうございました！」
「いや！こちらこそ、スマホ無くしたらすごく困ってたし・・・」
「ありがとうじゃ足りないくらい感謝してるよ！ありがとう！」
「あのさ、こんな大切な物を拾ってくれたお礼に食事でも奢らせてくれない？」
ナナ「えっ！・・・」
　　ここで引いたらもうチャンスは無い！
「お礼させてください!!」
ナナ「わ、わかりました！」
「あっ・・・でも今日はこれから打ち合わせなので予定がまだわからないので・・・その・・・」
「連絡先を教えていただけませんか・・・？」
「後日日程を連絡します！」
ナナ「わかりました！」
　　やった!!連絡先教えてもらった！嬉しすぎる！

〇明るいリビング
　　眩しい太陽が俺のことを起こす。
「ねぇ・・・ナナ・・・？」
ナナ「ん？どうした？」
「あのさ、夢でナナと会った時の夢見てさ・・・」
ナナ「そっか。スマホ拾った時？」
「そう。俺の強引さに笑えてきちゃうね」
ナナ「そうかな？わたしは結構あの強引さ好きだよ？」
「よかった。無理にでもお願いして」
ナナ「うん！強引にでも一緒にいようとしてくれてありがとう」
「俺も、ありがとうって気持ちでいっぱいだよ」
「ありがとう、大好きだよ」
　　俺の恋愛ゲーム「キミとの恋」トゥルーエンドってことでいいのかな。
　　いやいや、まだ俺にはやることがある。
　　もっとナナを幸せにするんだ。
　　これからもずっと大好きです。
　　キミとの恋、実況してみた　END