教習所物語

奥みかん

エピソード1(脚本)

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〇停車した車内
  昔みた、教師と生徒が付き合ってしまうドラマ
  まさか私が教習生と恋に落ちてしまうなんて
  教習中、教官の私にブレーキを踏まれたことがあったっけ
あいこ「ちゃんと前を見て!! 横断歩道を渡る人がいるじゃない!!」
悠太「申し訳ありません。フロントガラスの枠が邪魔で見えなかったものですから」
あいこ「そういう時は体を動かして確認する!! ミラーとかも、どんどん活用しなきゃ!!」
悠太「はい すみません」

〇まっすぐの廊下
  彼からの指名が続き・・・
悠太「突然すみません これ僕の連絡先です」
あいこ「・・・」
悠太「ご迷惑なのは分かっています」
あいこ「時間外に、しかも個人的に教えることなんてできません」
悠太「そうじゃないんです・・・」

〇おしゃれな教室
  そんなことがあってから、彼が私を指名することは無くなった
  そうなると気になりだして
  駆け引きだって分かっていても・・・

〇シックなカフェ
  たまらず彼に連絡して・・・
  付き合い始めるのは、すぐだった
  だけど彼の運転テクニックはなかなか上手くならなくて、補修に補修を重ねていた

〇走行する車内
教官1「こんなにエンストしてちゃ 路上に出せないぞ」
悠太「はい 申し訳ございません」
教官1「減速したら、ガタガタガタって音を目安にクラッチをしっかり踏み込まなきゃ」
教官1「1度言われたことは、何度も繰り返してちゃ駄目だぞ」
悠太「はい 分かりました」
教官1「現代は、オートマ車が主流なんだから オートマに変更もできるからな」
悠太「マニュアル車で、がんばりたいんです!!」
教官1「じゃあ、がんばるんだぞ!!」

〇シックなバー
  でも悠太は教習所の話を一切しなかった
  ある時、気になって私から切り出したことが有る
あいこ「補修に補修じゃあ、出費がかさんで大変でしょう」
悠太「俺、そのためにバイトしてきたからさ」
  なんで私に相談してこないんだろう・・・

〇バスの中
  でも、悠太は教習所の送迎バスの運転手さんに弱音を吐いていた
悠太「俺には運転のセンスが無いっす 免許とれる気がしないよ、、」
長田「みんなそう言うんだけどさ 最初からできる奴なんていねーよ」
長田「そして気づくと何も言わず卒業していってんだよなあ」
悠太「・・・」
悠太「・・・」

〇車内
  そして、ようやく免許をとれた悠太は
  初心者マークをつけてから
  初めて助手席に私を乗せてくれた
あいこ「ねえ、教習の期間中なんで私に相談してくれなかったの?」
悠太「結婚してから仕事のことを家に持ち込んで愚痴るやつってどう思う?」
あいこ「・・・」

〇バスの中
  彼は運転手さんにも、しっかり報告していた
悠太「長田さん、俺ようやく免許とれましたよ」
悠太「いろいろと相談に乗ってくださって、本当にありがとうございました!!」
長田「おめでとう!!」
長田「ちゃんと挨拶してくれるやつってなかなかいないから嬉しいよ!!」
長田「こちらこそありがとよ!!」

〇走行する車内
悠太「通行人に水たまりひっかけちゃう 速度落とさなきゃだ」
あいこ「えらい!!」

〇車内
悠太「教習所のマニュアル車の音が懐かしくて。 買うとしたら、どんな車売ってる?」
あいこ「買ってもいいけど、エンストすんなよ」
悠太「すみません。 分かりました!!」
  補修で、いくらかかるとか、そんなちっちゃなことは、どうでもよくって
  大切なことを悠太からいっぱいいっぱい教えてもらった
  「道はただ永遠続く」そんな歌詞が私の大好きな曲にあったっけ
  あてもない未来が来たとしても
  悠太となら、ずっとやっていける
  
  そんな気がする

コメント

  • 教習所に通っていたときの事をおもいだしながら、楽しく読ませて頂きました。最後、アドバイスを素直に聞くところが、かわいいな、と思いました!素敵な物語ありがとうございます。

  • 運転のセンスはあまりなさそうだけど、すごく男気のある子だなあと感心しました!きっとコツを掴めば運転は上手くなるから、そんなことよりこの男気をずっと持ち続けてほしいです。

  • 教習所に通い始めた頃は本当に免許なんて取れるのかな?と思いますが、バスの運転手さんの言う通りいつの間にか取ってるんですよね…ちなみに自分は教習所でこんな羨ましい出会いはありませんでした。。

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