破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

第十一話 人外VS女王様(脚本)

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~

武智城太郎

今すぐ読む

破邪の拳 ~ニート武道家の地下格闘技トーナメント~
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇劇場の座席
  観客席がザワついている。
  玄武側のX選手が、まだ入場してこないのだ。

〇闘技場
衣流座「いつまで待たせんだ!」
  闘技場の中央には、キツい顔つきの美女、衣流座(イルザ)の姿がある。
リングアナ「衣流座選手は、女性格闘家にしてSMの現役女王様でもあります」
衣流座「舐めてんのかよ!」

〇劇場の座席
リングアナ「シークレットとなっているX選手ですが、まもなく入場する運びとなります」
リングアナ「なお本大会では、人外枠を設けることが伝統となっており、それがX選手なのです」
  観客席がいっそうざわつく。
リングアナ「過去の人外枠参加選手は、ヒグマや巨大狼など獣系の選手が主ですが──」
リングアナ「驚くべきことに、河童や大蜘蛛などの妖怪が参戦したという記録も残されています」

〇闘技場
  係員二人がかりで、台車によって運び込まれてきたのは──
  巨大な活魚輸送用タンクである。
リングアナ「お待たせしました。今大会の人外選手の入場です!」
  係員たちは、活魚輸送用タンクの蓋をあける。
  中から音もなく姿をあらわしたのは──

〇劇場の座席
リングアナ「この島の近海で獲れた、活きた大ダコ(♂)です!」
リングアナ「腕を広げた体長は7メートル! 体重は実に100キロに達します!」
観客「は?」
観客「タコ?」
観客「ええぇ・・・」

〇闘技場
ミスター小林「両者とも全力で闘うように」
リングアナ「大ダコ選手、和太鼓が鳴らされるや衣流座選手のほうにむかっていく!」
リングアナ「戦意が旺盛のようです!」
リングアナ「手元の資料によりますと、今大会にむけて、運営スタッフから特別なトレーニングを施されたそうです」
衣流座「クソッ、やってやるよ!!」
衣流座「チョーシこいてんじゃねえぞ、このタコ!」
リングアナ「出ました! 絶対に金的を外さないといわれる衣流座選手の至高のヒールキック!」
衣流座「ニョロニョロしてんじゃねえぞ、ハゲ!」
リングアナ「さらに機関銃のような連続ヒールキックだーっ!!」
衣流座(ダメだ!! ブヨブヨめりこむだけだ!!)
衣流座「おい、豚! まだか!」

〇劇場の座席
M男「お待ちください、衣流座さま!」
  セコンドの男性は、懸命にスマホで検索している。
  この気弱そうな30代の男性は、今も下着女装を強いられている衣流座専用のM男奴隷だ。
M男「わかりました、衣流座さま! 目と目の間の少し下あたりが急所です!」

〇闘技場
衣流座「よし!」
  衣流座は急所に狙いをさだめ、渾身のヒールキックを放つ。
  だがキックがとどく寸前に、触手でその足をキャッチされてしまう。
  次の瞬間には、引っ張られて倒されたうえ──
リングアナ「衣流座選手、ウネウネと動く触手にコスチュームを剥ぎ取られてしまったーっ!!」
リングアナ「これは猥褻だーっ!!」
衣流座「こいつ!」
  さらにその身体に、すべての触手が舐めまわすように絡みつく。
衣流座「んん・・・!!」

〇劇場の座席
リングアナ「おーっとこれは! 一部男性客のよからぬ期待通りの展開になったーっ!」
「おおお~~・・・!」
リングアナ「これはX指定、18禁扱いとなります」
リングアナ「未成年のお客様は、目を閉じて観戦するようお願いします!」
青馬文彦「こりゃ、とんでもないスケベダコだな」
リングアナ「なお、本大会では会場内の撮影録音は固く禁じられております!」

〇闘技場
衣流座「ん、んん・・・!!」
衣流座「キモいんだよ、クソダコ!」
リングアナ「衣流座選手、懸命にもがいていますが、両手足をがんじがらめにしている太い触手はビクともしません!」
リングアナ「タコは全身が筋肉の塊で、ときにはサメさえも絞め殺すという怪力の持ち主なのです!」
リングアナ「衣流座選手、もはやここまでかーっ!」
衣流座「しね! ヘンタイ!!」
  オスダコの8本の触手のうちの一本は、先端に吸盤のない生殖器であるという。
  その男性器触手の先っぽを、口の中にねじこまれる。
衣流座「うぐぅ・・・」

〇劇場の座席
M男「なんてことだ・・・なんて・・・!」
M男「S女王の中の女王、衣流座様がこんなハードなマゾ拷問のような目に会われるなんて・・・!」

〇闘技場
  さらに衣流座は触手で無理やり股間を広げられたうえ──
  全身をロメロ・スペシャルのように持ち上げられ、観客によく見えるように晒される。
リングアナ「繰り返しますが、会場内の撮影録音は固く禁じられております!」

〇劇場の座席
M男「う、うう・・・」
  セコンドのM男奴隷は耐えきれず、タオルを投げ入れる。
  カン!カン!カン!カン!カーン!!
リングアナ「衣流座選手、セコンドのタオル投入により棄権しました。大ダコ選手の勝利です!」
リングアナ「今ようやく係員たちの手によって、大ダコの触手から衣流座選手が救出されました」
選手「ふう~~・・・!」
  一部の男性客からは、堪能しきったため息が漏れている。
リングアナ「さて、つづく一回戦第6試合は、斗死貴選手対草刈遼選手の一戦です」

〇黒
  つづく
  次回予告
  
  第十二話 草刈流体術VS立ち技王者
  
        乞うご期待!!

次のエピソード:第十二話 草刈流体術VS立ち技王者

成分キーワード

ページTOPへ