〇森の中
「くそ・・・」
倉木響「はぁ・・・はぁ」
倉木響「くそが・・・」

〇荒れた倉庫
倉木響「うわっ」
化け物「きゅいーん」
倉木響「くっ」
化け物「きゅいーん」
風見陽「そんな武器じゃ効かないよ！」
風見陽「倉木くんは先に逃げて！ 私が時間稼ぎする！」
倉木響「で・・・でも・・・」
風見陽「いいから！」
倉木響「・・・」

〇森の中
倉木響「情けねぇ・・・ クソ情けねぇよ俺・・・」
倉木響「女の子を盾にして自分一人だけ逃げるなんてよ・・・」
倉木響「あとで凍夜に一発ぶん殴って貰わねえと」
倉木響「・・・」
倉木響「あいつら大丈夫かな・・・ 生きてっかな・・・」
倉木響「あの場所は時間が経つと化け物の群れがやってくる そんなの何回も繰り返して分かってたはずなのに」
倉木響「俺のせいだ・・・」
倉木響「俺が話を長引かせたから・・・」
？？？「何回も繰り返す・・・ 今そう仰りましたね？」
倉木響「誰だ？」
綾瀬天紀「どうも、こんにちは」
綾瀬天紀「ワタクシ、綾瀬天紀と申します」
倉木響「お・・・おう」
倉木響「俺は倉木響だ お兄さん、何か用か？」
綾瀬天紀「ええ、「何回も繰り返す」と仰るものですから もしかしたら・・・と思いまして」
綾瀬天紀「アナタもその・・・繰り返してるんですか？」
倉木響「お、おう」
綾瀬天紀「奇遇ですね、ワタクシもです」
綾瀬天紀「・・・アナタの他にも繰り返してる人がいるんですか？」
倉木響「あぁ！・・・いや」
倉木響（これ、素直に答えていいのか？ 陽の話を聞くに、安易に人を信用しちゃいけないらしいが・・・）
倉木響（・・・）
倉木響（2人の足手まといにはなりたくねぇ）
倉木響「いや、俺だけだが」
倉木響「やぁ〜良かったよ 同じような境遇の人に出会えて」
倉木響「・・・お兄さんの他にも俺と同じように繰り返してる人はいるのか？」
綾瀬天紀「えぇ、いますよ」
綾瀬天紀「よければワタクシたちと共に行動しませんか？」
綾瀬天紀「力を合わせて、この繰り返しから脱出しましょう」
倉木響「お、おう そりゃ心強いぜ」
綾瀬天紀「では、ついてきてください 化け物の現れないルートで案内します」
倉木響（流れに任せちまったが、これ大丈夫か？）
倉木響（まぁ・・・敵意があるなら最初から襲ってるだろうし・・・大丈夫か・・・）

〇村に続くトンネル
　　俺は流されるがままにその男──
　　綾瀬天紀についていった
　　ループ中一度も通ったことのない道に不安を覚えたが、確かに綾瀬の言う通り化け物が現れることはなかった
綾瀬天紀「そろそろ着きます」
　　トンネルの向こうには古びた集落が見える

〇寂れた村
倉木響（こんな場所があったんだな）
倉木響（ループの性質上、行動範囲を広げるのは躊躇われるせいで初見の場所が多い）
綾瀬天紀「着きました」
綾瀬天紀「皆さん〜いますか〜？」
綾瀬天紀「紹介しましょう ここにいる方々は皆、倉木さんと同じで 「繰り返している」方々です」
倉木響（つまりは「生存者」 まだ一度も死んでない人たちってことか）
武田剛健「よぉ お前倉木っつーのか、よろしくな」
武田剛健「俺の名は武田剛健 武田でも剛健でも好きな方で呼んでくれ」
鶴見健太郎「鶴見健太郎です、どーも」
アリス「アリスだよ〜 よろしくね〜お兄ちゃん〜」
マカロン「・・・」
マカロン「マカロン・・・」
カシューナッツ「カシューナッツで〜す あら〜背高くて男前じゃない〜？」
倉木響「マカロン？カシューナッツ？」
マカロン「・・・」
カシューナッツ「別に本名を名乗る必要ないし〜 どうせなら可愛い名前の方がいいじゃなぁい？」
倉木響「お、おう・・・」
綾瀬天紀「おや？ 幹哉さんと龍弥さんがいませんね」
鶴見健太郎「あの２人ならアイテム探してますよ〜」
武田剛健「ハハッ！ 取りこぼしがあるかもしれないもんな！」
綾瀬天紀「ここにいる間は安全ですし、次の周には持ち越せないのですから、無理に探す必要はないんですけどね」
倉木響「ここは安全なのか？」
綾瀬天紀「はい、今までのループでは一度も化け物とは遭遇していません」
カシューナッツ「あら、龍弥くん帰ってきたわよ〜」
澤井龍弥「・・・」
鶴見健太郎「龍弥、アイテムは見つかったか？」
澤井龍弥「いや・・・」
綾瀬天紀「幹哉くんはどうしました？」
澤井龍弥「幹哉は・・・」
鶴見健太郎「?」
澤井龍弥「殺された・・・」
綾瀬天紀「え？」
カシューナッツ「殺されたって・・・ 化け物に・・・？」
澤井龍弥「あぁ・・・多分」
鶴見健太郎「多分って、その場にはいなかったのか？」
澤井龍弥「俺とは別行動だったんだよ」
澤井龍弥「何も落ちてねーなー、幹哉の方はどうかなーって、様子を見に行ったら既に・・・」
綾瀬天紀「とりあえず遺体を確認しましょう 龍弥さん、案内お願いします」
澤井龍弥「あぁ・・・」

〇山並み
　　男連中で遺体を確認しにいく
　　集落の外れの山に差し掛かると、そこには身体を縦に引き裂かれた少年が無惨にも横たわっていた
　　遺体の状態から、化け物に襲われたものだというのはすぐに分かった
綾瀬天紀「おかしいですね ここら一帯は安全なはずなのに」
倉木響（もしかして、陽が言ってたアレか？）
倉木響（化け物を操る人間・・・ そいつの仕業だってのか？）
　　ミッション「敵を殲滅せよ」
　　
　　現在11周目
　　生存者302名