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〇道場
  面有り──
  
  勝負あり!!

〇男の子の一人部屋
  掃除をしていたある日、アルバムから高校時代の写真がたくさん出てきた。
「うわっ。これ懐かしいな」
「高校最後の剣道の大会じゃん」
「あの時ギリギリで負けて泣いたんだよな」
「うわーこれも懐かし」
  思い出に浸っていると、一枚の忘れられない写真が目についた。

〇学校脇の道
  夏の大会が終わり、何気ない下校の時の写真だった。

〇教室
  ──写真の出来事の前──
久遠 楓「未琴、今日朝練だった?」
成宮 未琴「残念ながら朝練でした」
久遠 楓「そっかーお疲れさま」
久遠 楓「あっそういや今日の放課後、修学旅行の班長と副班長でやることあるからね?」
成宮 未琴(久遠の方が仕事を忘れるだろ)
久遠 楓「なんか私のこと今馬鹿にしたでしょ?」
  久遠 楓は、幼稚園からの幼馴染だ。
  クラスのリーダー的な存在でいつも人を先導しようと頑張ってくれている。
  いつしか俺は、彼女に対して特別な感情を抱いていた。

〇教室
  修学旅行は、二泊三日で京都にいくこととなった。
「いよいよ来週修学旅行だ。 気を緩めないよう、班長と副班長は、しっかり先導していってくれ」
成宮 未琴「久遠班長 三日目って嵐山で自由行動だよな? そこでお土産とかを買う感じだっけ?」
久遠 楓「えーと確か、自由行動だけど、初日の6人班でお土産とか買いに行くっていう感じには、なってるかな」
久遠 楓「無理だよ!! やること多すぎるのに来週って・・・」
成宮 未琴「気分転換にコンビニいく?食いたい気分」
久遠 楓「すぐいこ」

〇コンビニの店内
  学校近くのコンビニにて、
久遠 楓「なに買う?」
成宮 未琴「なんでもいいわ」
久遠 楓「あっ!!これ未琴が好きなお菓子だー ラスト一つ。完璧じゃん」
成宮 未琴「伊達に長く幼馴染やってないな。 覚えてるのか」
  小学生だろうか?お菓子をジーと見ている気がする。
成宮 未琴「あっそゆこと」
  俺は、久遠からお菓子を取り上げて、ジュースもとり、会計を急いで済ませた。
成宮 未琴「はいこれ、お兄さんからのプレゼント」
「ありがとう。お兄ちゃん」
久遠 楓「凄い、よく気がついたね。 本当にサラッとそんなことができるところ格好いいよ」

〇教室
  数日後・・・
久遠 楓「いよいよ、明日から修学旅行だね。 いやー大変だった」
成宮 未琴「準備だけでつかれてんだけど」
久遠 楓「そういや旅行中、服装どうする? 一応私服と制服どっちでもいいらしいけど」
成宮 未琴「旅行だから私服かなー。 久遠は?」
久遠 楓「私は、制服でいこうと思ってる。 だって学校の行事感あるしね」
久遠 楓「そんなにみたいのー?」
成宮 未琴「うん!!」
久遠 楓「え・・・」
成宮 未琴「そういや明日って最寄り駅に明日の7時に集合だな」
久遠 楓「了解」

〇駅前広場
  ──集合時間──
成宮 未琴「はぁぁぁぁ」
成宮 未琴「やりやがったな、まじで、」
久遠 楓「ごめんー寝坊しちゃった」
成宮 未琴「遅い!!️」
久遠 楓「ホントにごめん どうしよう・・・」
成宮 未琴「あっ!」
成宮 未琴「この今きた電車のるぞ!!️」
  俺は、久遠の手をとり、電車に駆け込んだ。
  この電車に乗れた、ことによって遅刻だけは、免れた。

〇河川敷
  初日、二日目が無事終わり、滞りなく観光などを各々の班で楽しんでいた。あっという間に最終日の班行動だ。
  もうすぐ修学旅行が終わる。
  久遠に俺の気持ちを伝えたいと思っている。
  すると班員の一人が走ってこっちにきた。
成宮 未琴「え?班員がいなくなった!?」
久遠 楓「え?電話もつながらない?!」
成宮 未琴「取り敢えず、メールでメッセージを送って、返信きたら教えて。俺は、先生の方に連絡きてないか、聞いてみる」
久遠 楓「了解」
  この出来事は、うちの班員が携帯の充電がきれた状態で他の班とお土産を買いにいっていたという、自分達の班のミスだった。
  だが、これのおかげで、俺たちの自由行動の時間がなくなっていたのも事実だ。
久遠 楓「取り敢えず、無事でよかった」
成宮 未琴「ホントに心配するから・・・な?」
  俺は、自由行動の時間が消えてしまったという行き場のない怒りがあった。

〇新幹線の座席
  修学旅行が終わってしまい、久遠に気持ちを伝えられないまま帰りの電車に乗っていた。

〇男の子の一人部屋
  ──自宅にて──
  結局なにも伝えられなかった俺は、メールを久遠にしていた。
成宮 未琴「修学旅行楽しかったなー 班長お疲れさま」
久遠 楓「未琴もお疲れさまー 修学旅行楽しかった!!」
久遠 楓「ねぇねぇー いきなりなんだけどさー 今好きな人いる?」
成宮 未琴「え?どうしたの」
久遠 楓「だって今役職から 解放されたんだよ?(笑) だからなんだってできる気がする 答えて!!」
成宮 未琴「・・・いる」
久遠 楓「えっまじで!! それ何組の人? 何部?」
成宮 未琴「なぁー今電話できる?」
久遠 楓「いいよーこっちもめっちゃ聞きたいし」

〇男の子の一人部屋
成宮 未琴「もしもし聞こえてるか?」
久遠 楓「聞こえてるよ? 修学旅行ー無事終わった!! お疲れさま」
成宮 未琴「ホントにお疲れさま 大変だったな」
久遠 楓「さっきの話に戻るけど 何組にいるの?当てたい」
成宮 未琴「えっ不公平すぎじゃん。 まあ同じクラスなんですけど」
久遠 楓「誰がいる・・・?」
成宮 未琴「ふー」
成宮 未琴「ダメだ。やっぱここでは、漢になりたいかな」
成宮 未琴「よく聞いて」
成宮 未琴「楓。俺、ずっと前から気配りができて、かっこよくて可愛い、楓のことが『好き』でした」
成宮 未琴「付き合ってください」
久遠 楓「えーえーえー」
久遠 楓「そんなのズルいよ。私から言おうとしてたのに・・・」
久遠 楓「・・・」
久遠 楓「私で良ければよろしくお願いします」

〇学校脇の道
  そして修学旅行の翌日に撮った写真がこの写真だった。

〇男の子の一人部屋
久遠 楓「未琴、懐かしい写真みてるね」
成宮 未琴「これが馴れ初めだもんな てか昔と変わらず・・・本当に可愛いな」
久遠 楓「あーズルい・・・」
  もしも自由行動で告白していたなら・・・どうなっていただろうか
  もしも(if)・・・が繋がったのなら
  素晴らしくなったのかもしれない。
  けど俺はな、
  この道が『幸せ』なんだと感じる。

コメント

  • もし、あのときこうしていたら。もし、あのときこうしていなかったら。可能世界では違う未来が巻き起こっていたかもしれませんが、今、歩んできた現実世界に、幸せが溢れている。とても素敵だなぁと思いました。
    きっとアルバムに載ってない、幸せな時間もたくさん過ごしてきたのだろうなぁと、ラストシーンを見て感じました。二人の現実世界が、いつまでも幸せで溢れていますように✨

  • 修学旅行の雰囲気って特別ですよね。
    一緒に色々と計画したり、いろんな意味で距離が近くなりますから、告白のチャンス!…を逃して後で告白!
    うまくいってよかったです!

  • 心が温まる素敵なストーリーでした。今の時代も素敵ですが、やっぱりあの当時の思い出ってずっと心に残っている気がします。過去を思い出したりしながら優しい気持ちになりました。

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