後編(部長戦~エンディング)(脚本)
〇休憩スペース
五十嵐は寝落ちしそうな自分に気づき、ハッとした。
そして野田からのアドバイスについて考えた。
〇休憩スペース
野田「本来のあなたを取り戻せば──」
〇休憩スペース
五十嵐「そうか、わかった。僕は今まで主任という枠にとらわれていた」
五十嵐「しかし会社の看板を外せば、ただ一人の男に過ぎない。すなわち、五十嵐のりとしという一個人として戦うべきなんだ」
光明を見出した五十嵐は、部長の待つ部屋へ向かった。
〇個別オフィス
五十嵐「頼もう・・・!!」
部長「遅かったわね。色々小細工でも練っていたのかしら?」
部長「67×28=?」
部長「フフフ、戸惑ったでしょう?」
五十嵐「1,876」
部長「は?」
五十嵐「1,876・・・」
部長「・・・ただの小僧じゃないようね。私も本気で行かせてもらうわ」
部長「変身──!!」
五十嵐「何ッ!?」
〇個別オフィス
部長の安藤が勝負をしかけてきた
部長(第2形態)「ぎゃぎゃぎゃ~」
五十嵐「ぐあっ」
五十嵐「あれ、部長──ネイル変えたんですか? 素敵ですね」
部長(第2形態)「そうよ~、ブチ上がるわぁー。ウヒョヒョヒョ・・・」
五十嵐(しまった、逆効果だったか)
五十嵐「致し方ない──」
五十嵐「フィフティストーム!!」
部長(第2形態)「こんなの主任クラスの技じゃないわ!!」
五十嵐「そう、あなたを倒すにはもはや主任という枠にとらわれていてはダメだと気づいたんです」
部長(第2形態)「あぁ、私のネイル、スマホのデコパーツが全部飛んで行く!!」
五十嵐「ハッハッハ!!」
戦意喪失した部長は変身を解いた
〇個別オフィス
部長「別に先に進んでもいいけど、あなたではまだ厳しいかもね」
五十嵐「なぜですか?」
部長「次長の八重樫は過去に退職しようとした。そしてしくじった。その結果、あの仮面を被ることになったの・・・」
五十嵐「次長が!?」
部長「注意することね。社長は私のように甘くない」
五十嵐「ここまで来たんです。最後まで走り切りますよ」
部長「フン、まあせいぜい頑張って」
部長(私があと20年若かったら、惚れてたかもね・・・・・・)
〇会議室のドア
五十嵐「ここが社長のオフィスのある最終フロアか」
五十嵐「事前に用を足しておこう」
〇施設の男子トイレ
本部長「見つけた、五十嵐ちゃ~ん」
五十嵐「ほ、本部長!? どうしてこちらに?」
本部長「社長戦のアドバイスをしてあげようと思ってさ」
本部長「解せないって顔だねぇ、そうだよねぇ」
本部長「僕はね、次期社長を狙っているのさ。そのためには五十嵐ちゃんが社長を倒してくれると、非常に助かるんだよねぇ」
本部長「だから五十嵐ちゃんとも戦わないことを選んだ。わかるね?」
五十嵐「しかしできれば自力で──」
本部長「甘いね、甘いよぉ。そうやって八重樫ちゃんも敗れ去ったのだよぉ」
本部長「なーに、ちょっとしたことさ・・・・・・」
五十嵐は本部長のアドバイスを聞き入れ、数段階レベルアップした。
〇会議室のドア
五十嵐?「本部長のおかげで五十嵐、ひいては人間の殻を破り捨て、さらにパワーアップすることができた。会っておいてよかった」
五十嵐は満を持して社長室のドアを叩いた。
〇豪華な社長室
社長「キミが五十嵐君だね。見違えたよ、たくましくなった」
五十嵐?「ありがとうございマス」
社長「ところで、退職したいんだって?」
社長「これを見ても同じことが言えるかな?」
野田「五十嵐君・・・!!」
五十嵐?「野田先輩!? 先輩をどうスルつもりだ」
社長「私だってこんなことはしたくなかった。キミを辞めさせたくない一心なんだ」
五十嵐?「先輩ヲ放せ!! 先パイは社員だぞ!!」
社長「キミのような有望な若手を壊したくはないのだが、どうしても戦うというのだね?」
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お見事なまでのトンデモ展開に笑ってしまいました。第二形態に変身する部長、ロボット化する五十嵐くん、この何でもあり感ww
オチにもやられました。。。