In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

エピソード1(脚本)

In My Dream 〜 続きは夢で 〜

暁愁

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〇黒
  もしも思い通りの夢を見られるとしたら、
  あなたはどんな夢を見ますか?

〇黒
  In My Dream 〜続きは夢で〜

〇店の入口

〇シックなカフェ
  店内は若者で溢れていた。
  その中で、鼻歌を歌いながら結婚情報誌をめくる女性がいる。
  浅枝(あさえだ)まひるだ。
  コーヒーを飲み干すとスマホを手に取った。
浅枝まひる「はあ・・・遅い」

〇名門の学校

〇明るい廊下

〇散らかった研究室
  研究室は静まり返っている。
京坂康介「周波数5Hz。θ波です」
京坂康介「REM睡眠入りました」
結城ないと「眼球運動確認。右、左、右、右、右」
京坂康介「おっと」
  慌てて紙を手に取る京坂(きょうさか)。
京坂康介「えーっと、お・・・は・・・よ・・・う」
京坂康介「おはようか!」
京坂康介「やった! 成功だ!」
結城ないと「しー」
  口に人差し指をあてる結城(ゆうき)。
京坂康介「す、すみません。。」
結城ないと「教授」
根岸辰蔵「うむ。よくやった」
  ベッドで眠る男性に顔を近づける結城。
結城ないと「おはよう。夢の世界を楽しんで」

〇散らかった研究室
京坂康介「結城さーん、おめでとうございます! やりましたね!」
結城ないと「うん。ありがとう」
京坂康介「これで准教授になるのも時間の問題ですねぇ」
結城ないと「それはどうかな」
京坂康介「あのー、ひとつお願いが・・・」
結城ないと「ん? どうかしたの?」
京坂康介「次の実験は・・・ぜひこの僕で」
結城ないと「はは。そういうことか。 それは教授の許可が必要だなぁ」
「・・・・・・」
根岸辰蔵「お前が見ようとしてるのは卑猥な夢だから駄目だ」
京坂康介「そんなぁ。 こんな健康優良児の被験者、他にいないですよお!」
京坂康介「あー、いいなー。 夢の中を自由に動き回れるなんて」
結城ないと「京坂くんもいつかね」
京坂康介「あ、そうだ」
京坂康介「結城さん、ランチ行きません? 今日のBランチは・・・」
結城ないと「あ! いけない!」
  慌ててロッカーからスマホを出す結城。
京坂康介「どうかしたんですか?」
結城ないと「またやっちゃった」
  頭をポリポリとかく結城。

〇高速道路

〇車内
  トラックが前をノロノロと走っている。
  窓の外を向いているまひる。
結城ないと「やっぱり僕の仮説は正しかったんだ。 これを応用すれば誰もが好きな夢を見られるようになる・・・ってまひる、聞いてる?」
浅枝まひる「また夢の話か」
結城ないと「あれ? 怒ってる?」
浅枝まひる「すっごく!」
  振り向くまひる。
結城ないと「え、あ、ごめん。 遅刻、ごめんね」
浅枝まひる「な〜んてウソ」
浅枝まひる「好きなことに夢中になってるないと、カッコいいよ」
結城ないと「よかった」
浅枝まひる「でも、私の夢もちゃんと叶えて欲しいなって」
浅枝まひる「卒業まであと半年しかないんだから」
結城ないと「もちろんだよ! だからこうして今日も式場選びにさ・・・」
浅枝まひる「見学時間、短くなっちゃったけど」
結城ないと「う・・・」
浅枝まひる「ずっと楽しみにしてたんだからね」
結城ないと「ごめんね。 今研究がすごく良い所でさ。 今を逃したら・・・」
浅枝まひる「わかってる」
浅枝まひる「わかってるけど・・・」
浅枝まひる「研究、うまくいくといいね」
結城ないと「ありがとう。 まひるも大事にしてるから」
浅枝まひる「も?」
結城ないと「あ・・・」
浅枝まひる「もう、知らない!」
  プイと外を向くまひる。
結城ないと「そういえば!」
結城ないと「今から行くとこ、式で出すディナー食べさせてくれるんだって」
浅枝まひる「・・・・・・」
結城ないと「デザートだけ、追加料金払ってアップグレードしといたから」
浅枝まひる「ほんと!?︎」
  笑顔で振り向くまひる。
浅枝まひる「嬉しい! 早く食べたい!」
  トラックが前をノロノロと走っている。
結城ないと「遅いな、このトラック」
浅枝まひる「デザートが無くなっちゃう! ないと、追い越して!」
  車線変更してトラックの横につく。
浅枝まひる「え、あの運転手さん・・・」
  トラックが近づいてくる。
結城ないと「危ない!!︎」
結城ないと「まひる!!︎」
  キキーッ、ガッシャーン!

〇渋滞した高速道路
  救急隊員が担架を救急車に乗せている。
交通誘導員A「こりゃひどいな。乗ってた人は?」
交通誘導員B「一人は即死だって」
交通誘導員B「もう一人は息があったみたいだけど・・・」
交通誘導員B「あの様子じゃ厳しそうだな・・・」
交通誘導員A「お気の毒に」

〇可愛い結婚式場

〇結婚式場のレストラン
  店内は若いカップルで溢れている。
浅枝まひる「あ〜おいしかった。お腹いっぱい」
結城ないと「まだデザート来るよ?」
浅枝まひる「大丈夫。ちゃんと別腹用意してるから」
結城ないと「えっ!」
  慌てて立ち上がる結城。
浅枝まひる「なに? どうしたの?」
結城ないと「うん、ちょっと」
  ウェイターと共に出口へ向かう結城。
浅枝まひる「どこ行くの?」
結城ないと「まひるはここで待ってて」
浅枝まひる「もう!」
浅枝まひる「ないとの分のデザートも食べちゃうからね!」
  気付くと周りには誰もいなくなっている。
浅枝まひる「あれ? みんなは?」
  静まり返る店内。
浅枝まひる「すみませーん!」
浅枝まひる「誰かいませんかー?」
  ・・・・・・
浅枝まひる「ないとー!!︎」

〇総合病院

〇綺麗な病室
  心電図の音が鳴り響いている。
京坂康介「おばさん! まひるが!」
浅枝久美子「まひる?」
浅枝久美子「まひるー!!︎」
  まひるに抱きつこうとする久美子。
京坂康介「駄目です。今は冷静にって先生が」
  慌ててナースコールを押す京坂。
浅枝まひる「・・・とは?」
浅枝久美子「まひる。なに?」
浅枝まひる「・・・ないとは?」
  久美子が首を横に振る。
  目をゆっくりと閉じるまひる。

次のエピソード:エピソード2

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