男でイタコで四重奏(カルテット)!?

澤井 軽野

俺様とチャラ男とお子様in幼なじみ(脚本)

男でイタコで四重奏(カルテット)!?

澤井 軽野

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〇通学路
  朝、大学への道
「お姉ちゃ~ん」
ヨージ「おはよっ!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「ヨージ君おはよ!」
ヨージ「ねえねえ、今日お昼一緒に食べようよ! 何食べる?僕パフェがいい!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「パフェはデザート! 食事もちゃんと採らなきゃ」
ヨージ「わかった!じゃあ苺ケーキも── あっ」
ヨージ「ちょっと、まだ僕がお姉ちゃんと話してるのに──」
ラピ「・・・」
小祖苗 花(おそなえ はな)「えーっと、誰?」
ラピ「・・・」
小祖苗 花(おそなえ はな)「あ、ラピ君か おはよ」
ラピ「・・・」
ラピ「フッ」
ラピ「お前はいつも笑ってんな」
小祖苗 花(おそなえ はな)「そう?」
ラピ「チッ 邪魔が入った」
カヲル「やぁ、花ちゃんおはよ! 今日も最っっ高に可愛いね♡」
小祖苗 花(おそなえ はな)「カヲル君おはよ!」
カヲル「あれれ、僕のいつもと一味違う愛の告白はスルー?」
小祖苗 花(おそなえ はな)「いつもと同じ朝の挨拶じゃない」
カヲル「ひどいなぁ、僕はこれでも真剣に──」
カヲル「あ、残念 玲が来るみたい」
カヲル「じゃあ花ちゃん、また後でねっ!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「お・ま・え・らー」
月杉 玲(つきすぎ れい)「勝手に出てくんなっつってんだろ!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「玲、おはよ!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「あ、ああ おはよう花」
  これを聞いてたら、4人の男の子と行き会ったって思うでしょう?
  でも実際は、一人なんです
  少なくとも、生身の男の子は──

〇白
  幼なじみの玲はイタコの家系で、男だけど凄い才能があると言われてます
  一方私は普通の家系なのに昔から幽霊に好かれる体質で
  その度に玲が幽霊と交渉して助けてくれてたんです
  でもこの春、大学に入ってしばらくした頃

〇女の子の一人部屋
小祖苗 花(おそなえ はな)「うう──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「花!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「酷い瘴気だ 何体居やがる!?」
月杉 玲(つきすぎ れい)「今助ける!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「てメェら全員大人しくしろ!」

〇女の子の一人部屋
月杉 玲(つきすぎ れい)「ハァハァ ぜ、全員俺の中に入れたぞ」
小祖苗 花(おそなえ はな)「もう大丈夫 ありがと、玲」
月杉 玲(つきすぎ れい)「3体か さすがにこんなに入れたの初めてだ」
月杉 玲(つきすぎ れい)「何のつもりか吐かせてやる」

〇女の子の一人部屋
月杉 玲(つきすぎ れい)「なるほど」
月杉 玲(つきすぎ れい)「3人とも、悪い霊の気配がしたから様子を見に来たと」
ラピ「ただのガキと優男だったがな」
カヲル「そしたら子供とチンピラだったんだよね~」
ヨージ「ただのバカそうなオジサン2人だった!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「なるほどな つまり──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「てメェら全員悪い霊じゃねえか!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「帰れ!全員帰れ!」
ラピ「まだ油断できん しばらく見張らせて貰う」
カヲル「同じく♪」
ヨージ「僕も~」
月杉 玲(つきすぎ れい)「ざけんな!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「まあまあ、私を守ろうとしてくれたみたいだし」
小祖苗 花(おそなえ はな)「しばらく居てもらおうよ」
月杉 玲(つきすぎ れい)「信じるなよこんな奴ら・・・」
ラピ「ほう── お前、名前は?」
カヲル「好きです!結婚してください!」
ヨージ「お姉ちゃん優し~い!すき~!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「おい!花は俺の大切な──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「大切な お、幼なじみだから──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「急に引っ込むんじゃねえ!」
  そのまま半年が経ち、今に至ります

〇大学の広場
月杉 玲(つきすぎ れい)「宗教学の講義まだ受けてるのか?」
小祖苗 花(おそなえ はな)「大学の講義で一番イタコと関係ありそうだったから」
月杉 玲(つきすぎ れい)「イタコとは関係ないって言ったろ」
小祖苗 花(おそなえ はな)「でも、教授が講義外の事も教えてくれるし──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「その教授の花を見る目がいやらしいんだよ」
小祖苗 花(おそなえ はな)「何か言った?」
月杉 玲(つきすぎ れい)「や、何も」
月杉 玲(つきすぎ れい)「じゃあまた昼にな!」
「お早う、小祖苗君」
小祖苗 花(おそなえ はな)「あ、神代先生!」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「2限の宗教学、出てくれるんだろう?」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「良かったらその後、お昼一緒にどうかな 例の文献、手に入ったんだ」
小祖苗 花(おそなえ はな)「凄い!ありがとうございます!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「あ、でも友達も一緒だけどいいですか」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「構わないよ」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「では後ほど」

〇シックなカフェ
  昼
月杉 玲(つきすぎ れい)(何だこの状況)
神代教授(かみしろきょうじゅ)「はい、頼まれてた文献」
小祖苗 花(おそなえ はな)「ありがとうございます!」
小祖苗 花(おそなえ はな)(これで少しは皆の役に立てるかな)
神代教授(かみしろきょうじゅ)「『霊体の分類学大系』も隣町の図書室の書庫にあるらしいんだ」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「私のツテで借りられるから、次の日曜一緒に行かないか?」
小祖苗 花(おそなえ はな)「ぜひ!」
ラピ「離れろ その女は俺のだ」
カヲル「君~、僕の子猫ちゃんにちょっかい出さないでくれる?」
ヨージ「僕のお姉ちゃんだぞ!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「だから勝手に出てくんな!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「あ、いや、何でもないっす!」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「じゃあ、日曜の12時に駅で」
月杉 玲(つきすぎ れい)(花──)

月杉 玲(つきすぎ れい)(う──)
カヲル「待ち合わせ前の一人の所を──」
ヨージ「人気のない所で──」
ラピ「力ずくで──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「な、何の話だ」
カヲル「あれぇ、起きちゃった?じゃあもっとお薬飲もっか」
月杉 玲(つきすぎ れい)「な、何を──」
カヲル「君じゃ彼女の相手はまだ早いよ」
ラピ「あの女は俺達の獲物だ」
ヨージ「玲は寝てなよ」
月杉 玲(つきすぎ れい)「て・めぇ・ら──」
月杉 玲(つきすぎ れい)(クソっ、意識が)
月杉 玲(つきすぎ れい)(花──)

〇駅前ロータリー(駅名無し)
  日曜
小祖苗 花(おそなえ はな)(神代先生遅いなぁ)

〇住宅地の坂道
神代教授(かみしろきょうじゅ)「君は──」
ラピ「ツラ貸せ」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「何だ急に」
カヲル「君じゃなくて中の人に用があるんだよね~」
神代教授(かみしろきょうじゅ)「──」
ヨージ「ついて来なよ」

〇古びた神社
カヲル「出て来なよ、お嬢さん」
カヲル「花ちゃんを狙ってたの君だろ?」
カヲル「あれれ」
カヲル「もしかして神になりかけてる?」
ラピ「神職者に憑いてりゃ少しは抑えられてるかと思ったが──」
カヲル「逆効果だね~」
ラピ「半年前と比べ物にならん」
カヲル「こりゃ3人がかりでもキツいかな」
ヨージ「関係ないよ」
ヨージ「お姉ちゃんを狙う奴は、誰だろうと許さない!」
ラピ「よく言った」
カヲル「だね」
カヲル「じゃあいっちょ、やりますか──!」

〇駅前ロータリー(駅名無し)
月杉 玲(つきすぎ れい)「花!すぐ来てくれ!」

〇古びた神社
月杉 玲(つきすぎ れい)「花!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「俺が目を覚ましたら教授が気絶してて」
月杉 玲(つきすぎ れい)「あいつら教授に憑いてた悪霊と戦ったらしくて」
月杉 玲(つきすぎ れい)「──3人とも、消えかかってる」
小祖苗 花(おそなえ はな)「そんな!」
小祖苗 花(おそなえ はな)「ラピ君!何でこんな──」
ラピ「フッ」
ラピ「お前のためなら 命くらい惜しいわけねぇだろ」
ラピ「笑えよ お前は笑って な きゃ──」
カヲル「花ちゃん」
カヲル「僕、テキトーな男だったけどさ」
カヲル「君の事、初めて本気で好きになって」
カヲル「よ かっ た──」
ヨージ「お姉ちゃん」
ヨージ「大丈夫」
ヨージ「僕がずっと守ってあ げ──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「クソッ」
月杉 玲(つきすぎ れい)「最後まで勝手な奴ら」
月杉 玲(つきすぎ れい)「花を悲しませやがって──」

〇通学路
  一ヶ月後
「お姉ちゃ~ん」
ヨージ「おはよっ」
ラピ「よう」
カヲル「やぁ♡」
小祖苗 花(おそなえ はな)「みんなおはよ!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「うるせぇ!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「何なんだお前ら 普通の顔して戻って来やがって」
カヲル「幽霊が死ぬ訳ないじゃ~ん」
ヨージ「カヲルがさっ! 渡し守?のお婆ちゃん口説き始めてさっ」
ヨージ「物陰に連れ込んだら、ラピがドカーンて!」
月杉 玲(つきすぎ れい)(こいつら、まさか奪衣婆を──)
カヲル「花ちゃん、今日こそ結婚しよう!」
ラピ「お前は俺だけ見てろ」
ヨージ「お姉ちゃん、だ~いすき!」
月杉 玲(つきすぎ れい)「おい!花は俺の初恋の──」
月杉 玲(つきすぎ れい)「だから急に引っ込むんじゃねえ!」
  騒がしい毎日はまだまだ続きそうです☆

コメント

  • これはっ!!!!!!☺️声ありでも是非とも楽しみたいですね!!!!!!☺️面白かったです!!!!!!✨笑いあり感動ありトキメキありのまさに贅沢な一品です!!!!!!✨🥰

  • めっちゃ面白かったんです!!
    全員同じ顔なのに四人がちゃんと四人で成立してて、乙女ゲームのチュートリアルを読んでいるような気分でした!次はどんな敵を四人で倒すのか……続きが読みたくなりました。
    本物の玲くんだけいつも台詞が引っ込んでいってしまうのが可愛くて仕方なかったです~😊
    とても楽しませていただきました、ありがとうございました!

  • 3人に翻弄される主人公、
    登場人物全てのキャラが立っていて
    1人だけじゃなく3人も同時に絡ませていく
    ストーリー。最後までとても楽しい時間を
    過ごせました!
    良い作品をありがとうございました!

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