18 視線と石(脚本)
〇基地の広場
ミスリルとマリリンから遠く離れた木の上に、小さな影があった──
〇木の上
それは、一羽の小さな鳥
白銀の羽毛は、夜の闇の中でも輝く程に美しい
その青い眼は数里も離れたミスリルとマリリンを見詰めている
その視線が今──
ミスリルと交差した──
〇基地の広場
──視線が交差するのは、マリリンが洞窟から出て、これで四回目だ
〇木の上
白銀の鳥──カラスはミスリルに軽く頭を下げてから飛び立った
飛び立つ瞬間に、彼が隠していた3本目の足の爪先が僅かに覗いたが、それを見たのはミスリルだけだった
〇基地の広場
ミスリル(フム・・・・・・)
マリリン「さあッ! ミスリル君、待たせたね!」
マリリン「餌付けの時間だよ!!」
ミスリル「グゥルルウゥゥゥ?(お前は俺が人語を理解していると知ったらどう反応するのかね?)」
マリリン「アデライーデからミスリルの餌の事は聞いてきたんだよね!」
マリリン「主食が石とか凄いよね・・・肉とか野菜は香りつけ程度で良いんでしょ?」
マリリン「重いから、運ぶのは大変だったけどね」
ミスリル「グル? ゴルルル?(なんだ? 適当な石でも拾って来たのか?)」
マリリン「適当な石を拾って──」
マリリン「交換して来たんだよね」
ミスリル「ルゥ?(交換?)」
マリリン「それぞれちょうど良いのと交換して貰ったんだからね!」
マリリン「ホイさ!!」
マリリンが取り出したのは、一抱え程の石
ミスリルにとっては小さく、一噛みで消えそうなその石は──
ミスリル「ル、グル、ルゥ・・・グル、グルゥゥ・・・(お前、いや、マリリン・・・もしや、これは・・・)」
マリリン「反応、有り、だね・・・」
マリリン「そう、コレは・・・この石達は・・・」
マリリン「『漬け物石』だッ!!!!」
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