15 戦場の経緯(脚本)
〇洞窟の深部
アデライーデ「しかし災難だったねぇ・・・ こんな酷い戦いに巻き込まれてさ」
マリリン「災難はそうだけどさー、酷いのは支部長だったよ・・・」
アデライーデ「支部長って?」
マリリン「探険者ギルドのテルトラット支部長の事だよ マリリン以外の探険者達が全滅したのはアイツのせいだったもん・・・」
〇海岸の岩場
アイツ、昔はそれなりの功績をあげた探険者だったそうだけどさ──
カネに汚いとか、人妻に迫るとか、良くない噂もいっぱいあって人望も無いし──
支部長になってからの功績も特に無いからさ、来期には解任して降格させられる予定だったらしいの──
そんな時に今回のドーカ襲撃があったんだけど、そこでアイツはギルドの探険者達に強制召集をかけたの
集まった探険者を部隊にして、自分が指揮するんだ──って、シャーキン将軍に迫ったの
なんとか手柄をたてようとしたんだろうけど、兵士みたいな訓練を受けていない探険者なんかを急に受け入れる訳無いのにね──
だけれども、シャーキン将軍だって喉から手が出るほど人手が欲しい訳だから、最上位の命令権を将軍が持つ形で認められて──
探険者達は遊撃隊として戦争に出る事になったの
〇洞窟の深部
マリリン「何が酷いって、アイツの指揮能力がもう、最悪だったのよ・・・」
マリリン「マリリン成績が悪いなりにも樹導院の指導を受けていたからさ、多少の行軍と戦場の知識は有るワケですよ──」
マリリン「支部長のとる指揮は『固まって突撃』──」
マリリン「ソレだけだったの・・・」
アデライーデ「はあ? 誰も反対しなかったの?」
マリリン「しないんだよお!!」
マリリン「マリリンが言えたコトじゃあ無いけどさぁ、優秀な探険者はほとんど教会の支援がある深層方面をメインに活動しているから──」
マリリン「教会の感心の少ないこの辺りの探険者はロクなのが残っていないんだよぉ・・・」
アデライーデ「そんな事になっていたんだねぇ・・・」
アデライーデ「でもなんでアンタこんな所に来たのさ?」
マリリン「深層方面だと探険者も余っていて登録に時間と審査が必要だったし、同級生にも会いたくなかったし──」
マリリン「表5層なら審査が要らなくて、1年で渡層資格に出来るって制度になっていたから──」
マリリン「6層の魔界化も、そこからの侵攻も予想だと数年先だったんだもん・・・」
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