明日こそ...?

カム花

読切(脚本)

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〇線路沿いの道
優希「だよなー!あっちも──」
優希(もうすぐ家だ・・・)
優希(お前のことが好きだ。付き合ってくれ! お前のことが好きだ。付き合ってくれ! よしっ!今日こそはきっと上手くいく・・・!!)
優希「俺、お前のことが──」
  チャリンチャリン!!
優希「危ないっ!!」
優希「大丈夫だったかっ!?」
優希「そうか・・・ いや、どういたしまして 何もなくて良かったよ」
優希「でもあの自転車危ないよなー!! もうちょっとスピード落とせよ!」
優希「お前も少しぼっーとしてる時あるからなー! 俺がいる時はそれでいいけど、一人でいる時は絶対気をつけろよー!」
優希(本当に何もなくてよかった・・・ でも、タイミング逃したかも──)
優希「何の話だったかって? 今日のバスケの話してたよ、」
優希(もうちょっといい雰囲気の時に──)
優希(って、もう家の前に着いちまった。 これは家の前で言うのがいいか・・・)
優希「俺、お前のことがす──」
優希「すってんころりん転んで頭のネジ少し緩んだ人間だと思ってるんだ」
  二人の間に冷たい風が吹く。
優希(しまった!言えなかった・・・! しかも夜な夜な考えて一人でウケてたお前への告白セリフその102!)
優希(『そもそも告白出来てないじゃん!』ってなったやつ! なんで告白のセリフ沢山考えてきたのになぜこれが出てくるんだ!)
  沈黙の後笑い声が響く
優希「何笑ってるんだよ・・・! 今すぐ忘れてくれ・・・」
優希(なんか面白かったみたいでウケてるし・・・ まぁ笑顔になってくれたし 結果オーライってところかな・・・)
優希(よしっ!告白は明日だな!)
優希「じゃあまた明日な」

〇シンプルな玄関
  ガチャ
  
  ドアが閉まる。
優希「はぁ〜あ 今日も言えなかった」
優希(俺の意気地無し! 明日こそはって思うの何回目だよ!)
優希(でも今日は少し進歩出来た気がする・・・ いや、きっとしたはず!)
優希(でもぼーっとしてるところも、ちゃんとありがとうって言えるところもやっぱ──)
優希「好きだな・・・」
優希「あっ、つい言っちまった でもこんな感じで良いのか・・・」
優希「お前のことが好きだよ・・・ こんな感じか・・・?」
優希「よしっ!いける! 明日こそは!」

〇シックな玄関
  ガチャ
  
  もう一人の人物も家の中に入る。
(今日も言ってくれなかったな・・・)
(自転車のことはしょうがないとして、 すってんころりんは何考えてるんだろう・・・ 思わず笑っちゃったよ!!)
(いつになったら言ってくれるんだろう・・・ 私、絶対にOKって返事するし なんならもうこっちから言う方がいい感じ?)
(でも、一生懸命考えて言ってくれてるしその気持ちも大事にしたいから──)
「待とう!」
(でも自転車から庇ってくれたのめっちゃカッコよかった! あと、なんだかんだで言えない所も可愛くて──)
「好きだな・・・」
(よしっ!明日こそは言ってもらえるように私も頑張ろーっと!)
  明日こそ...?

コメント

  • 中々告白できない彼の事を純粋に応援したくなりました!明日こそは、成功出来るといいですね!カップルの二人を見れるのも近いかも……?と思えてキュンときました!素敵な作品ありがとうございました!

  • 明日彼の告白が上手くいくことを祈りながらも、もう少し隠れ両想いを続けていても、それはそれでいい緊張感を保てそうでいいかなあって思いました。すでに彼女も準備ができているみたいだし。

  • 彼の告白するタイミングと勇気が分かります。彼は頭を悩まし、彼女はもどかしい気持ち。二人の恋愛感情がMAXになった時に叶うかな。

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