12 マリリン参上!!(脚本)
〇海岸の岩場
テルトラット砦から程近い所に、ひっそりと佇む──
〇洞窟の入口(看板無し)
一つの洞窟があった
そこからはかつて、少量の貴金属が採掘されたが、今はそれらも取り尽くされ、長らく簡易的に封鎖されていた
そこに、数年振りの来客が来た
──探険者の一団だ
最も、彼等は望んで何も無い洞窟に来た酔狂者ではなく、野戦の撤退時に帰る道を失い、一縷の望みを賭けて逃げ込んだだけなのだ
そして、彼等を追い──
ドーカ達までもがその洞窟に侵入し、2日が経っていた
〇洞窟の深部
広いとは言えない洞窟の中で迫るドーカの圧力に耐えきれず、探険者達は皆潰され、溶かされ、あるいは取り込まれていった──
ただ一人を除いて
ドーカの密集するその中央に、大人の腰丈程の魔力の球体があった
その中に、少女が一人うずくまっている
マリリン「うえぇぇぇん・・・」
マリリン「お腹減ったよぉぉ、暗いよぉ、寒いよぉ、狭いよぉ、臭いよぉ、疲れたよぉぉ・・・」
マリリン「もう丸一日『聖殻』使いっ放しなんですけどぉぉ・・・」
マリリン「お前ら、何で諦め無いんですかバカヤロー!」
マリリン「マリリンなんて大して食い応え無いんだから、放っとけよ!」
マリリン「うぅぅっ、元樹道士の探険者としてチヤホヤされるマリリンの計画がぁ・・・」
マリリン「強い探険者の後ろで安全に手柄を立てて大金持ちになって──」
マリリン「大勢のイケメンから最高の彼氏を選んで樹道院の同期を見返すマリリンの計画がぁぁ・・・」
マリリン「探険者デビュー1週間でこの状況って何なんだよお!!?」
マリリン「聖樹様ぁ! 今度からちゃんとお祈りするからマリリンを助けてよ!」
マリリン「せめて今、膝を伸ばせるぐらいの加護で良いから!」
マリリン「聖樹様がマリリンにくれた加護が弱すぎて『聖殻』スンゴイ小さいんですけどぉ!!!!」
幼体ドーカ「ブビイイイイッ!」
マリリン「うるせーーーーッ!!!!」
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