11 『獅子の黒髭』(脚本)
〇海岸の岩場
アデライーデ「よいしょっと」
気の抜けた掛け声と共に振るわれたのは、つい先程までアデライーデの腰に提げられていた二振りの剣の一つ
柄から刀身、果ては鞘まで全てが黒色の刀、デュナから譲り受けた無数の刀剣の一つ『獅子の黒髭』
それは刀身に魔力を通す事で髭の如きしなりを現す奇妙な刀で、本来は鞭の様に振るう武器なのだが──
『刃の魔女』がコレを振るう時、その様な単調な太刀筋には成らない
複雑な手首の返し、魔力の操作によって、一太刀の間に二転三転の変化を起こす魔剣となる
腕を一度振るっただけで、二体のゾンビ達を最小の損傷で活動不能にしてみせた
アデライーデ「そして、お前さん達には容赦しないよ」
「ブビイイイイッ!!??」
〇城壁
イスランド兵3「あぁっ!? あんなドーカの近くで、侵食されないの?」
魔法使い1「おそらくは彼女の魔力が強力で、ドーカの魔力を跳ね返しているのでしょう──」
魔法使い1「もっとも、単純な打撃を避けられるのかは全くの別問題なのですが・・・」
シャーキン将軍「歩兵部隊長ッ!!」
イスランド兵4「ハッ! ここに!」
シャーキン将軍「すぐに部隊は出られるか?」
イスランド兵4「いつでも行けます!」
シャーキン将軍「先ほど、お客人の大きなお連れ様が憎っくきドーカ共の大方をミンチにしていって下さった」
シャーキン将軍「だが全てを吹き飛ばせそうなモノを、明らかに俺達に気をつかってゾンビにされた同士達を残してくれた・・・」
シャーキン将軍「今もお客人はなるべく同士達を傷付けずに倒して下さっている・・・が、どうだ?」
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