その肉球を手に添えて

ふじのきぃ

ねこじゃれし(猫と戯れれば尊し)(脚本)

その肉球を手に添えて

ふじのきぃ

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〇二階建てアパート
ミャオ「なんだコレ?」
ミャオ「なんか入ってんのか?」
ミャオ「猫!?」
ミャオ「ずぶ濡れじゃねえか! ひでぇ、誰がこんなマネを!」
ミャオ「生きてる!」
ミャオ「あ、やべ」

〇霧の中
ミャオ(ペット禁止なんだよなあ)
ミャオ(見つからないようにしないと)

〇二階建てアパート
ミャオ「さて、と」
ミャオ「このままじゃ寒いだろ?」
ミャオ「俺ん家に連れてってやるよ」

〇アパートの台所
ミャオ「ふぅ、なんとかバレなかったな」
ミャオ「泥汚れが目立つなー」
ミャオ「折角の毛並みが台無しだぜ」
ミャオ「今綺麗にしてやるからな」

〇風
ミャオ「先ずは優しく汚れを洗って〜」
ミャオ「猫用シャンプーは、と」
ミャオ「ほおら、綺麗になってくー♪」

〇幻想2
ミャオ「おお、なんて美しい銀トラ!」
ミャオ「おめえ、やっぱ可愛いなあ!」

〇アパートの台所
ミャオ「俺の膝で寛ぎやがって、愛いヤツめ♪」
ミャオ(──にしても、大人しい猫だなあ)
ミャオ(拾ってからも全く鳴かないし、 よっぽどひどい目に遭ったんだろうな)
ミャオ(ちょっと驚かしてみっか)

〇動物
ミャオ「秘技・猫吸い!」
ネコ「うにゃあぁあ!?」

〇水玉
ネコ「なにするでしかー!」
ミャオ「んへ? しゃべっ──」
ネコ「にくきゅーれんだ!」

〇アパートの台所
ネコ「危うく食べられる所だったでし!」
ミャオ「とんでもない!」
ミャオ「ただ、にほひを嗅いだだけだヨ? コワクナイカラネ?」
ネコ「イヤー変態! 猫セクハラでし!」
ミャオ「猫セクハラってなんだよ」
ミャオ「てかお前、喋れるのな? 初めて見たぜ」
ネコ「ねこ〜ん」
ミャオ「喋ってるよな?」
???「ミャオ! 煩いぞ!」
ミャオ「姉貴!?」
ミレイナ「何だその毛玉は?」
ミレイナ「また拾ってきたのか? ペット禁止って言っただろうが!」
ミャオ「いや、これはその」
ミャオ「なあ、お前。 さっきの鳴き声で鳴いてくれよ」
デシ「お前、じゃないでし! デシはデシでし!」
ミャオ「一人称も語尾もデシかよ!」
ミャオ「とにかく頼んだ!」
デシ「うにー、分かったでし」
デシ「ね」
デシ「ねこ〜ん」
ミレイナ「なんだ玩具だったのか」
ミレイナ「全く驚かさないでよね?」
ミレイナ「さて、ゲームの続き〜♪」
デシ「危なかったでし」
ミャオ「あの様子じゃあ、 "あいるろふぉびにゃ"にハマってるな」
デシ「それは美味しいのでしか?」
ミャオ「PCゲームってやつさ。 食えねえけど、後で教えてやんよ」
ミャオ(ハラ空かせてんだな。やれやれ)

〇二階建てアパート

〇アパートの台所
デシ「改めて自己紹介でし」
デシ「とうとしち星から来た喋る猫、デシでし!」
ミャオ「俺は又旅 宮雄。 ミャオって呼んでくれ」
デシ「猫みたいな名前でし!」
ミャオ「だろ? だから猫好きなんだろうな」
デシ「猫好きでも、吸うのはやめてほしいデシ」
ミャオ「わ、悪かったよ」
ミャオ「んで、デシは何であんなトコに?」
デシ「コレでし」
ミャオ「箱?」
デシ「ソレで猫達を転送していたのでし」

〇惑星
デシ「その箱は転送装置。 デシの星の保護区域に送られるでし」

〇海辺の街
デシ「デシはこの地域で猫達を捜索していたでし」

〇林道

〇川に架かる橋の下

〇二階建てアパート
デシ「途中で疲れを取る為、 箱の中で仮眠を取ってたでし」

〇アパートの台所
ミャオ「成程な。そこで俺に拾われたって訳か」
ミャオ「デシは偉いなあ」
デシ「デシシ、照れるでし」
ミャオ「でもな? ずぶ濡れになってまで無茶すんなよな」
ミャオ「風邪引いたらどうすんだよ」
ミャオ「お前まで動けなくなったら、 誰が猫達を保護するんだ?」
デシ「ごめんなさいでし」
デシ「ミャオは良い人間でし」
デシ「地球人みんながミャオと同じ考えなら、 猫達は救われていたかもでし」
ミャオ「デシ──」
デシ「解ってるでし。みんな違う考えなのは」
デシ「だから、とうとしち星の猫達は "語学"を学んでいるでし」
ミャオ「凄え!」
デシ「学校も設立して教室もあるでし」
ミャオ「何ソレ超見てみたい!」
デシ「いつか人間と猫が手を取り合って」
デシ「共に歩んでいけるように」
デシ「猫達の希望になれるよう、 日々勉学に励んでいるでし!」
ミャオ「ソレ、泣いちゃうヤツ」

〇雷

〇黒
ミャオ「停電か!?」
デシ「怖いでし」
ミレイナ「もう最悪! 今いい所だったのに!」
ミレイナ「ミャオ! ブレーカー直すの手伝って!」
ミレイナ「え、居ない?」
「・・・」
デシ「にゃんで隠れたでし?」
ミャオ「つい、な」
ミレイナ「こらこら、 鍵開いてるから居るのバレバレだぞ?」
ミレイナ「それとも、私に隠し事かな?」
ミレイナ「例えば、昼間の玩具は本物の猫だったとか?」
ミャオ「バレてんじゃん!」
デシ「ねこーんじゃダメでしか!?」
ミレイナ「出てこないなら、こっちから探すまで」
ミレイナ「LV299猫調査員のRTAだ。 ふふ、腕が鳴るよ」
ミャオ「リアルで"あいるろ"始めやがった」
デシ「お昼に言ってたヤツでし?」
ミャオ「ああ。PC落ちて御立腹みたいだ」
ミレイナ「どこに居るかにゃー?」
ミレイナ「居たら返事するにゃー」
ミャオ(これは重症だな)
ミャオ(やっぱ猫好きじゃん。姉貴)
ミャオ「なあデシ。頼みがあるんだが」
ミレイナ「流石にブレーカー縛りはキツイか」
ミレイナ「だがしかし! こんな事もあろうかと懐中電灯を用意した!」

〇アパートの台所
ミレイナ「なんだ居るじゃないか」
ミレイナ「ほら、猫の件は後でいいから、 ブレーカーを──」
  そして俺はデシを抱え、
  姉貴の目蓋に肉球を添えた。

〇水玉
デシ「だ〜れにゃ、でし!」
ミレイナ「にきゅん!?」

〇二階建てアパート

〇二階建てアパート

〇二階建てアパート

〇アパートの台所
ミレイナ「まさか本当に話す猫が居たとは」
ミレイナ「しかも捨て猫を保護してるんだって? 感心するねえ」
ミャオ「だからさ、暫くココに居させていいだろ?」
デシ「転送装置が復旧するまでの間でいいでし」
ミレイナ「いつまででも良いわよ! 折角、地球の暮らしを体験出来るんだから」
デシ「確かに! 色々勉強させて貰うでし」
ミャオ「いいの? ペット禁止なんじゃ?」
ミレイナ「話すペットなんて、聞いた事ないからね」
ミレイナ「それにアンタ、 こんな良い子をペット扱いするの?」
ミャオ「姉貴──」
ミレイナ「ま、なるようになるわよ。 デシも困った事があったら相談しにおいで」
デシ「了解でし!」
ミャオ「じゃあさ、 今度の休みに3人で"あいるろ"やろうぜ!」
デシ「やりたいでし!」
ミレイナ「いいだろう! ゲームもリアルも天気の良い日が好ましいな」
ミャオ「ホントそれな!」

〇アパートの台所
ミャオ「んじゃ、暫くの間よろしくな」
ミャオ「姉貴も言ったけど、俺だって相談に乗るし、遠慮なく言ってくれよ」
デシ「それじゃあ、 ミャオに手伝ってほしい事があるでし」
ミャオ「お、言ってみな?」
デシ「二足歩行の練習に、付き合ってほしいでし」
  いつか人間と猫が手を取り合って
  共に歩んでいけるように
  その肉球を手に添えて。

〇幻想2
ミャオ「あーんよーがじょーず♪」
ミャオ「あーんよーが」
デシ「でし♪ でし♪」

コメント

  • ふじのきぃさんこんばんは
    過去作お邪魔致します〜

    デシ癒されイケメンに癒され、凄く良かったです
    茶トラかと思ったら汚れてたのは声がでました😂演出すきです👍

    瞼肉球で尊し してみたい

  • 20人目の読者でした!
    猫可愛い吸いたい……!
    最初から最後までデシにムネキュンでした!

    キュンのコンテスト応募してたの今頃気付いた私です(汗)

  • デシちゃんかわいい!
    いつか人間と猫が…いい世界ですね。
    デシちゃんにはがんばってもらわなくては!
    でも、少しくらい吸わせて欲しいですよね。笑
    最後のでキュンときました!

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