貴女に薔薇の花束を

夕菜

第1回キュンとする話コンテスト(脚本)

貴女に薔薇の花束を

夕菜

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〇お花屋さん
光「店長、この花はあっちの棚で良いですか?」
麻子「そうね。 ついでに今日入荷したこの子も隣に並べておいてくれる?」
光「了解です」
麻子「やっぱり男の子が居ると助かるわ~。頼りにしてるわよ光くん」
光「任せてください」
麻子「それにしても君も変わってるわよね」
麻子「このテナントのオーナーの息子で、会社を継ぐ事も決まっているのに花屋でアルバイトだなんて」
光「ここならほぼ毎日彩香さんに会えるので」
麻子「一途よねぇ・・・あら、噂をすれば」
光「!」
光「いらっしゃいませ!」
彩香「こんにちは光くん」
彩香「今日はお得意様の50周年記念に贈る花を用意して貰いたいんだけど・・・・・・」
光「はい! お任せください!」
彩香「光くんはいつも元気ね」
光「彩香さんもいつもお仕事頑張ってますよね。お疲れ様です」
彩香「ふふ、ありがとう」
光「今日は他に何か買っていかれますか?」
彩香「ううん。今日はこの後友達と約束があるの。また今度にするわ」
光「あの、彩香さん! 明日、ここに来られますか?」
彩香「明日? 特に用事はないけど・・・どうして?」
光「お渡ししたいものがあるんです」
彩香「そうなの? よくわからないけど・・・それじゃあ明日、仕事帰りに寄るわね」
光「はい! お待ちしてます!」
  ─翌日─
光「いらっしゃいませ彩香さん!」
彩香「こんにちは光くん」
彩香「言われた通り来たけど・・・」
光「彩香さん、俺、今日が誕生日なんです」
彩香「そうなの!? 言ってくれれば何か用意したのに」
光「それで俺、18歳になりました」
彩香「そうなのね。 おめでとう」
光「結婚も出来ます」
彩香「え?」
彩香「ええ、そうね」
光「だから・・・」
光「好きです! 俺と結婚して下さい!!」
彩香「え・・・」
彩香「えーーーー!?」
光「彩香さん、10年前に言いましたよね」
光「10年経っても気持ちが変わらなければ俺と結婚してくれるって」
彩香「10年前って・・・嘘・・・あの時の男の子!?」
光「俺、あなたに相応しい男になる為に沢山努力をしました」
光「気持ちも変わってません。いえ、あの頃よりもずっと本気であなたの事が好きです!」
彩香「待って光くん」
彩香「その・・・気持ちはありがたいんだけど、私はあなたの事を覚えてなかったわけだし・・・」
光「問題ありません。必ずあなたを振り向かせてみせます」
彩香「い、いや、でも・・・」
光「今すぐ結婚は無理でも、結婚を前提に付き合ってください!」
彩香「ご・・・ごめんなさい!」
光「何がいけませんか? 言って貰えれば直します」
彩香「光くんは何も悪くないの。 実は私・・・・・・」
光「はい」
彩香「上司にお見合いを薦められてるの!」
彩香「本当にお世話になった上司で、今更断るなんて出来ないし、だから光くんとの交際は・・・・・・」
光「問題ありません」
彩香「光くん、あなたはまだわからないかもしれないけど、そんな簡単な事じゃ」
光「そのお見合いの相手、俺なので」
彩香「・・・」
彩香「えーー!!!!」
彩香「だって、うちの会社の会長のお孫さんだって」
光「俺です」
光「お見合いでお会いした時でも良かったんですけど、でもやっぱり1日でも早く貴女に言いたくて・・・」
光「改めて言います」
光「彩香さん、俺と結婚を前提にお付き合いしてください!」
彩香「お・・・お友達からでお願いします・・・」
麻子「(光くん、今仕事中だって事忘れてないかしら?)」

コメント

  • 一途な年下の男の子って、それだけでとっても魅力がありますよね!!最期までハッピー要素満載のお話で、自然とニコニコできる作品でした!素敵な物語、ありがとうございました!

  • ここまで思われたら心も動きますよね。
    たしかにお見合いの席で言われるより、花束を持ってプロポーズ…の方がいいかもしれません。
    まずはお友達から、ですよね!

  • 男性にここまで憧れをもたれたら女身寄りにつきますね! 自分の立場を利用しているようでもあるけど、すでに彼女が彼に好意を持っているとしたら、シンデレラストーリーですね。

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