こころのきゅんとしたデート(脚本)
〇講義室
私、下地こころ、23歳。大学院生です。
宇都宮敏夫「今日はここまで。内容はきちんと記録しておくように」
「有難うございました!!」
隣にいるのは、同級生の花音ちゃん。私とは高校時代からの友達です。
若井花音「こころ、もうお昼だね。ランチ、今日は何にする?私はパスタセットよ」
下地こころ「私は日替わりランチだよ」
「それじゃ、学食へレッツゴー!!」
〇学食
下地幹夫「こころ、来てたんだ」
下地こころ「お兄ちゃん!!」
今のは、私の兄。実は双子なんです。
若井花音「こころの兄貴!?」
下地幹夫「そうだよ。違う学部だけどね」
若井花音「なるほど」
するとそこへ、私のサークル仲間の憧れの先輩が来たんです。
山之内聡「おい、下地こころ。一体どうした?」
下地こころ「先輩!実は兄とお話してたんです!」
山之内先輩です。一見気障だけど、根はいい人です。
山之内聡「実は俺、遊園地のペアチケットが当たったんだ。一緒に行く?」
私はびっくりしました。
下地こころ「凄いですね、先輩!私も応募したけどダメでした!兄と一緒に行こうと思ってたんです」
若井花音「先輩、凄いですね!」
下地幹夫「こころ、僕も応募したんだよ。先輩と一緒なんてちょっと羨ましいけどね」
下地こころ「先輩、家族と相談してみます」
下地幹夫(大丈夫かなぁ。父さん、厳しいからなぁ)
果たして、父は首を縦に振ってくれるでしょうか。
〇明るいリビング
その夜、夕食の時に私は家族に相談したんです。
下地こころ「という訳なの、お父さん、お母さん。いいでしょ?」
私は、先輩と一緒に写ってるスマホの写真を見せました。
下地雄一郎「おい、こころ!こんなチャラい奴と知り合って!」
下地和香子「お父さん、落ち着いて下さい」
下地幹夫「そうだよ、父さん!母さんやこころの言ってるように、根はいい人なんだ!」
下地雄一郎「まったく、母さんたちはいつもこうだ!」
下地和香子「お父さん!」
下地雄一郎「わかった、俺の負けだ。許可する」
私たちは安心しました。あの堅物な父がやっとわかってくれたんです。
下地和香子「向こうとしっかり打ち合わせしないと」
下地幹夫「こころ、僕の分まで楽しんでね」
下地こころ「わかった。ありがとう」
〇女の子の一人部屋
寝る前、先輩と打ち合わせしました。
下地こころ「という訳で先輩、今度の土曜日はどうですか?私はその日、空いてます」
山之内聡「いいよ。俺もその日フリーだし」
下地こころ「判りました。その日の朝10時に駅の入口で待ち合わせましょう」
山之内聡「オッケー。楽しみにしてるよ。おやすみ」
下地こころ「おやすみなさい」
こうして、先輩とのデートも決まり、ウキウキしちゃいました♡
〇シックな玄関
そしてデートの日になりました。朝ご飯も食べておめかししたし、出発です!
下地こころ「折角可愛くしたんだもん。行ってきまーす!」
下地幹夫「僕もこれから駅前の本屋でバイトなんだ。行ってくるね」
下地雄一郎「ははは。こころ、楽しんでおいで。俺も昔は母さんの前でブイブイ言わせたものさ」
「そうなの!?」
下地和香子「もう、お父さんったら。二人とも、気を付けてね」
「行ってきまーす!」
こうして出発。私はデートで、兄は駅前の書店でバイトです。
〇駅前広場
待ち合わせの時間の前に、駅に着きました。
下地こころ「じゃ、お兄ちゃん、バイト頑張ってね」
下地幹夫「もちろんさ。デート、楽しんでおいで」
兄は書店に入って行きました。少し経つと、先輩が到着しました。
山之内聡「下地、お待たせ。お、可愛くおめかししてきたな?」
下地こころ「はい!髪型もアレンジしちゃいました!」
山之内聡「可愛いじゃないか。 ちゃんとチケットも持ってきた。それじゃ、行くとするか!」
下地こころ「はい!」
こうして、私と先輩のデートがスタート。
〇遊園地の広場
電車に乗ること15分。遊園地に到着。駅から歩いてすぐの距離でした。
下地こころ「すごーい!」
山之内聡「さ、着いたよ。今日は思いっきり楽しませるからね」
下地こころ「はい♡」
その遊園地は素敵な場所でした。
山之内聡「どこへ行く?」
下地こころ「先輩、まずはあの可愛いお城に行ってみましょう!」
山之内聡「オッケー」
園内は広いので、移動手段としても使える園内を走る汽車に乗って移動しました。
〇西洋の城
そのお城は、遊園地のシンボル的存在で、絵本に出てきそうな感じでした。
山之内聡「そうだ。これを俺にとってのお姫様に」
先輩は、私にティアラをつけてくれました。
下地こころ「先輩、ありがとうございます♡」
お城の中を二人で散歩するのって、ロマンチックでした。
下地こころ「あっ」
山之内聡「お前、靴片方落としたぞ。履かせてやる」
下地こころ「先輩、ありがとうございます」
先輩は私にとって、まさに王子様♡
〇メリーゴーランド
お化け屋敷、コーヒーカップ、ジェットコースターを楽しんだ私たちは、メリーゴーランドの近くでランチにしました。
山之内聡「欲しいやつ言ってくれ。俺が支払う。ちなみに俺はうどんセットだ」
下地こころ「私、カレーセットがいいです」
遊園地で食べるランチは、とっても美味しかったです。その後、メリーゴーランドに乗りました。
山之内聡「馬車のやつに乗ろう。俺がエスコートする」
下地こころ「有難うございます♡」
メリーゴーランドはとても楽しく、お姫様と王子様になった気分でした。
〇観覧車のゴンドラ
一緒にパフェを食べたり、お土産を買ったり、外輪船に乗った後、観覧車に乗りました。
下地こころ「先輩、夕方の観覧車も素敵ですね」
山之内聡「ああ。俺とお前のロマンチックなデートのクライマックスに最適だ」
私と先輩は、観覧車の中で、外の光景を見て過ごしました。
〇駅前広場
山之内聡「今日は最高の一日だったな」
下地こころ「先輩、私もです。今日は有難うございました」
山之内聡「また一緒にデートしようぜ」
下地こころ「はい!!」
山之内聡「また月曜に学校で会おうな」
下地こころ「はい!」
こうして、私と先輩の楽しいデートはおしまい。
最高の一日でした。
下地幹夫「バイト終わったよ。こころ、デート楽しかった?」
下地こころ「うん、とっても楽しかったよ。お兄ちゃん!」
夢のような、楽しいひと時でした♡
優しいお話でほっこりしました。双子の兄が良き理解者でよかったです♪
二人の遊園地のデートの雰囲気が全体的に優しくて、ほっこりとしました!後、お兄さんが優しいのが、いいなぁと思いました!素敵な物語、ありがとうございました!
究極にロマンチックなデートで、こんなにお姫様扱いされたら、もう恋が止まらなくなっちゃいますね。お兄さんが妹にとても優しくて協力的なのも読んでいてほのぼのしました。お兄さんも素敵だなぁ。