〇ハチ公前
しゅきぴ「おまたせ！ 服選んでたら時間掛かっちゃって・・・・・・」
しゅきぴ「にしても、めずらしいよね 君の方から連絡くれるなんて！」
しゅきぴ「今日はデートプラン考えてくれたんだよね？」
しゅきぴ「どんな感じなんだろ・・・・・・ すっごい楽しみ～♪」
しゅきぴ「ほらほら、いこっ!!」

〇水族館前
しゅきぴ「水族館！ 定番だけど、一緒に来たことなかったね」
しゅきぴ「魚好きなの？」
しゅきぴ「あ～熱帯魚！ いいよねキラキラして癒される♡」
しゅきぴ「俺はそうだな～デカい魚、かな？ シャチとか鯨とか・・・・・・」
しゅきぴ「生き物の力強さを感じられて好きっ！」
しゅきぴ「大学の方はどう？ 勉強忙しいって聞くけど・・・・・・」
しゅきぴ「法律だっけ？ 難しいことは俺わかんないけど レポートとか大変そうだよね～」
しゅきぴ「うん、大学生って俺の中ではレポートに追われてるイメージ」
しゅきぴ「あ、目に隈出来てるじゃん！ 寝不足は身体に悪いし、せっかくの可愛い顔が台無しになっちゃう」
しゅきぴ「ちゃんと寝ないとダメだぞ～っ」
しゅきぴ「そうだ、ガム食べる？ ミントで目が冴えるかもっ」
しゅきぴ「あはは～くしゃみしてる！ もしかして鼻弱い？」
しゅきぴ「ふふ、かわいい・・・・・・」
しゅきぴ「んっ、なんでもない ――ほら、使いなよ」
しゅきぴ「でもそっか・・・・・・頑張っててえらいね！」
しゅきぴ「だってちゃんと大学生してるんでしょ？ えらいじゃん、マジリスペクト」
しゅきぴ「え～からかってないよ」
しゅきぴ「ホントに尊敬してる」
しゅきぴ「彼女が努力できるカッコイイ女だって友達に自慢しちゃおっかな！」
しゅきぴ「普通の大学生は遊び呆けてそうだもん」
しゅきぴ「でも君は違う 将来を見据えて勉強してる」
しゅきぴ「みんなが遊んでる中、努力できるなんて並大抵のことじゃないよ」
しゅきぴ「って柄にもなく真面目なこと言っちゃったかな？」
しゅきぴ「あ、ほら、もう入場できそうだよ！ いこいこ～っ！」

〇大水槽の前
しゅきぴ「ね、知ってる？ イソギンチャクとクマノミって互いに共依存の関係なんだってさ！」
しゅきぴ「守って、守られて 助けて、助けられての関係──」
しゅきぴ「あはっ、まるで俺たちみたいじゃん」
しゅきぴ「・・・・・・」
しゅきぴ「え～なんか言ってよ～ 俺だけテンション高くてはずいじゃんか」
しゅきぴ「恥ずかしがってるの見て面白がってるとか、そういうプレイ？」
しゅきぴ「――ってそこで頷かないでよ～っ!!」
しゅきぴ「う～見てろよ～ ぜってー仕返ししてやるからな！」

〇おしゃれなレストラン
しゅきぴ「いっただきま～す！」
しゅきぴ「あ、お姉さんオレンジジュースおかわりください！」
しゅきぴ「・・・・・・む、何笑ってるのさ」
しゅきぴ「べ、別に大人がオレンジジュース飲んだっていいじゃんか～」
しゅきぴ「君の方こそ何飲んでるのさ？」
しゅきぴ「ブラックコーヒー・・・・・・」
しゅきぴ「うっ、大人だ・・・・・・完敗」
しゅきぴ「（完敗に――乾杯」
しゅきぴ「へっ!? あれ、声に出てた？」
しゅきぴ「ちょ、今のナシ！ うそウソ、嘘だからっ！」
しゅきぴ「お願いだからそんな目で見ないでよ・・・・・・」
しゅきぴ「今日は君に惑わされてばっかり」
しゅきぴ「まったく、ホラー映画だって叫ばないように口塞ぐので大変だったんだからね？」
しゅきぴ「うそだ～！ ぜったい隣で面白がってたもん！」
しゅきぴ「でも、君も楽しそうでよかった」
しゅきぴ「俺だけ楽しくても、そんなの嘘じゃん？」
しゅきぴ「え、楽しかったよ？ からかわれて、弄ばれて・・・・・・」
しゅきぴ「でもソレを見て君が笑ってくれるなら良かったって思える」
しゅきぴ「だって、デートってそういうものでしょ？」
しゅきぴ「目が丸くなってる・・・・・・ やっと一本取れた？」
しゅきぴ「それじゃ、ここのお会計は君に任せちゃおっかな～なんて！ もう夕暮れ時だし、帰ろっか！」

〇渋谷駅前
しゅきぴ「じゃあ、はい！」
しゅきぴ「何ってお金――だよ？」
しゅきぴ「8時間で４万円。今日のデート代 だって俺のこと、”レンタル”したでしょ？」
しゅきぴ「デートプラン、考えてくれてありがとね！ 今日はすっごく楽しかったよ、また遊びたいな～」
しゅきぴ「君みたいな子が本当に彼女だったらいいのにね」
しゅきぴ「あ～っ！ やっとデレてくれた！」
しゅきぴ「でも、今言ったことは本当だよ」
しゅきぴ「はい、これ――”僕”の連絡先」
しゅきぴ「また僕とデートしたいって思ったら 今度はこっちに連絡してよ？」
しゅきぴ「待ってる、絶対だからっ！ 次は本当の彼氏彼女しようね!!」