読切(脚本)
〇渋谷のスクランブル交差点
渋谷
そこは世界的にも有名な地名。
流行の先端。
若者の街。
色んな人が、
沢山の人が行き交う街。
日本にいたら、行ったことがなくても
見たり聞いたりする機会はある場所。
とりわけ、このスクランブル交差点は有名だ。
〇渋谷のスクランブル交差点
ところで、
君は自分がこの世からいなくなる時、
誰が隣にいるか
考えたことはあるだろうか?
家族。愛する人。
または看護師さんやお医者さんだろうか。
いやいや、病院とも限らない。
見ず知らずの人たちの中かもしれない。
誰もいなくて1人かもしれない。
こんな話をしている僕も、
その時まではわからなかった。
いなくなることで、ショックを受ける人たちがいることも。
〇路面電車の車内
自分がいなくなっても、悲しむ人なんて。
って思うかもしれない。
けれど、悲しいとか辛いを通り越して、打ちのめされてしまう
事実を受け止め切れずに
何も考えてたり感じられなくなってしまう、
そんな人は必ずいる。
少なくても、僕がそうだから。
ひょんなことから、
この時間の渋谷の大画面を使って
君にこうして話ができる。
沢山の人がいるけれど、
君が今いることを知って、こうして伝えているんだ。
誰だか思い当たらないかもしれない。
だって君といるのは、
ずっと昔だったり、もっと未来かもしれないから。
信じられないと思うけど、
時は流れるからね。
この渋谷にも、かつては路面電車があったみたいだし。
〇渋谷駅前
そして、この画面を使って
どうしても今の君に伝えたかったこと
今の君を生きてほしい
ただそれだけ。
仕事中やデート中、友達との話のふとした間かもしれない。
信号を見ようとして、スマホから顔を上げただけかもしれない。
頑張れ、も
お疲れ様、も
楽しんで!も
全部ひっくるめて
君は今を生きていてほしい。
〇渋谷駅前
どんな日であっても
どんな瞬間であっても
もしかしたら
辛くて苦しいかもしれないけれど、
今生きれるのは今まで生きてきたから。
今の君も、今生きていてほしい。
〇ハチ公前
だからって
根性で頑張れとか、
無責任なことを言いたいんじゃなくて、
今までも十分に頑張ってきたし
これからも耐え抜いていくこともあるかもしれない。
頑張っている今の君も、頑張っていない君も、
どちらでもないような今でも、
君が、今、君でいられるのは今だから
〇空
そんな変なことを言う僕は誰か?って?
それを言うと、もう行かなくてはいけないんだが、
──
僕は、
君の世界だ
君が生きている君の世界だ。
自分はこんな話し方しないって思うかもしれないけれど、
それは、僕の正体がバレないようにするためだったからだ。
──
東京の
渋谷の真ん中で
変なことを言うヤツと会ってしまった今も
君の今だけなんだ。
すごく大事なことを再確認できました。
私も凄い苦悩に悩まされていました。
そんな時に命を投げ捨てれば楽になるな、なんて考えたこともありました。でも生きていてよかったと今は思います。
簡潔でストレートな言葉だからこそ、心にダイレクトに響きますよね。特に、自分から、自分の言葉で、自分に向けてのものならば猶更ですね。
通常のメッセージは他人に対して発信するようですが、自分に対してのメッセージもありだと感じました。私も過去の自分や未来の自分にメッセージを発信してみます。