エピソード1(脚本)
〇渋谷駅前
ずっと憧れていた街「渋谷」
〇渋谷の雑踏
「でも、初めて渋谷に降り立った時、 「ボクはこの街で生きていけるのだろうか?」 期待と不安、相反する気持ちで心は揺れ動いた」
〇渋谷のスクランブル交差点
タケル「人口2万人の街で育ったボクに「渋谷」はあまりにも大きすぎて、大学生活4年間を渋谷で過ごす事に、気持ちはザワついた」
〇渋谷の雑踏
「すれ違う人達と、またこの交差点で、再会することはあるのだろうか?」
〇渋谷の雑踏
ノア「あれっ?キミさ、俺と同じ大学の・・・「タケル」だったよね・・・?」
〇渋谷の雑踏
タケル「あっ・・そうだよ。ゼミで・・・自己紹介の時、自分と同じ方言だったから覚えてる・・えっと・・・」
〇渋谷の雑踏
ノア「俺は「ノア」よろしくな!ゼミのあと声かけようとしてたんだけど教授に捕まっちゃって(笑)俺とタケル、地元隣同士だぜ!」
〇渋谷の雑踏
オレンジ色に染まった渋谷の街を、目的もなく、二人はただ歩いた。
〇渋谷の雑踏
タケル「わかってた事だけど・・渋谷は人が多いね。お祭りみたい。すれ違う人達と、また出会うこと、あると思う?」
〇渋谷の雑踏
ノア「えっ、なに?タケル 「渋谷」に緊張してんの?」
〇渋谷の雑踏
タケル「う、うん。。来たばかりだしなんか挙動不審になる。渋谷で生きていけるか心配」
〇渋谷の雑踏
ノア「「渋谷で生きていく」かぁ・・・ そもそも「生きる意味」さえ理解出来てない俺が言えることは・・・」
〇渋谷の雑踏
ノア「100年も経てばみんないなくなるんだから、胸張って歩こうぜ!」
〇大学の広場
地元が近くということもあり、
意気投合したボクとノアは、それから4年間、同じ学生生活・時間を過ごした。
〇店の入口
渋谷で見つけたお気に入りのカフェに足を運んだり、
〇東急ハンズ渋谷店
買い物へ行ったり、
〇渋谷のスクランブル交差点
いつも堂々と歩くノアはカッコ良く、ノアがいたから、渋谷が自分の街だと思えるようになった。
〇渋谷のスクランブル交差点
タケル「同じ歳なのにノアは自分の兄貴みたいだ」
ノア「弟よ。常に背筋が曲がってるから、ピンと伸ばして、堂々と歩けよなっ!」
〇会場の入り口
タケル「卒業か・・・あっという間の4年間だった。ノアのおかげで、最高の大学生活だったよ」
ノア「言うねぇ。あれだけの人が歩いてる中タケルを見つけて。スクランブル交差点に感謝だな!! 離れてしまっても必ずまた会える!」
〇大企業のオフィスビル
ボクは東京の大手広告代理店に就職し、
〇田舎の学校
ノアは地元へ戻り高校教師になる。
〇講義室
ゼミの友人から「就職先、逆じゃなくて?」なんて言われたりもしたけど、
〇渋谷の雑踏
一人の友人のおかげで、渋谷がボクの居場所になったんだ。
〇空港の外観
ノア「こっち帰ってくる時、絶対連絡くれよな!」
タケル「絶対するよ!」
〇空港ターミナルビル
ノア「時間だし、俺そろそろ行くわ!」
タケル「・・・ ありがとう。ノアのおかげで強くなれた!」
〇空港の滑走路
ノアは、明日また会えるような口ぶりを残してゲートに向かった。
ノア「ちゃんと前見て歩けよ! 挙動不審に戻るんじゃねーぞ!」
〇SHIBUYA109
ノアを送った帰り「渋谷」を歩く。
タケル「渋谷がボクには大きすぎる「憧れの街」に戻った気がする。でも・・・」
〇渋谷の雑踏
タケル「背筋を伸ばして、堂々と歩けるようになったよ」
〇渋谷のスクランブル交差点
タケル「ボクはもう少し渋谷で生きていこうと思う」
〇渋谷ヒカリエ
いつもより少し顔を上げた
渋谷の夜空には、
飛行機雲が浮かんでいた。
初めて渋谷に来たら圧倒されますよね。
人の量と熱気がすごいですから。
でも、住んでいくうちに、そこが自分の場所になり、彼もその一人になったんだと思いました。
私自身,主人公に投影しながら読ませていただき,ました。「挙動不審」に渋谷を歩いていた過去と,「堂々」と渋谷を歩けるようになった現在が,とてもリアルでした。また,情景の表現がとても良かったです。
友だちって大事ですよね、どんな時もその存在を思い出すだけで心強くなれる、偉大な存在ですよね。友人に会いたくなるそんなお話しでした。