ヴィランズトーク

チェンカ☆1159

6話目『賊頭は辛いけど』(脚本)

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〇森の中
クゥルフ「・・・・・・なんか知ってる匂いがするな」
クゥルフ「おい、いるんだろ? 気配で丸わかりだぜ、妖鬼」
妖鬼「やはりバレたか」
クゥルフ「あと木の上にババアもいるだろ。 胡散臭い魔女の匂いがする」
ウィチカ「遅い、三点」
クゥルフ「採点すんな」
妖鬼「まぁまぁ」
クゥルフ「あと一人分、人間の匂いがするな。 マラミーか?」
ウィチカ「む? 彼女は推し活に専念するから 一日家を出ないらしいぞ」
クゥルフ「じゃあ誰だよ?」
妖鬼「・・・・・・」
ウィチカ「・・・・・・」
クゥルフ「・・・・・・おい、」
????「かっ、金目のもの寄越せやゴラァ!」
妖鬼「君はいったい?」
????「おっ、俺様は賊だ! 凄いんだぞ!強いんだぞ! 他の悪役なんかよりずっと!」
クゥルフ「・・・・・・」
妖鬼「・・・・・・」
ウィチカ「・・・・・・」
????「よっ、よし!わかったら金目のものを──」
????「へ?」
妖鬼「・・・・・・」
????「はっ、放せ! おっ、俺様は賊なんだぞ!?」
クゥルフ「あ? こちとら狼だぞ」
妖鬼「私は鬼だな、一応」
ウィチカ「ヒッヒッヒ。 アタシは魔女じゃ」
????「・・・・・・」
????「すみません三大悪役の皆様! どうか許してください!」
クゥルフ「いや切り換え早過ぎだろ」
ウィチカ「いいや許さぬぞ!」
妖鬼「君は痛いのと痛くないの どっちがいいかい?」
????「だ、だったら痛くない方が・・・・・・」
妖鬼「ウィチカ、毒を」
ウィチカ「おう、ちょっと待ってな」
????「いっ、嫌だ! まだ生きていたい!」
クゥルフ「そろそろ止めようぜ? なんか可哀想に見えてきた」
妖鬼「それもそうだな」
????「た、助かった・・・・・・」
ウィチカ「うぅむ、生きたまま魔法薬の実験体に するのも良さそうかのぉ」
ウィチカ「ちょうどここに クゥルフに飲ます予定だった 魔法薬があるんじゃが」
????「ひぇぇっ・・・・・・」
クゥルフ「おい止まれババア。 しかもさらっと俺を 実験体にしようとするな」
ウィチカ「冗談を本気にするでない」
ウィチカ「それにアタシ等を本気で怒らせると怖いと、 こやつに教えておかねばならんじゃろ」
????「も、もうしませんから──」
????「本当にすみませんでした!」
ウィチカ「ふむ、もしアタシ等に許されるなら おぬしは何でもするか?」
????「はい! 何でもします!」
ウィチカ「じゃあまずはこの首輪を──」
クゥルフ「おいこらババアそんなもん出すな!」
ウィチカ「むぅ、駄目か」
クゥルフ「駄目に決まってんだろうが」
妖鬼「首輪が出てくるなんて、 やはりウィチカはドエ──」
クゥルフ「それ以上言うな妖鬼」
????「あのぉ」
クゥルフ「なんだよ」
????「首輪を着けた後は 何をすれば・・・・・・?」
クゥルフ「てめぇもすぐ言いなりに なるんじゃねぇ!」
????「すっ、すみません・・・・・・」
妖鬼「ところで君、名前は?」
????「ルゾックです」
ルゾック「俺様――僕は 弱い自分を変えたくて役者になりました」
ルゾック「それで賊頭の役に通ったまでは 良かったけど、」
ルゾック「リアルはずっとこんな感じで・・・・・・」
クゥルフ「なるほどなぁ」
ウィチカ「苦労してきたんじゃな」
ルゾック「ピーター・パン役の子には 変な絡まれ方されるし、」
ルゾック「僕に役者は向いてないのかなって 思っているところです」
妖鬼「・・・・・・ルゾック。 君は役者になって後悔しているかい?」
ルゾック「いいえ。 賊頭を演じること自体はとても楽しいです」
ルゾック「幼少期からずっと弱虫だった自分が、」
ルゾック「賊頭の役を演じている時だけは 強くなれた気がして」
ルゾック「視聴者さんからの 『かっこいい!』という感想が 何より嬉しくて・・・・・・」
妖鬼「それなら充分向いているよ」
妖鬼「私だって悩んだり凹んだりすることはある」
妖鬼「しかし、演じることが楽しいから 役者を続けているんだ」
ルゾック「そう、なんですか。 えっと・・・・・・」
クゥルフ「どうした急に」
ルゾック「皆様の名前、 ちゃんと聞いてなかったなと・・・・・・」
クゥルフ「そういやこっちは名乗ってなかったな。 俺はクゥルフ」
妖鬼「私の名は妖鬼だ」
ウィチカ「アタシは偉大なる魔女じゃ」
ルゾック「はい。 クゥルフさん、妖鬼さん、 偉大なる魔女さん、ですね」
ウィチカ「うむ、素直でよろしい」
クゥルフ「ババア遊ぶな」
妖鬼「ルゾック、彼女の名は『ウィチカ』だ」
ルゾック「あっ、そ、そうなんですね」
ルゾック「では改めて、 クゥルフさん、妖鬼さん、 ウィチカさん、よろしくお願いします」
クゥルフ「よろしくな」
妖鬼「よろしく」
ウィチカ「さて、どう調理してやろうかの」
ルゾック「えっ・・・・・・?」
クゥルフ「ババアもう喋んな」
妖鬼「ルゾック、ウィチカの発言は 気にしなくていい」
ルゾック「わ、わかりました」
  おしまい

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