シブヤ スレチガイノマチ

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シブヤ スレチガイノマチ(脚本)

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〇研究所の中枢
グレー人 「シブヤ デスカ」
掛橋 成「はい。地球人のことをよく知ってもらうなら。人が大勢いる場所がいいと思いまして」
グレー人 「ナルホド タシカニ ハンダン ザイリョウハ オオイホウガ コノマシイ」
掛橋 成「ありがとうございます。では、当日は私が渋谷を案内いたしますので、よろしくお願い致します」

〇実験ルーム
グレー人 「チキュウジント ユウエキナカンケイヲ キズケレバ ヨイノダガ・・・」
グレー人「オトウサン」
グレー人 「アア・・・ シブヤ トイウバショ二 イクコトニナッタ」
グレー人「シブヤ ・・・」
グレー人 「シンパイハ イラナイ オトウサンモ イッショダ」
グレー人「・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
  数日後・・・

〇渋谷駅前

〇渋谷のスクランブル交差点
掛橋 成「ゴホン・・・」
掛橋 成「グレー人のお二人様!ようこそ地球へ!渋谷へ!」
グレー人 「ココガ シブヤナノデスネ タシカニ オオゼイノ チキュウジンガ・・・」
グレー人「タクサン・・・」
掛橋 成「はい。ここはスクランブル交差点と呼ばれていて、渋谷の中でも多くの人が集まる場所なんです!」
グレー人 「ナルホド ワレワレ グレージントハ チガイ ミニツケテイルモノモ バラバラ・・・」
掛橋 成「そうですね。渋谷はファッションなどの流行りの最先端を行く場所でもあるんです。また、訪れる人の年齢も幅広く・・・」
グレー人「アレハ ナニヲシテイル ヒトナノデスカ?」
掛橋 成「え・・・ああ!! あの方たちは、日本を、いえ、地球をより良いものにするために尽くしてくれる。ビジネスマンの方たちです!」
若手会社員「あっはっはっは!」
課長「そんでよォ!」
グレー人 「ズイブント タノシソウデスネ・・・」
掛橋 成「そうですね。きっといい関係を築けているのでしょう!私も、グレー人の皆様とあのような関係を築きたいとおも・・・」
グレー人 「タノシンデイルノハ アチラノカタ ダケデスガ・・・」
課長「そうだろそうだろ!」
掛橋 成「でも・・・ あちらの若い社員さんも楽しそうにして・・・」
若手会社員「本当ですか〜!?」
グレー人 「ワレワレ グレージンノオトナハ アイテノココロヲ ヨムコトガデキマス ダカラ ワカルノデス」
掛橋 成「そんな・・・ じゃあ一体、彼は何を思っているんですか?」
グレー人 「カレノ ココロノナカハ コウデス」
若手会社員(ああ、今日もまた課長と飲み会かよ。 いい人なんだけど、俺もやりたいことあるし。でも・・・断れないよなぁ・・・)
掛橋 成「・・・」
グレー人 「シブヤニハ タシカニ イロイロナヒトガ イマスネ シカシ ヒョウジョウト ココロガ イッチシテ イナイ」
掛橋 成「確かに、渋谷は明るい街ですが、全員がそうでは無いかもしれません・・・」
グレー人「イロンナ ヒョウジョウ イロンナ ココロ ・・・」
掛橋 成「き、気を取り直して!他の所にも行ってみましょう!」
グレー人 「ソウデスネ シブヤ チキュウジン ジツニ キョウミブカイ」

〇渋谷駅前
掛橋 成「お疲れ様でした! いかがだったでしょうか?」
グレー人 「ナカナカ オモシロイ バショデシタ」
掛橋 成「それは良かった! 私も楽しかったです!」
グレー人 「ホントウ デショウカ?」
掛橋 成「え?」
グレー人 「カケハシサン キョウハ ズットキンチョウシテイテ タノシメテイナカッタ・・・」
掛橋 成「あ・・・ 心、読めるんでしたよね」
グレー人 「ハイ」
掛橋 成「なんかすみません・・・」
掛橋 成「でも!」
掛橋 成「本音を隠す事って、悪いことだけじゃないと思うんです!心が読めないからこそ、相手のことをよく考えて気遣ったり・・・」
グレー人 「ソウデスネ アノヒトモ ソウデシタ・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
課長(こいつ、最近職場で昼飯食べてるところ見かけないからなあ・・・)
課長(今日は俺の奢りで、沢山食べて飲んで!元気だしてもらおう!)

〇渋谷駅前
掛橋 成「どうかされましたか?」
グレー人 「イイエ ナンデモ アリマセン」
グレー人 「カケハシサン・・・ アノカタ ミエマスカ」
掛橋 成「あれは・・・ 就職活動中の女性でしょうか?」
グレー人 「ソノヨウデス ウマクイカズ ココロガ オチコンデイル」
女子大学生(面接、手応えなかったなあ・・・ またダメかもしれない・・・)
グレー人 「シカシ・・・」
女子高生「お姉ちゃん!おまたせ!」
女子大学生「うわあ!」
女子高生「何か考え事?」
女子大学生「ううん!服、見に行こっか!」
女子高生「うん!」
女子大学生(今日は上手くいかなかったけど・・・ここで弱気になったらダメだよね!頑張ろ!)
グレー人 「ソレヲ オモテニハ ダサズ マエヲ ムコウトシテイル ・・・」
グレー人 「ソシテ カノジョモ・・・」
女子高生(テスト、ダメダメだったなあ・・・ 結構頑張ったつもりだったのに・・・)
女子高生(でも!頑張って勉強したから! 今日はご褒美に服買っちゃおうかな! また次、頑張ろ!)
グレー人 「オナジヨウニ マエヲ ムコウトシテイル」
掛橋 成「・・・」
掛橋 成「僕には心は読めません・・・」
掛橋 成「でも・・・」
掛橋 成「渋谷には、そうやって、頑張ったり、楽しんだりしている人が沢山いるんだと思います!」
グレー人 「・・・」
グレー人 「ソウデスネ ココロハ スレチガッテイル」
グレー人 「デモ・・・」
グレー人 「デモ・・・」
グレー人「アタタカイ・・・」
グレー人 「・・・」
グレー人 「シブヤニコレテ ヨカッタ チキュウジンハ シンヨウデキル ソウ カンジマシタ」
掛橋 成「本当に。嬉しいです! そう思ってくれて良かった・・・」
掛橋 成「ところで・・・」
掛橋 成「グレー人のおふたりも、笑ってみませんか?渋谷の人々のように!」
グレー人 「ナゼ デスカ」
掛橋 成「なんだか、無表情のおふたりといると緊張しちゃって・・・」
グレー人 「ソレハ ホンネノ ヨウデスネ」
掛橋 成「はい!」
グレー人 「シカシ・・・」
グレー人「オトウサン !」
グレー人 「・・・」
グレー人 「ショウガナイ デスネ」
グレー人 「コレデ イイデスカ」
グレー人 「二・・・ ニコッ・・・」

〇研究所の中枢
グレー人 「シブヤ スレチガイノマチ」
グレー人 「シカシ・・・」
グレー人 「ココロハ アタタカイ」

コメント

  • 人の心が読めるって、いいことも悪いこともありますが、グレー人はいいところも見つけてますね。
    そういうのって素敵なことだと思うんです。
    温かいのは彼もですよ。

  • 沢山の人がいて沢山の考え方や思いが交差していますよね。何が正しくて何が悲しいのかなんて人それぞれ、全部が一つになるのは難しいですよね。

  • 表に現れない本心を読むことって、良くも悪くもありますよね。相手に心配させないように本心を出さないのは、純粋に相手を慮ってのことですし。
    渋谷を行き交う人数分だけ隠された本心があり、それだけ配慮や思いやりが存在しそうですね。

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