読切(脚本)
〇電車の中
中月「『なんで渋谷って言うか知ってるか?』」
神山「『渋めの谷があったから』」
中月「『なにも考えずに送っただろ』」
電車の中からメッセージ送ってんだからそう笑わせようとしないでくれ
神山「『バレたか😅』」
中月「『大学生🏫の内カラオヂサン構文使ってると友達失くすぞ😁』」
中月「『で、なんで渋谷って言うと思う?』」
中月「『ヒントになるか分からないけど、銀座が昔銀の取引場だったからその名残で銀座になったみたいに由来から考えるのも1つの手』」
神山「『もともと谷でそこが渋色だったから?』」
俺が最初に思ったのと同じじゃんか
中月「『渋色ってどんな色だよ』」
神山「『渋柿みたいな色じゃね?』」
気になって調べてみると普通の柿とほとんど変わらない画像が出てきた
中月「『確か普通の柿と同じ色だった気がする』」
神山「『じゃあ柿の色だよ』」
それでは渋谷じゃなくて柿谷にならないか?
そんな疑問を浮かべつつ答えを出す
神山「『答えは?』」
中月「『定説はないけど「その地域流れてた川が鉄分を多く含んでいて、その影響で川が渋色になってたから」とか』」
中月「『「入り江だった頃塩谷の里って言われてたのが変化して渋谷」とか言われてるらしい』」
神山「『その使うかは分からないラインの豆知識はどこから仕入れてんだよw』」
中月「『高校の古典の授業で先生が雑談してる時』」
神山「『真面目に授業聞いてろ』」
中月「『あの授業は雑談がメインな所あるからしゃーない』」
神山「『それはそう』」
ふと電車内の案内板を見るとまだ目的地まではまだ余裕があるようだった
中月「『スクランブル交差点ってあるだろ?』」
神山「『無い』」
いつも通りの即答を今度は受け流して続ける
中月「『あそこの信号って待ちの時間がキリ良く決まってるらしいんだよ』」
中月「『何秒だと思う?』」
神山「『信号って気分で待ち時間変わるんじゃないの?』」
始まったよ
中月「『信号機が意志を持つのはもうしばらく後でしょ』」
神山「『確かもうそろそろ信号機が喋るらしいけど知らないの?』」
中月「『マナー悪い運転手が居たら?』」
神山「『その車だけタイミング悪く停める』」
中月「『喋る機能が付いたらどうなる?』」
神山「『トラックドライバーとか長距離走る運転手に「お疲れ様です!!」って言う』」
大喜利じゃねぇんだよ
相変わらず俺らの会話は話が脱線するまでの時間が短くて困る
中月「『で、何秒だと思う?』」
神山「『1分くらい』」
中月「『2分なんだって』」
神山「『長くね?』」
中月「『それが信号機の周りにある電光掲示板からCMが 30秒4セットで流れるらしくてそんなに長くないんだって』」
神山「『やっぱり古典の先生からの情報?』」
中月「『なんでも知ってるんじゃないかって思うくらいで怖いよな』」
神山「『わかる』」
──大分電車に乗った気がするけどもうそろそろだろうか。再び案内板を見てみるとやはりもうすぐで目的地に着くようだった。
時刻は午後2時に差し掛かる頃、これなら目当ての雑貨屋に行っても閉店まで時間に余裕がある。
中月「『駅着いたから返信遅れる』」
神山「『どこ遊びに行ってんの?』」
中月「『ここまで渋谷の話しといて目的地渋谷じゃなかったら笑えるけどちゃんと渋谷』」
信号は「待ってる」という意識が長く感じさせてるんだと思います。
豆知識がいっぱいでおもしろかったです!
地名の由来とかは、普段あまり考えませんものね。
豆知識や雑学は大好きです。人の名字の由来や地方の場所の名前などの由来を調べるのも大好きです。このストーリーでは更なる続編を期待します。
街に関する由来や豆知識などを得るたび、親近感がどんどん増していきますよね。親近感があるともっと知りたくなる、知るごとに好きになる、好循環ですね。