延長ヒキツギ

たくひあい

サヴァンな問題(脚本)

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〇大きい交差点
部長「首尾はどうだ?」
納二科寧音(なにかねね)「いい感じです」
  村田さんとの通話を終え、あたしは次に部長にかけている。
  家ではあんな話出来ない、と一度町に出て通話しているわけだが
  夜中なので、あまり長居しないほうが良さそうである。
  ところで、部長と何を話しているか?というと・・・・・・
  村田さんの件などをうけ、芸能界と文藝界が
  恐らく同じ暴力で繋がっているという点を
  強調し、勝手連よろしく、話題を広げていきたい
  どうだろうか?
  みたいな相談である。
部長「まぁ、どちらも上が融通・・・・・・幅を利かせていて 共通点は多いからな」
部長「ウニとか」
納二科寧音(なにかねね)「うに?」
部長「あ、いや。なんでもない」
部長「例えば、中国では、芸能人は政治的な広告塔の役割が強いそうだ」
部長「日本のように独自にキャラクター性を育てていく文化ではなく」
部長「上がやれ、と言ったことをやるという態勢がより強まると言われている」
納二科寧音(なにかねね)「そうなんですか?」
部長「あぁ。同じように、例えば事務所にも様々な方針が存在するのだが」
部長「例えば 西峰派の事務所がいくつか存在しており、或いは独自に支持していて、」
部長「西峰に都合の悪い情報を流さないようにする、という可能性はおおいにある」
  なるほどなぁ。
  工作員にもう組み込まれてしまってる、か。確かに、思えば、そうかも
  ・・・・・・でも何故、今そんな話を?
部長「『お笑い芸人 寧音。 サバンナで生姜を取り合う喧嘩か』」
納二科寧音(なにかねね)「え?」
部長「みたいなどーでもいいような見出しが、」
部長「芸能ゴシップになっている裏では」
納二科寧音(なにかねね)「あぁ、あたし達が、喧嘩程度で済まないとんでもないことになったりしてるんですね」
部長「そういうことだ」
部長「しかも、何か炎上したかと思えば」
部長「どうせすぐ、『仲直りしました。問題ありません』とか出してくる」
納二科寧音(なにかねね)「うわーー 嫌すぎる。 仲なんか存在しないんだよなぁ そもそも仲良くないんだよなぁ」
納二科寧音(なにかねね)「ていうか『確実に問題にしてもらわないと』」
納二科寧音(なにかねね)「それこそ『殴り合いもなしに仲良くなれない』、ですよね!?」
  部長の大好きな漫画のセリフをとりあえず引用してみる。
部長「その通りだ。 最大級に炎上し、燃え上ってこそ、 直るかどうか決める価値がある」
部長「戦いもせずに、勝手に血が上って一方的に話を終わらせるなんてもってのほか」
部長「喧嘩の風上にも置けない」
部長「卑怯な腰抜けのやる事だ」
部長「・・・と、要は、そのようなことにならないよう、 手を回したいということだろう?」
納二科寧音(なにかねね)「そうです」
納二科寧音(なにかねね)「あたしだって、連日騒音おじさんが家に怒鳴り込んできたり、」
納二科寧音(なにかねね)「変な献立や、田中に耐えているんですよ! 騒音と不安で狂いそう!」
部長「そ、そうか・・・・・・」
部長「かくいう私も、同意見だ」
部長「父が殺された事も、ほかの事も、 全てが葬られてしまうというのも味気ない」
  そこまで言った部長はふと、言葉を区切った。
部長「ところで、知っているか?」
納二科寧音(なにかねね)「え・・・・・・」
  メールが届く。
  写真が添付されていた。
マチ「マチでーす」
納二科寧音(なにかねね)「これは?」
部長「どこかが事態をめちゃくちゃ軽く、一方的に悪い解釈に改変したアニメを製作中らしい」
納二科寧音(なにかねね)「話が、見えてこないんですが」
部長「小説、芸能界の話をしていたが、事態は勿論アニメや漫画にも波及していく訳だよ」
部長「・・・・・・つまりだな、 その」
部長「デザインが、何処となく納仁科と似ているだろ?」
納二科寧音(なにかねね)「これが!?」
  そうだろうか?
  髪型くらいしか、近い点は無いように思うけど・・・
部長「ある伝で聞いたんだが、私たちの今の状況を、」
部長「事態が広がる前に、 上辺だけなぞって、矮小化してしまおうと局は考えているようだ」
納二科寧音(なにかねね)「上辺だけなぞって、って」
納二科寧音(なにかねね)「大事なシーンは妄想って事にしたり、人物の立ち位置を入れ替えたりして」
納二科寧音(なにかねね)「さも真実からズレてないように見せ掛ける、侵略工作の作戦の一つ、って事です?」
部長「あぁ。詳しいな。 その局がよくやる作戦で、アニメもやってしまおうというわけだ」
  まさか、アニメ化までするとは。
  何処かに監視されている不気味さもあるけど
  わざわざそこから脚本を起こしたというのが気持ち悪い。一体どうして・・・・・・
部長「ある人物の妻となった者が、 玉の輿に乗れなくなってしまう危惧をしている」
部長「と、言えばわかるか?」
納二科寧音(なにかねね)「玉の輿!? いや、意味わかんないですけど」
部長「隠し子や本妻が現れ、今までの生活は一変。自分は玉の輿ルートから外れてしまう」
部長「男も、金も、全部自分が手にする筈だったのに、マチが出てきてしまったぁ。と」
  脳裏に赤坂が過った。
  別に、関係ないはず、だけど
納二科寧音(なにかねね)「・・・・・・何を、どこまで聞いたんですか」
  家に、親なんて居なかった。
  仕事仕事で、あたしですらプロフィールを殆ど知らない
  玉の輿が、とか男がどうとか言われると
  むしろ心の奥底から恐怖が沸いてくる。
  よく知らない、関わりも無かった概念が急に自分達を責め立てる為に浸食してくる・・・
納二科寧音(なにかねね)「家や親の事なんて、こっちこそ知りたいですよ!?」
納二科寧音(なにかねね)「何で知らない女の自己中で 知らない男絡みに巻き込まれなきゃならないんですか」
部長「うむ、その通りだ。 だが、実際その噂が回っている」
部長「出版社の方でも」
部長「跡継ぎ問題でもめる、王太子に婚約破棄されるという作品が急増」
部長「かつてその趣旨の作品が、今になってリメイクを始めるといった騒ぎらしい」
納二科寧音(なにかねね)「そういうのって、どこで見るんですか」
部長「アニメ監督のアカウントや、作家のつぶやき、編集者のブログ。いろいろあるが・・・」
部長「急に後宮もの、王太子と婚約がどうのというのが増えている事」
部長「その中でも寧音という主人公が3割」
部長「あの偏りようは何処か上から働きかけているようにしか思えん」

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