12 良くある話その7(後編)(脚本)
〇昔ながらのクリーニング屋
数時間後。
〇クリーニング店内
梅島父「あぁ、何てこった・・・お客さんが一気に来なくなっちまった・・・」
梅島母「もう、頭の中真っ白で何も考えられないわね・・・」
梅島胡桃「お父さん、お母さん、いる?」
梅島母「えちょ!胡桃!?こんな時間に何してるのよ!?」
梅島胡桃「あ、えっと、その、多分知ってると思うけど、昨日のファミレスでの事で・・・」
梅島父「・・・やっぱりそうだったか・・・もうあちこちに出回ってて・・・」
梅島母「胡桃!あんた自分が何したか分かってるの!?」
梅島母「あんたが幼稚な事したせいであたし達も首が回らなくなってるのよ!?」
梅島胡桃「う、うわぁ!そ、そんなつもりじゃ無くて!」
梅島母「大人になったらそんな言い訳通用しないと思いなさい!」
梅島母「あんたは周囲に迷惑掛け捲ったのよ!?」
梅島胡桃「そ、そんな・・・」
梅島父「・・・なぁ胡桃、お前どうしてあんな事したんだ?」
梅島胡桃「え、えっと・・・生放送で盛り上がろうと思ってて・・・」
梅島父「それで醤油瓶の醤油を飲んだのか?飲んだって気付いて、」
梅島父「店員さんには知らせた上で謝罪したのか?」
梅島胡桃「え?してないよ?動画も消したから大丈夫だと思って・・・」
梅島父「・・・やっぱりそうだったか・・・それさえやってれば、」
梅島父「こんな事にはならなかったろうに・・・」
梅島胡桃「え?え?もしかして、ちゃんと謝ってればこうはならなかったの!?」
梅島母「そんなの当たり前だろ!自分が悪い事したらキチンと謝るっていつも言ってるでしょ!?」
梅島母「そのせいで自分達が悪い方向に行ってるんでしょうが!!」
梅島胡桃「あ、あぁ!!!」
梅島父「胡桃、こうなってしまったからには罰を受ける他無い・・・」
梅島父「でもまだやれる事はあるだろうし、今からファミレスに謝りに行こう・・・」
梅島胡桃「そ、それで許して貰えたりは?」
梅島父「100%は無理だろうが、やれるだけやろう・・・皆直ぐ準備してくれ・・・」
梅島胡桃「・・・はい・・・」
〇ファストフード店
それから、
梅島父「さて、アポも取れた事だし、どんなお叱りが待ってる事やら・・・」
菊岡綾香「あれ?胡桃!?胡桃だよね!?」
梅島胡桃「あれ?綾香!?綾香がここにいるって事は・・・」
菊岡綾香「うん、私も謝罪に来たんだ・・・このままじゃ行けないと思って・・・」
梅島胡桃「・・・・・・」
梅島母「何してるの胡桃!早く行くよ!」
梅島胡桃「あ、うん!」
〇事務所
店員「店長、例のお客様がご来店しました・・・」
店長「あぁ、来てくれたのか・・・君は仕事に戻ってくれ・・・」
店員「分かりました・・・」
梅島父「あ、えっと、初めまして・・・」
梅島母「こ、この度は内の娘がとんでも無い事をして・・・」
店長「待って下さい、どうせ謝るならそれをやった張本人にして欲しいのですが・・・」
梅島父「そ、そうですよね!お前達!前に出ろ!キチンと謝罪するんだぞ?」
菊岡綾香「・・・・・・」
梅島胡桃「え、えっと・・・」
梅島胡桃「こ、この前はごめんなさい!あたし達確り反省しました!もうこんな事は二度と!」
店長「・・・その言葉はこんな事になる前に聞きたかったし、」
店長「止めて貰えるなら止めて欲しかった・・・」
梅島胡桃「え、えっと・・・」
店長「君達はここが何なのか分かっているのか?多くの人達が食事をする場所だ・・・」
店長「人に食事を出せると言う事は、それだけその人達に信頼されていると言う事だ・・・」
店長「だがもし、それがちょっとやそっとの不衛生が発覚したら、君達はその店をどう思う?」
菊岡綾香「え、えっと・・・行きたいと思えなくなります・・・」
店長「・・・そうだ・・・それが飲食店と言う物だ・・・」
店長「我々はどんな不衛生も決してある様な事をしてはならない・・・」
店長「常にお客様に満足頂き、来て良かったと思える様な店作りをするのがこの業界だ・・・」
店長「だが君達は考えた事があるか?不衛生を起こされて、」
店長「そこで働く人達がどうなるかを?」
梅島胡桃「え、えっと・・・」
店長「飲食店はここだけでは無い・・・同じ店舗の店のどれかで」
店長「如何なる不祥事を起こしてもお客様からの信用は無くなり、」
店長「働いてる従業員達は仕事が無くなり、その店舗全ての努力が全て無駄になる!」
店長「内の従業員1人1人にもこれからの事があるのに、どうしてくれるんだ・・・?」
菊岡綾香「・・・もう、言葉も出ません・・・」
店長「・・・君達がやったのは悪質な営業妨害だ・・・こうなってしまったからには」
店長「最悪の場合解散もあり得るが、この事は警察に被害届を出した・・・」
店長「時期君達に損害賠償を支払って貰う事になる・・・」
梅島胡桃「え、えぇ!?損害賠償って、あたし達も払うんですか!?」
店長「当たり前だ!君達は高校生!義務教育から外れているんだ!」
店長「その位の事は分かってると思っていたが、つくづくガッカリだよ・・・」
店長「損害賠償の3億円、確り払って貰うよ・・・」
「・・・・・・!?」
〇ファストフード店
梅島父「分かってはいたが、やっぱり許されなかったな・・・」
梅島母「ねぇお父さん、これからどうするか決めた?」
梅島父「こうなってしまったからにはクリーニング屋を閉店するしか無いな・・・」
梅島父「丁度高収入で寮付きの職場もある・・・そこで働いて返そうと思うよ・・・」
梅島母「そっか・・・もう他に道は無い物ね・・・」
梅島母「あんた達・・・」
「・・・・・・」
梅島母「あたし達はこれからこれまで通りの生活は出来なくなる・・・」
梅島母「内らの事はともかく、綾香ちゃんはどうするか決めてるかい?」
菊岡綾香「は、はい・・・この事は全て家族に知らせます・・・」
菊岡綾香「多分、学校も退学になるかと・・・」
梅島母「まぁ、それが妥当だろうね・・・」
梅島母「胡桃!あんたも分かってるよね!?あんたも学校を退学して働いて貰うから!」
梅島胡桃「ね、ねぇ!やっぱりもう一度謝ろうよ!もっとちゃんと気持ち込めれば、」
梅島胡桃「あの店長さんもきっと!」
梅島母「この期に及んで馬鹿言ってんじゃ無いわよ!あの店長さんの話ちゃんと聞いてた!?」
梅島胡桃「ひぃ!!」
梅島母「あんた達はそれだけ馬鹿な真似をしたんだ!どんな事があっても、」
梅島母「このケジメは確り付けるよ!」
梅島胡桃「う、あ!うわあああ!!!」
菊岡綾香「あぁ、く、胡桃!!」
梅島胡桃「あだぢ、何であんな事しぢゃっだんだよぉ!!ごうなるっで分がっでるなら!」
梅島胡桃「やらなぎゃ良がっだぁぁぁ!!!」
菊岡綾香「胡桃・・・そんなの私だって・・・!私だっでぇぇ!!!」
良くある話、自分は絶対大丈夫なんて事は無い。


