エピソード1(脚本)
〇数字
少年「9時だね・・・」
〇数字
犬「ワン!!」
〇渋谷の雑踏
少年Q「市丸・・・ 僕たちが頑張らないと 渋谷は悲しみで埋まってしまう」
市丸「ワンワン」
〇渋谷のスクランブル交差点
少年Q「市丸見ろ!! 女の子がからまれている」
市丸「うぅ──ワン!!」
〇ネオン街
〇青(ディープ)
少年Q「渋谷スクランブル──緊急発進 市丸いくぞ!!」
市丸「ウオーン─」
〇青(ディープ)
〇雑踏
犬3「うーうー」
やくざ2「犬だ やめろ──」
やくざ3「なんだ!! どこに犬がいるんだ」
〇青(ダーク)
人間には-少年Qと市丸の姿は見えない。
やくざ者は逃げて行き
不思議そうな顔をした少女が残る。
〇青(ダーク)
少女「・・・・・・」
〇地球
20××年
少年Quinn〈クイン〉は渋谷で亡くなる。
〇渋谷駅前
Quinn〈クイン〉「Shibuya Crossing ママ、アメイジングだね」
ママ「Noここで止まったらダメよ!!」
〇渋谷駅前
Quinn〈クイン〉「OKママ──」
ママ「Quinn〈クイン〉 走ったらダメ!!」
〇渋谷のスクランブル交差点
Quinn〈クイン〉は心臓の持病があった。
横断歩道を渡りきったところで・・・
とつぜん倒れた。
〇病室のベッド
「ママ・・・ 雨がふってるね」
ママ「そう・・・ 今ふってきたばかりよ」
〇カラフルな宇宙空間
「ママ・・・ いろいろな傘 青 パープル ピンク・・・キレイ」
ママ「ホント きれい・・・ Shibuya Crossing」
〇病室のベッド
ママ「Quinn〈クイン〉 もうオシャベリは止めなさい」
「ママ 犬が見える」
〇病室のベッド
〇ハチ公前
ママ「ここからハチ公は見えないわよ・・・」
〇病室のベッド
「君はだれ!!」
〇渋谷の雑踏
「ママ 渋谷きれいだね・・・ 僕忘れないよ──」
ママ「Quinn〈クイン〉 しっかり──」
〇病室のベッド
ママ「Quinn〈クイン〉・・・」
〇星座
17××年
一匹のおかげ犬が、渋谷で息を引き取った
〇村の眺望
そのころ渋谷スクランブル交差点を東西に走る道は大山街道と呼ばれ、伊勢原の大山詣りの人で賑わっていた。
〇寂れた村
その道を一匹の犬が大山詣りを終えて、
神田やっちゃば(青物市場)へ
向かっていた。
〇城下町
お爺さん「市丸すまぬな 私の足が丈夫ならな・・・ お詣りをたのむよ」
おかげ犬-市丸「ワンワン」
身体の不自由な人に代わって
お詣りをする犬を-おかげ犬といいました。
〇神社の石段
たった一匹でお詣りを済ませた-市丸は
神田田町の青物問屋、伊勢屋半兵衛の
ところに帰ろうとした。
〇寂れた村
旅人「おお!! これはおかげ犬さんかい ご苦労様」
おかげ犬-市丸「ワン」
〇集落の入口
旅人「神田田町青物問屋の伊勢屋さんか・・・ もう少しだ──がんばりなさい ほらこれでも食べなさい」
〇赤(ライト)
おかげ犬-市丸は、多くの人の
親切とやさしさに包まれながら
お詣りをした。
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死んでしまった少年と犬の心温まるストーリーに友情を超えた愛情たっぷりのお話に感動しました。渋谷を守るためにこれからも頑張ってね。
悲しくも優しい思いがたっぷりの物語ですね。渋谷の安寧がそうやって保たれているのかと思うと心が温かくなります。
ちなみに、江戸の頃のおかげ犬は私も大好きです。
二人の悲しい形での出会いでしたが、その後仲良くやってると思えば、少し救われた気がします。
いつも守ってくれてるんですね。