サンタの夜の夢

尾長イルカ

後編(脚本)

サンタの夜の夢

尾長イルカ

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サンタの夜の夢
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〇留置所
ママサンタ「出してよ!! 泥棒じゃないって、何回言えば!」
警官「家宅不法侵入だぞ」
婦警「二階から、侵入しようとしてました」
ママサンタ「娘を驚かしたかったの ウチに煙突はないから」
警官「常習犯かな?」
婦警「嘘を言い慣れてますね」
警官「泥棒じゃなきゃ、お前はなんだ?」
ママサンタ「見て分かるでしょ?」
警官「泥棒にしか見えん」
ママサンタ「サンタクロースよ」
ママサンタ「ホウホウホウ ホウホウホウホウホウ」
警官「だいぶキテるな・・・」
婦警「二年前に 同じ手口の泥棒を捕まえました」
警官「え? 流行ってるの?」
婦警「子供の夢を利用して、許せませんね!」
警官「観念しろ悪党 「メリーくるしみます!」」
婦警「ヤダー、おもしろい!」
警官「え? マジ?  女子に受けたの初めて!!」
婦警「面白いですよ、結構好きです!」
警官「ホント!? 「クリスマスは忙しい、サンタ苦労する」」
警官「あ・・・いや、あの・・・ サンタくろうする──サンタクロース」
警官「ゴメンナサイ そんな目で僕を見ないで・・・」
「時間差!! えええええええ????」
ママサンタ「そんなバカな」
ママサンタ「寒すぎて凍死するわ」
警官「お前は、一生ここから出さない!!」
警官「ねえ、このあと飲みに行かない?」
婦警「ええ、どうしよう ウフフフフ」
警官「ねぇ、いいお店知ってんだ クリスマスだしさ💛」
婦警「やだー、どうしようかなぁ ウフフフフ」
ママサンタ「納得イカン アンタらの、すべてが納得イカン」

〇女の子の部屋
乃慧瑠(ノエル)「納得いかない アイツ、絶対捕まえてやる!!」
乃慧瑠(ノエル)「でも、もう・・・」

〇山中のレストラン

〇女の子の部屋
乃慧瑠(ノエル)「宇宙に帰っちゃった? アー、どうしよう」
乃慧瑠(ノエル)「パパ、乃慧瑠を助けてよ・・・」

〇クリスマスツリーのある広場
乃慧瑠(ノエル)「無理かな? もう来ないかなぁ」
乃慧瑠(ノエル)「どうしよう、私のせいだ・・・」
乃慧瑠(ノエル)「私が悪い子だから・・・」
乃慧瑠(ノエル)「ママって呼ばないから・・・」
乃慧瑠(ノエル)「クスン、クスン」
  泣き疲れて、うたた寝をする

〇クリスマスツリーのある広場
少年「ツリーを見逃すところだった 美しい・・・」
少年「この光景を忘れない」
乃慧瑠(ノエル)「あんた宇宙人でしょ!?」
少年「未来人だよ」
少年「西暦2125年から来た」
乃慧瑠(ノエル)「10年後?」
少年「100年後だよ」
乃慧瑠(ノエル)「どんな未来? 行ってみたい」
少年「つまらないよ」
少年「僕の時代には 失ったものを調査に来たんだ」
乃慧瑠(ノエル)「それがサンタ?」
少年「夢と希望さ」
乃慧瑠(ノエル)「この時代もつまらないよ」
少年「でも夢や希望はある」
少年「そして、思いやりも」
少年「僕らの時代には 人々は信じることをやめたんだ」
少年「自分自身すら信じられなくなった・・・」
乃慧瑠(ノエル)「わたし、未来人だ!」
乃慧瑠(ノエル)「だって、あの人を信じてない!!」
乃慧瑠(ノエル)「いつも思いやってくれてたのに」
乃慧瑠(ノエル)「あの人を助けて!!」
少年「・・・・・・」

〇留置所
乃慧瑠(ノエル)「鍵は?」
少年「「ユニバーサル・キー」(万能鍵) があるから」
乃慧瑠(ノエル)「お巡りさん、死んじゃったの?」
少年「眠らせただけだよ」
乃慧瑠(ノエル)「未来って便利!」

〇幻想2
警官「「僕はトナカイと仲いいです」 トナカイ、となかいい・・・」
婦警「殺すぞ、凍死するわい!」

〇山中のレストラン
乃慧瑠(ノエル)「このまま、一生サンタ!?」
少年「細胞レベルで変身してるから」
少年「僕が照射したのは セル・コンバージョンガン(細胞変換銃) なんだ」
乃慧瑠(ノエル)「あんたは、宇宙人でも未来人でもない 悪魔よ!!」
乃慧瑠(ノエル)「悪魔、悪魔、悪魔」
少年「ごめんよ」
少年「でも君に贈り物をするよ クリスマスって、そうなんだろ?」
乃慧瑠(ノエル)「クリスマス・プレゼント?」
少年「なにを願う?」
乃慧瑠(ノエル)「パパを戻して!  それタイムマシーンなんでしょ?」
乃慧瑠(ノエル)「UFOじゃなくて」
少年「起こってしまった事実は変えられない 歴史を変えてしまうから」
少年「でも、少し会いに行くだけなら・・・」
乃慧瑠(ノエル)「あの人はどうなるの?」
乃慧瑠(ノエル)「このまま、ずっとサンタのまま?」
少年「タイムマシーンで昨日に戻り 昨日の僕から、こっそり銃を盗めば」
乃慧瑠(ノエル)「歴史を変えない?」
少年「これは間違った歴史だから」
少年「サンタは、親を改造したものじゃない」
少年「サンタは、思いやりの結晶だ」
少年「でも燃料の関係で、僕が未来へ帰る以外に あと一回しか使えない」
少年「どちらを選ぶ?」
少年「パパに会うか」
乃慧瑠(ノエル)「・・・」
少年「ママを戻すか」
乃慧瑠(ノエル)「そんなの決まってるよ!!」

〇雪山の山荘
「ホウホウホウ いい子でいるかい? 子供たち」

〇明るいリビング
少年「こうなれば良いんだな? 手伝ってやろう!」
少年「あ、アレ?  セル・コンバージョンがない!」
少年「どこに落とした?」
ママ「変な夢見た! 魔法使いに、魔法をかけられた夢」

〇山中のレストラン
乃慧瑠(ノエル)「ありがとう!! 私もプレゼントあげる」
少年「もう、もらってる この思い出が、未来へのプレゼントだ」
乃慧瑠(ノエル)「トッピング!」
少年「おおお、思いやりを未来へ持ち帰るよ」
乃慧瑠(ノエル)「「未来のサンタクロース」になって!!」
乃慧瑠(ノエル)「未来を幸せにしてね」
少年「わかった」
乃慧瑠(ノエル)「さようなら、さようなら」
ママ「乃慧瑠ちゃん、ゴメンね サンタさん来れないって」
ママ(昨日、不吉な夢を・・・ サンタはヤバそう)
ママ「でもプレゼントは、ちゃんとあるから!」
乃慧瑠(ノエル)「いいの、サンタよりママが良い!!」
ママ「え? 今なんて?」
乃慧瑠(ノエル)「ママ!!」
ママ「乃慧瑠ちゃん!!」

〇宇宙空間
ママ「もう一回、言って」
乃慧瑠(ノエル)「ママ」
ママ「もう一回!」
乃慧瑠(ノエル)「もう、メンドクサイ」
乃慧瑠(ノエル)「ママ、ママ、ママ!!」
  おしまい

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