Ⅱ-37.神殿で…(脚本)
〇神殿の門
高野 裕翔(ヒロト)「ここが・・・」
高野 蓮(レン)「・・・神殿」
高野 杏奈(アンナ)「でかぁい!!!」
田所 蒼(アオイ)「すげぇ・・・」
田所 衛(マモル)「神聖な感じ? 感じるんじゃね?」
元魔王「・・・神聖な感じってなんだよ・・・ 絶対適当に言ってる」
魔王部下(お、お兄様どうされるんでしょうか・・・!?!?)
魔物1(主ーー!! これからも我々と共に居てくださいよー!)
吉沢 拓磨(タクマ)(さて、と・・・ この世界も見納めかな・・・)
吉沢 奏楽(ソラ)「ついたー!!! よし!」
吉沢 奏楽(ソラ)「女神様ー!! 言われた通り、会いに来たよー!」
〇幻想空間
吉沢 奏楽(ソラ)「お、うまくいった!!」
女神「そ”ーーら”ーーさ”ーーま”ーー!!!!!!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「あ、しまった!! また鼻水のまま抱き着いて・・・ あ・・・ 服べっちょり・・・・」
女神「来るの遅いですー!遅すぎです!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「・・・そ、そう、かな?」
女神「ちゃーんと裕翔様!蓮様!杏奈様を助けたらすぐきてくださいといいましたー!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「そ、そうだった・・・かな?」
女神「ひーどーいー!!! ひどいひどいひどいーー!!!!」
『ひどい』を連呼した女神様は、目も鼻もぐしょぐしょにしながら奏楽の服にしがみついて奏楽の服を汚しまくっていた。
吉沢 奏楽(ソラ)「ご、ごめん! 私が悪かったから!! お願い離れてー」
女神「・・・本当に反省しました??」
吉沢 奏楽(ソラ)「え?あ、はい・・・」
高野 蓮(レン)「すごい・・・ 師匠がタジタジだ・・・」
女神「ひとまず、地球の方は返すことができますが・・・どうしますか?」
高野 蓮(レン)「もちろん帰るよ!!」
高野 杏奈(アンナ)「私もー!」
高野 裕翔(ヒロト)「俺も帰るよ」
吉沢 拓磨(タクマ)「俺もだな」
田所 衛(マモル)「俺も帰るぜ!」
田所 蒼(アオイ)「僕も帰るよー」
元魔王「・・・ 俺は・・・」
魔王部下「お兄様・・・」
魔物1「・・・主」
元魔王「・・・」
女神「そういえば・・・ 先日物の魔王が現れたみたいね・・・」
元魔王「え? あ、はい・・・?」
女神「ちょっと待ってね」
元魔王「???」
その時だった──
〇幻想空間
???「よっと」
元魔王「な、なんだ?!?!」
女神「ふふふ♪♪ 彼はね!! あの魔族の神である魔神ア──」
魔神「あーー。よいよい。 名前は好かんのでの。 魔神か、おっさんか、おじさんとでも呼ぶがよい」
元魔王(え? 魔神さまといえば、魔王領で信仰してる神・・・だよな? それに俺に加護を与えた神じゃねぇか!?)
元魔王(魔王を指名してるのも魔神様・・・・・・ だよな??)
元魔王(そんな偉い魔人様のことを、 おっさんやおじさんと呼べだと?! 絶対無理!)
元魔王「えっと・・・ でしたら、魔神、様と・・・」
魔神「かったいのぉー。 じゃが、それでこそ我の眷属よのぉー」
元魔王「そ、それで・・・ 高貴な魔神様がどうしてこのような場に・・・」
魔神「あー。 実はなぁ・・・」
魔神「転生して人間エンジョイしている君には悪いんじゃが・・・ 君、もう一度魔王してくれんかのお?」
元魔王「え・・・!?」
魔王部下「お兄様!!! 魔王に!魔王になるべきです!!」
魔物1「主!!! 魔王様!! 主ー!!!」
元魔王「お、お前ら・・・」
魔神「・・・ふむ・・・ やはり、お主を魔王にするのは間違いなさそうだ」
元魔王「!!!!!!!!」
元魔王「で、でも俺は・・・別の世界の人間で・・・」
魔神「それは大丈夫だ。 異世界の勇者、聖女がいるのに・・・ 異世界の魔王がいても全くおかしくないだろ?」
元魔王「た、たしか、に?」
魔王部下「魔神様!!! ありがとうございます!! お兄様!!私、賛成です!!是非魔王に!」
魔物1「魔神様の采配に感謝を! 主!ぜひ魔王に!」
元魔王「・・・俺は──」
その時だった。
田所 蒼(アオイ)「マオ君・・・ 俺たちと戻らない、のか?」
田所 衛(マモル)「なんだかんかんだでずっと一緒にいたからな・・・ 地球に帰ってこないのは寂しいぜ?」
元魔王「蒼・・・衛・・・」
田所 蒼(アオイ)「・・・また、会える、よな!?」
元魔王「・・・どう、かな? 聖女に頼めば来れるかもだけど」
田所 蒼(アオイ)「おぉ!マジか! なら、また会おうな?」
元魔王「・・・っ!!」
蒼たちに会う前まで・・・
元魔王ことマオ君は、前世に暮らしていた世界に帰ることだけを考えて生きていた。
だが、蒼や聖女たちと関わることで地球で人間として生きていくことも悪くない・・・
そう思っていたのだ。
だが・・・
突然前世に生きていた世界へと訪れることにより、どうするべきかずっと悩んでいた。
そんなマオ君の本心を見透かした(?)が・・・
前世で生きていたこの世界に残りたいというマオ君の本心を言い当てながらも再会の約束もしてくれたのだった。
元魔王「蒼・・・徹・・・ありがとう・・・ 俺も会いに行くから・・・」
田所 蒼(アオイ)「おう・・・おうよ!」
田所 衛(マモル)「魔王!がんばれよ!」
元魔王「・・・本当に本当に、ありがとう!!!!」
元魔王「・・・魔神様!!!!!! 俺魔王の任、謹んでお受けいたします!」
魔神「おお!! そうかそうか!」
魔神「これで魔王領も安泰だな! 前世ぐらいの力戻して我の加護を与えて・・・」
元魔王「・・・おお・・・」
女神「これで魔王の件はひと段落、かしら?」
吉沢 奏楽(ソラ)「うーん・・・ 洗脳で殺したり殺されちゃった人・・・ どうにか出来ないかな?」
女神「っ──!!!? できな・・・くはないけど・・・」
吉沢 奏楽(ソラ)「なら、ね? お願い?」
女神「うぐぐぐぐっ!! あ、あれはちょー疲れるんですけど・・・」
女神「わかりました! 今回の偽物魔王に殺された方に関しては蘇るよう処理します!」
女神「で!す!が!! 今回だけですからね!!」
吉沢 奏楽(ソラ)「わーい! ありがと!!」
元魔王「・・・女神様・・・ ありがとうございます!!」


