枝垂れ桜は眠れない夜に咲く(脚本)
〇空
爽やかな風が吹く、福竜市の昼下がり。
絶好のお出かけ日和、
そんな日に──
〇シックなカフェ
福竜市の街角にあるカフェ、
「ハルカゼ」はいつもよりも
大繁盛であった。
客「すみませーん!」
篠田 桜「はーい・・・!」
客「この『オリジナル・シーブレンド』 を2つ下さい!」
篠田 桜「『オリジナル・シーブレンド』ですね、 かしこまりました。 直ぐにお持ち致します」
「あの人、すっごい美人じゃね・・・? スカウトとか来なかったのかな・・・?」
「あぁ・・・ あの人って凄い魅力的だよな・・・! 噂じゃファンクラブが出来てるらしいぜ!」
今回の物語はこのカフェに勤める、
謎多き女性『篠田桜』を巡る──
語られる事の無い物語である──
水守 朔也「オイッス!ハルの姉貴! ・・・今日も席空いてますかい?」
注文を取っていると、
元部下の『水守朔也』が入店して来た。
篠田 桜「水守・・・! その呼び方は・・・!」
水守 朔也「あっ・・・すみません・・・ まだクセが抜けきれてねぇな・・・」
篠田 桜「・・・ いつもの席を空けてあるから 座って待ってて・・・」
水守 朔也「すみません!姉・・・じゃなかった、 篠田さん!」
篠田 桜「・・・全く」
〇黒背景
数時間後・・・
〇シックなカフェ
昼のランチタイムを乗り切り、
店内も静まった頃──
店の中には水守と篠田が居り、
他愛もない話を話し合っていた──
水守 朔也「・・・そう言えば篠田さん、 好きな音楽ってあります?」
篠田 桜「好きな音楽・・・? そうね・・・」
篠田 桜「ジャンルで言うなら・・・ 洋楽とか、ジャズとかかしら・・・」
水守 朔也「・・・だったら、『ABShrimps』って言う バンドがおすすめですよ!」
篠田 桜「だいぶ前衛的なバンド名ね・・・」
水守 朔也「その中でも、 『searchive』って曲が・・・!」
水守朔也が話に花を咲かせていると──
海世 永和「・・・失礼します」
海世永和がやって来た。
篠田 桜「・・・いきなり来るとは、珍しいわね」
海世 永和「えぇ・・・ 一つ聞きたい事がありましてね・・・」
水守 朔也「・・・俺は外した方が良いみたいっすね」
海世 永和「いや、外さなくて良い。 ・・・朔也にも聞きたい事なんだ」
水守 朔也「・・・? 何ですか?・・・その聞きたい事って?」
海世 永和「『橘 吾郎』、『竹之 広志』・・・ この名前に聞き覚えは?」
海世の出した名前に、
苦い思い出が蘇る2人・・・
篠田 桜「えぇ・・・知ってるわ・・・ ・・・何があったの?」
海世 永和「・・・俺は今、『Campus』 って暗殺者に追われているみたいで・・・」
〇黒
数時間後・・・
〇シックなカフェ
篠田 桜「・・・にしても、参ったわね・・・ あの暗殺者に追われてるなんて・・・」
水守 朔也「えぇ・・・そうですね・・・」
水守 朔也「──じゃ、ないんですよ! 何で『元凶の処理』なんて面倒事を 請け負うんですか!?」
しれっと巻き込まれた水守は、
桜に対してまくし立てた。
篠田 桜「あら・・・? そんな事、言ったかしら・・・?」
水守 朔也「目の前でハッキリ言いましたよ! というより、俺を巻き込まないで下さい!」
篠田 桜「・・・巻き込んだつもりは、 無いのだけど・・・」
水守 朔也「だったら”私たち”なんて 言わないで下さい!」
・・・経緯を話すと、知り合いの
海世永和が暗殺者に追われている。
それを依頼した人物を知る2人は、
元凶の撃破を請け負ったのであった。
篠田 桜「・・・だったら一つ聞くのだけど、 貴方は”知り合いが死ぬ”のを見過ごすの?」
水守 朔也「いや・・・それは・・・」
桜の指摘に歯切れが悪くなる水守に、
桜は話を続けた。
篠田 桜「あの人が助けてくれたから、 私が今この場所に居る。 だったら、ココで恩を返すべき」
篠田 桜「──そう思わない?」
水守 朔也「それは・・・そうですけど・・・」
篠田 桜「だったらこの話、乗ってくれるわね?」
水守 朔也「・・・分かりましたよ、乗りますよ・・・ その話・・・」
半ば無理矢理な気もするが、桜の説得
により水守が協力する事になった。
篠田 桜「ふふっ・・・ありがとう・・・水守・・・」
水守 朔也「・・・んで、どうするんですか? あの人たち、かなり用心深いですよ?」
篠田 桜「・・・それなら心配ないわ、 あの人たちは私たちも狙っているはずよ」
水守 朔也「えぇ・・・っ!? な、なんでそんな事・・・」
篠田 桜「・・・あの2人が海世永和に関わった場所 なんて『KWM』以外あり得るのかしら?」
水守 朔也「あ〜・・・確かに・・・」
『KWM』──
裏社会屈指の武器密造組織であり、
桜、水守が所属していた・・・
しかし、
海世永和の潜入捜査と桜の協力により
『KWM』は解散した。
元組員たちは平穏な日常へと戻ったが、
解散に関わった人物に恨みを抱く者は
居る。
水守 朔也「でしたら・・・ コッチに来るかもしれないですね・・・」
篠田 桜「向こうの相手は『Canpus』・・・ 私の読みなら2人ともコッチに来るわ」
水守 朔也「ええッ・・・!? それじゃあ、早く策を練らないと・・・」
篠田 桜「・・・大丈夫よ、時間はあるわ ・・・私に良い案があるの」
水守 朔也「・・・なんか嫌な予感がするんですが」
桜の提案に顔をしかめる水守・・・
篠田 桜「安心して、少し”皆を使う”だけだから」
水守 朔也「・・・皆?」
〇空
数時間後──
すっかり日も暮れて雨が降る中、
見慣れない光が街中に着いていた。
〇シックなカフェ
篠田 桜「お待たせしました、 『オリジナル・シーブレンド』です」
お客さん「おぉ、ありがとう・・・」
いつもなら夕方には営業を終了している
『ハルカゼ』が営業を続けていた。
今までは営業時間外だった夜にも営業し、
人を寄せ付ける。
コレが桜の策であった。
「すみませ〜ん! 注文を・・・!」
篠田 桜「はい・・・直ぐに行きます!」
実際に効果は出ており、見慣れない客や
常連客で店内は賑わっていた。
水守 朔也「篠田さん・・・ これでホントに来ないんですか・・・? あの人たち・・・」
客席に居た水守は小さい声で
桜に話しかける。
篠田 桜「さあね・・・でも、少なくとも あの人たちは人目をはばかるはずよ」
水守 朔也「それはそうですけど・・・! 策を練らないと・・・!」
篠田 桜「そうね・・・ なら、頼んでも良いかしら・・・?」
長い付き合いがあるからか、
水守に悪寒が走った。
水守 朔也「あの人たちを倒せる策を考えろと・・・?」
篠田 桜「えぇ・・・ 私も忙しいの、頼まれてくれるかしら?」
水守 朔也「・・・分かりましたよ、 どうせ俺も狙われてるでしょうし・・・ やりますよ・・・」
水守は桜の案を渋々承諾した。
篠田 桜「ありがとう、水守・・・ それじゃ、頼んだわよ・・・!」
そう言うと桜は急いで客の元へと向かった
水守 朔也「はぁ・・・ なんで俺って・・・」
桜の作戦が功を奏したか、
結果この夜は2人は姿を見せなかった──
〇黒
──翌日
〇シックなカフェ
ハルカゼはいつも通り、
多くの客が往来していた。
篠田 桜「お待たせしました、『鉄板オムライス』です 火傷に気をつけてお召し上がりください」
お客さん「おぉ・・・美味しそう・・・ ・・・すみません、写真を撮っても・・・」
篠田 桜「えぇ、いいですよ」
お客さん「・・・ありがとうございます! ・・・この画角からの方が良いか・・・?」
カフェの店員「すみません!篠田さん! 篠田さん宛に電話が・・・!」
篠田 桜「それでは、ごゆっくり・・・」
カフェの店員「すみません、接客中に・・・」
篠田 桜「別にいい・・・それで? 私宛の電話って・・・?」
カフェの店員「良く分かりませんが・・・ 『橘』と伝えたら分かると・・・」
篠田 桜「・・・!」
『橘』、その聞いた事のある苗字に
緊張が走る。
篠田 桜「分かったわ・・・ 少し外してもらえるかしら・・・?」
無関係なスタッフを離れさせ、
恐る恐る受話器を手に取り、
耳元へ運ぶ。
篠田 桜「・・・コチラ、篠田桜・・・ あなたは・・・?」
橘 五郎「へっ・・・ 言わなくても分かるだろ・・・? 俺だよ、橘五郎だよ・・・!」
篠田 桜「・・・それで、なんの為に電話を? 白旗宣言する訳でもないでしょう?」
橘 五郎「あぁ、そうさ・・・! 今、俺らの所にアンタも知ってる 『人質』が居る・・・!」
篠田 桜「・・・『人質』?」
橘 五郎「今から5日だ、5日以内に投降するなら 人質は元に戻してやる・・・!」
橘 五郎「おっと・・・そういや、人質について 言って無かったな! 人質は──」
橘 五郎「アンタの親父、『篠田修也』が人質だ! ・・・分かったな?」
篠田 桜「なっ・・・!?」
裏社会に入るきっかけとなった、
長年捜し求めた父『篠田修也』の名──
それを聞いた桜は、心の底で動揺する。
篠田 桜(・・・何故? なんで私の父を・・・)
橘 吾郎「5日以内に降伏の意を示さなければ、 この人質を消す・・・ ・・・分かったな?」
橘 吾郎「ま、せいぜい足掻いてみることだな・・・」
そう言い残すと、橘は電話を切った。
篠田 桜「・・・」
突如として現れた父に動揺を隠せず、
桜はその場に立ち止まり思考を巡らせる。
篠田 桜(・・・罠、にしては余りにも 情報が正確過ぎる・・・ ・・・となると──)
カフェの店員「あの・・・どうしたんですか・・・?」
考え込んでいると、話しかけてきた
店員の言葉に桜は我に返った。
篠田 桜「いえ、何でもないわ・・・ ただ考え事をしていただけ」
篠田 桜(・・・彼らを巻き込む訳には行かない。 その為にも・・・)
篠田 桜「・・・ちょっと良いかしら」
カフェの店員「はい? なんでしょうか?」
篠田 桜「いえ、貴方にもオリジナルブレンドの 作り方を教えておきたいとおもって・・・」
カフェの店員「えッ!? 良いんですか!?」
篠田 桜「えぇ、良いわよ」
篠田 桜(私の全てを託せば・・・ 私が居なくなっても・・・)
〇黒
(きっと、やっていけるはず・・・)
〇空
その日の夕方、カフェ『ハルカゼ』に
とある客が現れた。
〇シックなカフェ
篠田 桜「・・・」
水守 朔也「・・・どうしたんですか? そんな思い込んだ顔をして・・・」
篠田 桜「・・・! いえ、何でもないわ・・・ ただ疲れているだけよ」
水守 朔也「・・・本当に大丈夫なんですか・・・? 何かあったら言って下さいよ・・・?」
水守と桜が話あっていると、
誰かが店のドアを開いた。
???「あの・・・ まだ、やってますか・・・?」
篠田 桜「えぇ・・・やってるわよ ご注文は何かしら?」
大島 太河「ほっ・・・良かった・・・ 『ミルクプリンアラモード』を 一つ下さい・・・!」
その正体はここ最近、
カフェに顔を出している少年であった。
篠田 桜「ミルクプリンアラモードを一つ・・・ ご注文は以上かしら・・・?」
大島 太河「はい・・・!」
篠田 桜「それじゃあ、直ぐに持ってくるから ちょっと待っててね・・・!」
桜が厨房へと向かうと、
何故か少年は水守の方を向き、
話しかけた。
大島 太河「あの・・・お兄さん・・・?」
水守 朔也「ん・・・? なんだい・・・?」
大島 太河「・・・桜さんは、一体何に巻き込まれて いるんですか・・・?」
水守 朔也「・・・ 何故そう思った・・・?」
大島 太河「分かりません・・・ ですが、ここ最近のあの人は元気が無い 気がして・・・」
・・・少年も、
桜の違和感に気づいていたのだ。
水守 朔也「・・・良く分かったな だが、俺にも良く分からねぇんだ・・・」
大島 太河「そ・・・そんな・・・」
大島 太河「何も・・・分からないんですか・・・」
少年は顔を歪ませ、
薄っすらと涙を流しながら・・・
とある事に気付いた。
大島 太河「い・・・いや・・・! 待ってください・・・!」
水守 朔也「・・・何だ? 俺は何も・・・」
大島 太河「さっきの言葉・・・『嘘』ですね・・・!」
水守 朔也「は、はぁ・・・? 何を根拠に・・・」
大島 太河「根拠なら・・・ありますよ・・・! 現に今!貴方が慌てている・・・!」
少年の見る目はとても鋭く、
水守は所々の情報を変え、
渋々話を始めた。
水守 朔也「分かったよ・・・ 俺が知ってる事教えてやっから・・・」
水守 朔也「篠田さんはな・・・ 今、ストーカーに追われているんだ・・・ それも2人・・・!」
大島 太河「ス、ストーカー・・・!?」
水守 朔也「あぁ、そうだ・・・ 確か名前が『橘五郎』と『竹之広志』 だったかな・・・」
大島 太河「・・・」
水守 朔也「俺だって・・・ そのストーカーとやらを探したいが・・・ なんせあの人が・・・」
大島 太河「自分の力だけで・・・ なんとかしようと・・・」
水守 朔也「あぁ・・・そうだ・・・ だから俺らにはどうしようも・・・」
大島 太河「・・・!」
水守の話を聞いた少年は、
ポケットからスマホを取り出し、
何かを調べ始めた。
大島 太河「もしかして・・・この2人ですか!」
水守に突きつけられたスマホに
映し出されていたのは、
あの2人組だった。
水守 朔也「あぁ、そうだ・・・ 確かそんな姿で──」
水守 朔也「って・・・!? なんでテメェがそんな写真を 持ってんだ!?」
そう・・・紛れもない、
あの2人組だった・・・!
大島 太河「・・・ここ最近、コミュニティで 怪しい奴らがうろついているって 聞いていたんです」
大島 太河「この写真があのストーカー・・・ なんですよね・・・?」
水守 朔也「あ、あぁ・・・ 間違いねぇが・・・こんなあっさり・・・」
水守 朔也(何だ、何故だ・・・? あの2人は写真に写るはずがない・・・ しかも正面から・・・)
何故こんな写真があるのか、
疑問を持った水守は問いかけた。
水守 朔也「なぁ・・・ アンタの言ってたコミュニティ・・・ 教えてくれねぇか・・・?」
大島 太河「別に良いですけど・・・ えぇっと、『しの──」
篠田 桜「良しっ・・・出来た・・・!」
少年がコミュニティについて
言おうとしたその時だった。
厨房から聞こえた桜の声に、
2人はなんとなく──
篠田 桜「はい、コチラ 『ミルクプリンアラモード』になります それでは、ごゆっくり・・・」
大島 太河「・・・ありがとうございます! それでは、いただきます・・・!」
──なんとなくだが、
2人はさっきの事を隠す事にした。
大島 太河「うま〜い・・・!」
なお、2人はこの後連絡先を交換した。
〇空
同日の深夜、悪天候により雷が降る中、
篠田桜は奇妙な夢を見た。
〇街中の道路
「おとーさん・・・? ねぇ、おとーさん・・・!」
幼少の頃に父は死んだ。
母と私を残して──
「ふふっ、どうしたんだい・・・? さくら・・・」
忘れもしない、雨が降りしきる夜。
私の誕生日に父は『夢』をくれた。
「わたしね・・・! おおきくなったら・・・! かふぇをひらいてみたい・・・!」
その翌日の夜に、私は父の訃報を聞いた。
・・・忘れられない、忘れる訳がない。
「あらあら、可愛い子ね・・・! きっと、その夢叶うわよ・・・!」
父の訃報を信じれなかった私は、
『本当の死因』を探した。
「良い夢じゃないか・・・! 父さんも、応援させてもらうぞ・・・!」
「えへへ・・・!」
そして、数年をかけて辿り着いた──
〇黒
父が居た場所、『裏社会』へと、
私は足を踏み入れた。
〇部屋のベッド
篠田 桜「・・・! はぁッはぁッ・・・!?」
篠田 桜「ゆ、夢・・・?」
篠田 桜「はぁッ、はぁッ・・・」
桜の見た奇妙な夢は、しっかりと、着実に 彼女の心を蝕んでいった・・・
〇空
翌日の昼──
〇シックなカフェ
カフェはいつも通りの大盛況だった。
しかし──
篠田 桜(・・・水守が、居ない・・・?)
水守朔也が忽然と、姿を消してしまった。
篠田 桜「・・・ッ」
否が応でも、様々な憶測が桜の脳内を蝕む
篠田 桜(・・・水守)
カフェのお客さん「すみませ〜ん・・・! ご注文を・・・!」
篠田 桜「・・・!」
篠田 桜「・・・はい! 直ぐに行きます・・・!」
だが、こんな状況でも時間は、
無情にも進んで行く。
篠田 桜(・・・頼むから、無事で居て・・・!)
彼女が出来る事は、ただ祈るだけだった。
〇広い公園
その頃、水守朔也は
福竜市内にある市民公園に居た。
大島 太河「あれ・・・? もうすぐ集合時間なのに・・・」
水守 朔也「・・・」
あの2人組の写真を撮った、
コミュニティの人に会いに来ていたのだ。
水守 朔也「・・・そう言えば聞いて無かったが、 結局何のコミュニティなんだ?」
大島 太河「あ、コミュニティですか・・・? 私たちの居るコミュニティは──」
大島 太河「『篠田桜ファンクラブ』・・・ 桜さんの非公式ファンクラブです・・・!」
水守 朔也「ファ・・・ファンクラブ・・・!?」
大島 太河「あ、この事は口外厳禁でお願いしますよ」
水守 朔也「いや・・・ なんとなく分かってるけど・・・」
2人が話し合っていると、
遠くから呼ぶ声が聞こえた。
???「おーい・・・! 太河ー・・・!」
大島 太河「・・・来ましたよ、あの3人です」
水守 朔也「あの3人って・・・」
そこに居たのは3人の少年だった。
吉野 信行「ごめん・・・! 時間を見間違えてた・・・!」
大島 太河「いいよ・・・別に・・・ それより、 コッチに挨拶した方が良いんじゃない?」
水守 朔也「よっ・・・! 俺は水守朔也、よろしくな・・・!」
吉野 信行「僕は吉野信之です、よろしくお願いします」
吉野 信行「・・・ほら、2人も挨拶しろって・・・!」
染井 成海「僕は染井成海です、よろしくお願いします」
山野 咲翔「俺は山野咲翔だ!よろしく!」
水守 朔也「おう、よろしくな! ・・・それで一つ聞きたい事があるんだが」
自己紹介も程々に、
水守は写真の件について聞いてみる。
染井 成海「・・・なんでしょうか?」
水守 朔也「この写真・・・ 何処でどうやって撮ったんだ・・・?」
染井 成海「その写真なら、成海のヤツが撮りましたよ」
吉野 信行「成海のヤツって言うなよ・・・」
吉野 信行「その写真なら確か・・・ 『宇呂小道』の方で撮りましたよ」
水守 朔也「撮った時の2人の様子は・・・?」
吉野 信行「かなり周囲を警戒していたと言うか・・・ とにかく、結局怪しい動きをしてましたね」
水守 朔也「なるほど・・・」
水守は聞いた情報をメモに書き込み、
状況を整理した。
水守 朔也(・・・! そう言う事か・・・!)
水守 朔也(あの2人は恐らく、 子供からカメラを向けられるとは 考えていない・・・!)
水守 朔也(むしろ、向けられても撮られるとは 思いもしない・・・!)
水守 朔也(向こうが警戒しているのは、新聞記者に なった俺の『情報網』だ・・・!)
吉野 信行「あ、あの・・・? 大丈夫ですか・・・?」
水守 朔也「あ、いや・・・何でもないさ・・・」
水守は少し考え込み、
少年たちに話をした。
水守 朔也「実は桜さんが・・・ ストーカー被害に遭っていてな・・・」
吉野 信行「え・・・! そうなんですか・・・!?」
水守 朔也「あぁ、そのストーカーが・・・ さっきの写真の2人なんだ・・・!」
吉野 信行「そ・・・そんな・・・」
水守 朔也「だから・・・だからこそ・・・ 君たちに協力を頼みたいんだ・・・!」
水守 朔也「頼む・・・このとおりだ・・・!」
水守は少年たちに向けて、
深々と頭を下げた。
それを見た少年たちは──
吉野 信行「・・・水守さん、頭を上げて下さい!」
吉野 信行「僕たちだってあの人を守りたいんです この件、協力させて下さい・・・!」
水守 朔也「・・・ありがとう!」
この件に関わることを
快諾してくれた・・・!
吉野 信行「・・・『篠田桜ファンクラブ』! 何としても、桜さんを守るぞ・・・!」
「おぉーッ・・・!」
かくして、新たな仲間を引き連れて
水守たちはあの2人を捜し求めた。
〇空
捜索を開始し、進展があったのは
捜索開始から3日の事であった。
〇ファミリーレストランの店内
本日、カフェが定休日である為、
急遽ファミレスに集まった捜索部隊(仮)
水守 朔也「・・・それで、話ってのは・・・?」
染井 成海「えぇ・・・! 実はストーカーたちの隠れ家が 分かったんです・・・!」
水守 朔也「・・・それは──!」
山野 咲翔「それは本当なのか・・・!?」
あの2人のアジトの情報に、
皆が注目を集める。
染井 成海「お・・・落ち着けって・・・」
山野 咲翔「あぁ・・・ごめん・・・!」
染井 成海「・・・ったく」
染井 成海「んん゙ッ・・・」
気を取り直して、少年は話を再会した。
染井 成海「それで、判明した隠れ家の場所ですが、 山の方に廃れた倉庫がありますよね?」
水守 朔也「あぁ・・・確かにあるが・・・」
染井 成海「あそこです・・・! 今は太河のヤツが偵察しています!」
水守 朔也「なるほどな・・・ それじゃあ、作戦を練らなきゃな・・・!」
山野 咲翔「作戦なら、俺に任せて下さいよ・・・! 完璧な作戦を作ってみせましょう!」
吉野 信行「お前の場合、脳筋な作戦しか 出ねぇ気がするんだが・・・?」
水守 朔也「・・・にしても、山側の廃倉庫か・・・」
隠れ家の場所も判明し、
後は乗り込むだけとなった捜索部隊(仮)
しかし・・・
水守 朔也(妙だな・・・ あそこは人通りが多いはずだ・・・)
水守 朔也(わざわざそんな所を選ぶか・・・? KWMの倉庫なら港にもあるはず──)
水守 朔也(いや・・・ 港の倉庫の方がバレにくいはずだ・・・ じゃあ、一体・・・?)
水守の中では、何かが引っかかっていた。
吉野 信行「み・・・水守さん・・・? 大丈夫ですか・・・?」
水守 朔也「ん・・・? あぁ、いや・・・大丈夫だ・・・!」
水守 朔也「・・・とにかく、 作戦が無きゃ不利な戦いになる。 各自で作戦を練って来てくれ!」
吉野 信行「・・・! 分かりました!水守さん!」
水守 朔也「取り敢えず、今日の所は解散・・・! 明日までに作戦を考える事!」
水守は胸中の引っかかりに
違和感を抱きながらも、解散を告げた。
〇繁華な通り
胸中に引っかかった違和感が
未だ分からない中、
水守は街中を歩いていた。
水守 朔也「・・・何だ? 何かが・・・引っかかってる・・・」
そんな時、とある話が耳に入った。
通行人「そう言えばさ、さっきカフェの美人さんを 見かけたんだよね・・・!」
通行人「え、カフェって今日休みだよね・・・? 何処で見かけたの・・・?」
通行人「なんか良く分からないけど、 スッゴい渋い顔しながら山の方に 歩いてったのを見た!」
通行人「山の方に・・・? あんな所に何かあったっけ・・・?」
水守 朔也「・・・」
──その時、水守の感じた
違和感が解けた。
水守 朔也(・・・そうだ! 山の倉庫は『人質の待機所』だった! そう言う事か・・・!)
水守 朔也「・・・もしかして、かなり マズい状況か・・・!?」
水守 朔也「取り敢えず、アイツらに連絡を・・・!」
捜索舞台(仮)に連絡を入れて、
水守は山の倉庫へと走り出した。
「頼む・・・! 死なないでくださいよ・・・! 桜さん・・・!」
〇廃倉庫
その頃、倉庫近くには桜の姿があった。
篠田 桜(・・・遺せる物は遺して来た、 もう、後悔は・・・)
そう思いながらも、
山から見下した福竜市に──
篠田 桜「・・・楽しかった、ありがとうね ・・・皆」
──感謝の言葉を述べ、
震える手で倉庫の扉をノックした。
「・・・何者だ・・・?」
篠田 桜「篠田桜よ、中に入れて・・・!」
「へっ・・・ちゃんと来たみたいだな・・・」
篠田桜は倉庫の中へと入っていった・・・
「・・・」
〇廃墟の倉庫
桜が倉庫内に入るとそこには──
篠田 桜「・・・ッ!」
橘 五郎「へっ・・・ようやく来たか・・・」
篠田桜の父、篠田修也と思しき人物が
柱に縛り付けられ、顔に青痣を作っていた
篠田 桜「・・・」
橘 五郎「・・・どうした? 久々の再会なんだろ? もっと喜べよ・・・!」
篠田 桜「何を・・・ッ!」
目の前の惨状に、怒りがこみ上げる桜。
そこに──
篠田 修也「・・・待つんだ・・・桜・・・」
篠田 桜「・・・!」
──篠田修也が桜に向けて語りかけた。
橘 五郎「そいじゃ・・・最期ぐらい、 親子水入らずで話し合いな。 俺らからの温情だ・・・!」
橘 五郎「ま、変な事はすんじゃねぇぞ 直ぐに撃ち抜くからな・・・!」
そう言い、
2人は少し離れた場所に移動した。
篠田 桜「・・・父さん」
篠田 修也「こんな顔を見せたくは無かったが・・・ 久しぶりだな、桜・・・」
青痣にまみれた顔を上げ、
力無く話す篠田修也。
彼の心は、後悔で染まっていた。
篠田 桜「・・・ごめんなさい、こんな・・・ 親よりも早く死ぬ子供で・・・」
篠田 修也「いや・・・お前は悪くない・・・ 悪いのは父さんだ・・・」
篠田 修也「俺が仕事を失敗しなければ・・・ お前がコッチに来ることも無かった・・・」
篠田 桜「・・・父さん」
篠田 修也「・・・アイツは、妻は元気か・・・?」
ふと思い出し、桜に聞いてみる。
篠田 桜「・・・えぇ、とても元気よ」
篠田 修也「なら良かった・・・」
篠田 桜「・・・」
篠田 修也「・・・なぁ、桜」
篠田 桜「・・・何かしら、父さん?」
篠田 修也「地獄でも、また会えるか・・・?」
篠田 桜「・・・えぇ、きっと」
篠田 修也「・・・どうやら俺は、 とんでもねぇバカ野郎だったみたいだな」
篠田 桜「・・・果報者とでも言えばいいのに」
篠田 修也「・・・人生単位で後悔してんだ そんな言葉、俺には似合わねぇよ ・・・じゃあな」
篠田 桜「えぇ・・・さようなら・・・」
篠田修也に別れを告げ、
桜は橘の元に歩みを進める。
橘 五郎「現世への別れは済んだか・・・?」
篠田 桜「えぇ・・・」
橘 五郎「・・・お前らのしでかした事は、 裏社会を大きく揺さぶった」
橘 五郎「・・・結果、KWMは解散 だが、仇討ちを計画し、早数ヶ月・・・」
橘 五郎「・・・裏切り者に粛清を下せる時が来た」
橘は銃口を桜に向け、
引き金に指をかける。
橘 五郎「あばよ」
〇黒
「待った・・・ッ!」
「うおッ・・・!?」
引き金が引かれるその時、
物陰から何かが飛び出した。
〇廃墟の倉庫
篠田 桜「・・・」
篠田 桜「・・・?」
桜が恐る恐る目を開けると──
篠田 桜「なっ・・・!?」
そこにはカフェの常連の少年が、
橘たちと取っ組み合っていた。
橘 五郎「くっ・・・なんだコイツ・・・!?」
竹之 広志「いい加減離れやがれ・・・っ!」
大島 太河「嫌だ・・・ッ! 桜さんを・・・守るんだぁっ・・・!」
橘 五郎「クッソ・・・このガキ・・・!」
大島 太河「・・・とりゃぁッ!」
橘 五郎「なっ・・・テメェ・・・!?」
橘の持っていた銃を少年がはたき落とし、
落ちた銃は床上を滑っていった。
竹之 広志「この・・・ガキっ・・・!」
大島 太河「ぐあっ・・・!」
竹之は少年をヘッドロックし、
すかさず銃口を頭に突きつけた。
竹之 広志「おいガキ・・・! テメェが信じた女の事ぐらい、 しっかりと見とけ・・・!」
2人の視線の先には──
篠田 桜「・・・」
大島 太河「さ、桜さん・・・」
先程はたき落とされた銃を
コチラに向ける桜が居た。
竹之 広志「おい桜! テメェが銃を下ろさねぇなら! このガキを撃つぞ・・・!」
篠田 桜「・・・ッ」
竹之 広志「ほら見ろよ・・・! テメェの命なんざ、 端から見ちゃいねぇだろ・・・!」
自らの命が人質となった状態、
それでも少年は──
大島 太河「桜さん! 俺ごと、撃って下さい・・・!」
篠田 桜「・・・!」
竹之 広志「んなッ・・・!? このガキ・・・」
それでも少年は、思いを述べた。
大島 太河「あなたが居たから、 僕は日々を楽しく過ごせた・・・!」
大島 太河「カフェに行くと毎回必ず、 笑顔で優しく接客してくれて、 本当に嬉しかった・・・!」
大島 太河「あなたの居ない!カフェになんか! 行きたくない!」
竹之 広志「おいガキ・・・! いい加減にしろ・・・! あんなヤツの嘘に騙されたいか・・・!?」
大島 太河「あの人は・・・嘘つきなんかじゃない! あの優しさも・・・! 嘘なんかじゃない!」
篠田 桜「・・・」
桜の銃を持つ力が段々と、強くなる。
そして──
竹之 広志「おい桜・・・! いい加減に銃を──」
桜の銃弾が、竹之の頬を掠めた。
竹之 広志「な・・・何考えてやがる・・・! コッチには人質が・・・!」
篠田 桜「確かに私は、嘘つきかもしれない」
篠田 桜「でも、私を信じた人が望むのなら、 私は、本当の悪魔にだってなってみせるわ」
大島 太河「桜さん・・・!」
竹之 広志「くっそ・・・! こうなったら──」
竹之が銃を強く握る、しかし──
???「こうなったら・・・ なんだ・・・?」
竹之 広志「なっ・・・!?」
橘 五郎「おわッ・・・!?」
「かはッ・・・!?」
水守 朔也「一般人にも手を出すとは、 あなた方も随分と落ちぶれましたね」
「み・・・水守ィッ・・・!?」
竹之の背後に居た水守が、
背負投げを喰らわせた──!
染井 成海「大丈夫か・・・! 太河・・・!」
大島 太河「成海・・・! コッチは大丈夫だよ・・・!」
染井 成海「ったく・・・ ちゃんと連絡とか入れろよ・・・」
少年たちも合流し、戦いは火蓋を切られた
橘 五郎「このガキども・・・ 徹底的に潰してやる・・・!」
染井 成海「太河・・・! 作戦は・・・!?」
大島 太河「2人はあの厳つい人を! 僕と吉野であの柱に縛られてる人を 助けてくる・・・!」
山野 咲翔「オッケイ・・・! 行くぞ、成海!」
染井 成海「おう・・・!」
2人の少年、山野と染井は橘五郎へと、
立ち向かって行った。
大島 太河「行くよ、吉野!」
吉野 信行「おう・・・!」
そして、吉野と大島は篠田修也の救出へと
向かった。
〇廃墟の倉庫
大島 太河「大丈夫ですか!? 修也さん・・・!」
篠田 修也「ん・・・? 君たちは・・・?」
大島 太河「それは後です・・・! とにかく、この状況をどうにか・・・!」
吉野 信行「な、なあ・・・ このおじさん誰・・・?」
大島 太河「桜さんのお父さん・・・! 早く助けるよ・・・!」
吉野 信行「・・・なるほど」
大島たちは綱を解きにかかるが、
時間がただ過ぎるのみ・・・
大島 太河「くッ・・・解けない・・・!」
吉野 信行「・・・なんつー固さだ・・・!」
篠田 修也「・・・なぁ、少年 結び方はどうなってる・・・!?」
しびれを切らした修也が、
少年たちに問いかける。
大島 太河「え・・・!? な、なんか固結びみたいな・・・ そんな結び方です・・・!」
篠田 修也「となると・・・アレか・・・! 少年!今から、俺の指示通りにやってくれ」
大島 太河「は、はい・・・!」
篠田 修也「先ず、輪っかを作れ・・・! そうすりゃ──」
大島 太河「・・・なるほど! そういうことか!」
吉野 信行「・・・いや! 違う!そこはこうすれば・・・!」
修也の指示通りに縄を解くと──
篠田 修也「・・・よし! 解ける・・・!」
縄が解け、修也が解放された──!
篠田 修也「ありがとう・・・! 少年たち・・・!」
大島 太河「いえいえ・・・それ程でも・・・!」
「うわーッ・・・!?」
しかし、少年の悲鳴が響く・・・!
篠田 修也「・・・マズい、助けに行くぞ!」
吉野 信行「はいっ・・・!」
少年たちと修也は、
橘の元へ全員で走り出した・・・
〇廃墟の倉庫
山野 咲翔「くっ・・・!」
染井 成海「大丈夫か・・・! 咲翔・・・!」
橘の攻撃に負傷した山野、
絶体絶命の状況・・・!
橘 五郎「へっ・・・たかがガキども・・・ 俺らに噛み付いた事・・・ 後悔するんだな・・・!」
染井 成海「ま、マズい・・・っ!」
橘 五郎「くたばれ・・・ッ!」
染井 成海「くッ・・・!」
〇黒
橘が鉄パイプを振りかざしたその時、
鉄の甲高い音が響いた。
〇廃墟の倉庫
橘 五郎「な・・・っ!?」
篠田 修也「お前ら、ただの子供にも 手を出すとは・・・ 余程、裏社会の掟を忘れたか・・・!」
鉄パイプの振り下ろした先、
そこに居たのは篠田修也であった。
橘 五郎「くッ・・・なんて馬鹿力だ・・・!?」
鉄パイプを互いに使い、
鍔迫り合いの姿勢になる2人。
篠田 修也「お前らが人の心を持たないのなら──」
篠田 修也「俺も容赦はしない・・・ッ!」
橘 五郎「くッ・・・!?」
鍔迫り合いの状況から蹴りを喰らい、
体勢を崩した橘・・・!
そこに──
篠田 修也「どりゃあッ・・・!」
「くぁ゙ぁ゙ぁ゙ッ・・・!」
フルスイングの鉄パイプが、
橘を吹き飛ばした・・・!
篠田 修也「・・・大丈夫か、少年たち」
染井 成海「俺は大丈夫です・・・! だけど、咲翔が・・・!」
山野 咲翔「痛ッて・・・」
膝から血を流し、蹲る山野。
篠田 修也「・・・手当をしなければ」
篠田 修也「・・・桜、後は頼んだぞ!」
〇廃墟の倉庫
篠田 桜「・・・分かったわ、父さん! 後は任せて・・・!」
竹之 広志「くッ・・・ どいつもこいつも邪魔を・・・!」
竹之 広志「えぇい・・・! 喰らいやがれ・・・ッ!」
竹之は手持ちの銃で2人を狙うが、
狙いが定まらず、明後日の方向へと
銃弾が飛ぶ。
篠田 桜「・・・行くわよ、水守・・・!」
水守 朔也「えぇッ・・・!」
篠田 桜「『我流連携奥義』──!」
水守 朔也「『花風吹』・・・!」
〇黒
〇廃墟の倉庫
「ぐあぁ゙ぁ゙ッ・・・!」
篠田 桜「・・・これで、全てが終わったわね」
水守 朔也「えぇ、そうですね・・・」
篠田 桜「ふふっ・・・ありがとうね、水守 それと・・・子供たち・・・!」
大島 太河「あ、ありがとうございます・・・! 桜さん・・・!」
水守 朔也「4人とも、頑張ったな・・・! 俺からも、ありがとう・・・!」
大島 太河「水守さん・・・! 本当にありがとうございました・・・!」
かくして、長きにわたる因縁も、
戦いも終わり、彼らは日常へと戻った。
〇黒
その後、橘、竹之の2人は逮捕され
篠田修也の店には新たな店員が
やって来た。
〇シックなカフェ
数日後、カフェにとある客が訪れていた。
「なぁ・・・あのおじさん・・・ めっちゃイケメンじゃね・・・!?」
「・・・たしか、あの美人さんの お父さんらしいけど・・・」
「えぇ!? あの美人さんの・・・!? そりゃイケメンだわ〜・・・」
篠田 桜「いらっしゃいませ、お客さま ご注文は何にしますか・・・?」
篠田 修也「それじゃ、 『オリジナル・サクラブレンド』を一つ」
「あの2人・・・ めっちゃ、カッコイイ・・・!」
篠田 修也「な、なぁ・・・やっぱ俺、 この空間じゃ場違いな気が・・・」
篠田 桜「父さん・・・! 狼狽えないの・・・! あの5人が来るまで待ってて・・・!」
水守 朔也「いや〜・・・やっぱ大盛況だな・・・」
大島 太河「そうですね・・・」
染井 成海「久々に来たな〜・・・ 何も変わってない・・・!」
山野 咲翔「よっしゃ、腹いっぱい食うぞー!」
吉野 信行「一人だけ、おかしい奴がいるんだが・・・」
〇空
篠田桜の営むカフェは、
今日も賑わいをみせていた。


