平凡な俺と覚醒した彼女

かくれんぼ

【第10話】待ち合わせの聖夜(後編)(脚本)

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〇街中の道路
  はぁ・・・はぁ・・・
  心当たりのある場所を片っ端から探した。
  えまがよく言ってた“お気に入りの場所”を全部。
しゅん「おい、どこ行ったんだよ・・・・・・ こんな日にさ・・・」
しゅん「くそ・・・・・・・・・」
  もう諦めようとしていた
  その時

〇大企業のオフィスビル
  ふわりと、空から白い粒が落ちてきた。
  今年、初めての雪だった

〇街中の道路
しゅん「・・・・・・そうだ。あいつ、“雪、好き”って言ってたな・・・・・・」

〇見晴らしのいい公園
えま「・・・・・・」
  人気のない公園。
  ベンチの上、小さな背中が丸まっていた
しゅん「おい! なにしてんだよ、ここで!」
えま「え・・・」
えま「しゅん・・・なんでここに・・・?」
しゅん「魂の封印を解く儀式はどこ行ったんだよ・・・ 心配したんだぞ・・・」
えま「・・・・・・」
えま「スマホが壊れたの・・・ どうにか1回はしゅんに電話できたけど、こっちの声は届かなかった・・・」
えま「待ち合わせ場所には行ったの でも行くのが遅れちゃって、しゅんいなかった」
えま「だから、ここに・・・・・・」
しゅん「はぁ・・・」
しゅん「バカかお前は。だったら“魔導書”でもなんでも使って連絡しろよ」
えま「ごめん・・・・・・」
えま「でも見つけてくれてありがとう!」
  気づけば、さっきまでの焦りが嘘みたいに、
  静かな夜が、そこにあった
えま「・・・・・・・・・実はね、今日の召集命令、 本当は“任務”でもなんでもなかったの」
しゅん「あぁ、知ってた。文面がふざけてたもんな」
えま「今までね、クリスマスって1人だったの ずっと誰かと過ごしてみたいって思ってた」
えま「それでしゅんと一緒にクリスマスを過ごしたかっただけ。 ・・・・・・それだけ」
しゅん「・・・」
しゅん「・・・・・・そうか。俺も、そうだと思ってたよ」
  手を繋ぐでも、告白するでもない。
  でも、確かに“距離”は、近づいていた
えま「しゅん・・・・・・次は、“初詣任務”かな」
しゅん「お前、予定の立て方が物騒すぎんだよ」
  高校生活最後のクリスマス
  
  今年のクリスマスは、今までで一番、
  記憶に残るクリスマスになった

次のエピソード:【第11話】廻せ!!運命の輪!!

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