【第9話】待ち合わせの聖夜(前編)(脚本)
〇クリスマスツリーのある広場
12月25日。
寒空の下、俺は駅からすぐの公園で
ひとり立ち尽くしていた。
しゅん「周囲はリア充で溢れてるし 俺だけ浮いてるし・・・・・・ 何より、来ない」
しゅん「携帯を確認しても何もなし。 まだ来てないだけ、だよな。 遅刻・・・・・・ってことで」
30分後・・・
しゅん「このまま“封印解除の儀”も幻だった。 とかないよな・・・・・・?」
去年の今ごろは、何もなかった。
ただの“普通の1日”だった
しゅん「・・・・・・それが恋しかったはずなのに、 なんで今、こんなに落ち着かないんだよ」
しゅん「・・・」
しゅん「やっぱり、来ないのか・・・?」
しゅん「スマホに連絡は・・・」
何の連絡も、言い訳もない。
ただ静かに、時間だけが過ぎていく
携帯の画面には“通知なし”の表示
しゅん「仕方ない・・・・・・帰るか」
その時、携帯が鳴る
しゅん「・・・!!!」
📱《九十九えま》
── ── ──!
しゅん「えま!? 今どこだよ、どうしたんだ?」
通話は繋がった。
でも、音が何も返ってこない
しゅん「まさか・・・なにかあったのか・・・・・・?」
しゅんは走り出した。
分からない。ただ、胸騒ぎがした。
しゅん「なんでだよ・・・・・・なんで、こんなに気になるんだよ、お前のこと・・・・・・!」
こうして、平凡とは真逆な12月25日が始まった