【第7話】魔術と感情のステージ(脚本)
〇文化祭をしている学校
文化祭当日、校舎の外は賑やか
校舎中が騒がしくて、
いつもと違う空気が流れる
文化祭――“非日常”の舞台が、幕を開けた。
〇劇場の楽屋
無駄に体育館だけ施設が豪華な控室
えま「ついに・・・ついに・・・!! 我が力を全校に見せつける日が来たのね・・・!」
しゅん(ただのクラス劇だけどな。 しかもヒロインと主人公って・・・地獄か・・・)
ゆうや「うぉお!やっぱ文化祭ってテンション上がるなー!」
あさな「ほんと、私たち魔術研究部を有名にするチャンスだしねっ!」
るる「私はセリフの少ない役でよかったぁ・・・」
えま「さぁ!しゅん!始まるわよ!!」
しゅん「仕方ない・・・覚悟決めるか・・・」
〇舞台袖
ステージ袖
まもなく俺らのクラス(魔術研究部)の劇が始まる。
えま「しゅん・・・ちゃんと覚えてる? “契約のセリフ”」
しゅん「我が魂に刻まれし名のもとに誓いを交わす・・・だっけ?」
えま「うん!バッチリ!じゃ、いくよ!!!」
〇小劇場の舞台
【放送】
ただいまより、魔術研究部・・・??
プレゼンツ:刻まれし契約と記憶の書”
――開演します。
しゅん「はっ!!」
ゆうや「まだまだ!!!」
えま「下がって!!くらえ!! 絶対零度の風! (アブソリュート・ゼロウィンド)」
【生徒1】
なんか・・・仕掛けえぐくない??
【生徒2】
てか主演の二人、妙に息ぴったりじゃね?
しゅん「この世界を救えるのは・・・俺たちだけだ・・・!」
えま「ならば、運命に抗いましょう。我らの契約は不滅よ!」
みんなが「魔術研究部・・・?」という疑問を他所に
観客の歓声は絶えなかった。
〇舞台袖
【クラスメイト】
「しゅんー!えまー!最高だったぞー!!」
ゆうや「お、お疲れ・・・・・・ まさかここまでウケるとは・・・」
あさな「えまちゃん、本当に主役だったね!! あのテンション、うちのクラスだけ 別アニメだったもん〜!」
るる「でも、みんな楽しそうでした・・・ 特に、えまとしゅんくん・・・」
えま「ふっ。私と共に演じたこと、誇っていいわよ?」
しゅん「どの口が言うんだよ・・・お前の台詞 最後まで一回も台本通りじゃなかったぞ・・・」
えま「・・・・・・・・・」
えま「でもさ―― 今日だけは、ちょっと楽しかったでしょ?」
しゅん「・・・・・・なんだよ、その言い方」
しゅん(楽しかったなんて言ったら、 また調子乗りそうだからな)
文化祭は、騒がしくて、ちょっと疲れる――でも。
あいつといると、少しだけ“非日常”が悪くないって思える。