エピソード4(脚本)
〇車内
高台隆也「クソ!! どこへ消えやがった寧々のやつ!」
井野守「まぁまぁ、警部。そんな怒んないで冷静になりましょうよ」
高台隆也「冷静でいられるか! 妻がここ一ヶ月行方不明なままなんだぞ?!」
井野守「そりゃお気持ちは分かりますよ。 ただ自分たちは刑事なんですから。 ここ冷静に行方を探しましょうよ」
高台隆也「もういい、お前はタクシーで署に帰れ」
井野守「え、ええ!?」
高台隆也「俺一人で妻を捜す」
〇実家の居間
寧々「和さん・・・わたし」
仁科和「なんですか?寧々さん」
寧々「和さんと出会えて嬉しいです」
仁科和「え?」
寧々「こんな記憶のない私のことを親切にしてくれるし・・・」
仁科和「当然じゃないですか。 寧々さんのようなキレイ・・・あ、か弱い女性を放って置けないですよ」
寧々「本当、ありがとうございます・・・」
仁科和「良かったら、ほんと、良かったら。 ずっとここに居ていいから──」
寧々「ずっと──?」
仁科和「俺のそばに居てください」
仁科和「ずっと──」
〇車内
井野守「いやいや、警部! それはできませんよ。 自分たちバディじゃないですか!」
高台隆也「今回の件は俺の身内のことだ。 俺一人で寧々を迎えに行く」
井野守「ちょっとどうしちゃったんですか? これは行方不明者を捜す任務ですよ?」
高台隆也「事件じゃないんだ。 お前は来なくていい」
井野守「そんなに来られちゃ困ることでもあるんですか・・・?」
高台隆也「夫婦喧嘩の末に妻に家出をされたなんて、これ以上後輩のお前に恥を見せられないだろ」
井野守「大丈夫です。ここまで来たんですから仲直りするまで見届けますよ」
キキーッ
高台は急ブレーキを踏んだ
高台隆也「降りろ」
井野守「え、降りろってここ山の中ですよ!?」
高台隆也「いいから、降りろ!!」
井野守「ワッ──」