雨の中、誰もいないはずのプールに

ルーデンス

エピソード1(脚本)

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〇学校のプール
里見賢治「ひゃー、凄い雨。早く忘れたタオルを探さなきゃ」
里見賢治(だ、誰だこんな雨の中泳ぐ奴は?)
幽霊2「一緒に泳ごう・・・」
里見賢治「誰?」

〇学校の部室
里見賢治「で、でた~」
熊木洋二「どうしたんだ。青い顔をして」
里見賢治「で、出たんだよ・・・お化け」
如月翆「寝惚けてるんじゃないか?」
里見賢治「あの噂は本当だった」
熊木洋二「あの、プールで亡くなった女の子の噂かい?」
如月翆「噂だよ、居る訳ないさ」
里見賢治「でも僕は見たんだ」
熊木洋二「わかったよ、忘れ物は明日取りに行けばいい」
如月翆「面白れぇから確かめてみようぜ」
熊木洋二「止めた方がいい・・・たたられるぞ」
如月翆「なぁに3人で確かめよう」

〇学校のプール
如月翆「誰も居ねぇじゃん」
熊木洋二「わ、わかったから帰ろうぜ」
里見賢治「本当にいたんだってばぁ」
熊木洋二「兎に角この雨だ。部室に戻ろう」
如月翆「俺はもう少しここに居る」
如月翆「さてと、ひと泳ぎするか・・・」
如月翆「何だ、戻って来たのか。よし競争だ」
幽霊2「一緒に泳ごう?」
如月翆「可愛い・・・名前は?」
幽霊2「一緒に泳ごう?」
如月翆「よし、勝ったら名前を教えてね」

〇葬儀場
住職「これで、如月翆君の葬儀を終わらせていただきます」
里見賢治「やはり、何かがいたんだよ」
熊木洋二「あの時、一緒に部室に戻っていれば・・・」
里見賢治「それにしても、誰だったんだろう?」
熊木洋二「5年前に水泳部員だった三好聡子ちゃんがあのプールで練習中に亡くなっているみたいだ」
里見賢治「それじゃぁ・・・」
熊木洋二「うん」
里見賢治「でもどうして、たたるんだ?」
熊木洋二「なんでも、練習中に先輩から虐めがあってそれが原因でらしいよ」
里見賢治「ひどいな。どんな虐めだったの?」
熊木洋二「何でも、プールから上がらせてもらえなかったんだって」
里見賢治「それで、たたってるのか?」
熊木洋二「あぁ、虐めた先輩たちはあのプールで次々に不審な水死体となって死んだんだ」
里見賢治「でも、それと今回は無関係じゃないか」
熊木洋二「でもないさ、如月君は虐めた先輩の弟だったし」
里見賢治「じゃぁ、俺は?」
熊木洋二「彼女を庇っていた唯一の先輩の弟だしな」
里見賢治「ええっ・・・」
熊木洋二「大丈夫、君の場合は彼女が一緒に練習したかっただけだろう」
里見賢治「そうか・・・」
里見賢治「可哀そうに・・・一緒に遊んであげればよかった」
熊木洋二「優しいんだね」
里見賢治「ひょっとしたら、成仏してくれるかも・・・」

〇学校のプール
里見賢治「ハハハ・・・」
幽霊2「キャッ・・・」
里見賢治「競争しようか?」
幽霊2「うん・・・」

〇学校のプール

コメント

  • 原爆投下阻止の話では、歴史に関わる都合上コメントを控えましたが、こちらの作品ではコメントします。

    いじめで亡くなった女の子の怨念。それが男子3人組の1人を呑み込んだようですね……。😱
    それでも彼女を恨んだりしないのが彼の優しさでしょう。

    男子3人組の外見が似ている為に、名前を出しづらいのが残念な所。
    キャラ紹介欄に記載したり、外見で分かるようにすると良いでしょう。

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