エピソード1、拾われし依代(脚本)
〇まっすぐの廊下
彩葉(あやは)「はあ...今日も疲れた〜」
友人A「彩葉、今日も授業中寝てたでしょ〜?」
彩葉(あやは)「もうっ、それは忘れるって話しでしょ~っ!」
彩葉(あやは)「...。そういえばさ、最近変な夢見るんだよね」
友人A「夢?どんな夢?」
彩葉(あやは)「うーん、なんかさ、裏山の神社あるじゃん。そこで古い焦げた本を拾う夢。怖いのに、気になって離せない感じ」
友人A「それって怖い話じゃん!気を付けなよ~?」
彩葉(あやは)「...。うん」
〇古びた神社
彩葉(あやは)「ここ...だ。やっぱりさびれてるなぁ...。夢で見たとおりだ、」
彩葉(あやは)「これって...?」
彩葉(あやは)「これ...夢の中のやつだ...」
彩葉(あやは)「...。捨てるのも怖いし、今日はこれ持ち帰ろう、」
〇女の子の部屋
彩葉(あやは)「はぁ...」
彩葉(あやは)「この本、読めない文字ばっかり...でも、なんか引き込まれる感じ...」
〇教室
彩葉(あやは)「はぁ...。結局、今日も授業集中でき無かった...」
私は教室の隅で、ぼんやりとしていると、ふと背後から気配がした
彩葉(あやは)「...あれ、え?陽香、陽香...だよね!?」
振り返ると、そこには思いがけず陽香の姿があった。
陽香(ひか)「...久しぶり、彩葉」
彩葉(あやは)「う、うそ...来たの!? 学校に!? ずっと休んでたから、もう...会えないかと...」
陽香(ひか)「陽が沈むまえに、少しだけ...逢いにきたの」
陽香は少し微笑みながら言った。
私はその言い方に思わず笑いそうになる。
彩葉(あやは)「なにその言い方、相変わらず詩人みたい...」
彩葉(あやは)「っていうか、元気だった!? 心配してたんだよ!?」
陽香(ひか)「体は...。まぁまぁ。でも、ここは...少し、ざわついてたから」
彩葉(あやは)「...ここ? 教室が、ざわつくの?」
陽香は視線を遠くに向けて言った。
陽香(ひか)「境目”が薄くなってる。あの日から。拾った、本、まだ持ってるでしょ?」
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