【第2話】漆黒の黎明と謎の二つ名(脚本)
〇教室
新学期の翌日。
俺の隣には、変なテンションの女子が
ずっと鎮座している。
しゅん(“世界の終焉”だの“観測者”だの・・・・・・もうツッコむ気力もない・・・・・・)
えま「よし、今日の私の称号は "漆黒の黎明"(ナイトブレイカー)に決定!」
しゅん「お前、毎日違うのかよ。 しかもルビ多すぎだろ」
すると、教室のドアがバン!と開く
???「おーい! しゅんー! クラス替えしてもちゃんといたかー!」
しゅん「お、ゆうや・・・助けてくれ・・・」
沢井ゆうや。俺の数少ない"普通"の友人。
明るくてお調子者。やたら失敗が多いが、憎めないやつ。
ゆうや「なーなー、この隣の子誰? 雰囲気すげーな!魔法陣から出てきた?」
えま「ふん、我が名は “漆黒の黎明(ナイトブレイカー)”。 この時空の守護者にして──」
しゅん「やめとけ。火に油を注ぐな」
ゆうや「いやー、いいじゃんいいじゃん! 俺そういうキャラめっちゃ好きだよ!」
えま「貴様、なかなか見どころがあるな。 ふふ、気に入ったぞ、地上の民!」
しゅん「地上の民て・・・」
教室後方の女子2人がひそひそと話している
???「えまちゃん・・・ 3年になってからキャラ変わった気がする・・・」
???「前は静かな子だったけど・・・」
そのふたり――
千代野るると、瀬野あさな。
えまとは1年の頃から同じクラスメイトだ
あさな「・・・・でもまぁ、面白いからアリかなぁ。 学校退屈だったし」
るる「わ、私は・・・・・・ 近づいたらなんか巻き込まれそうで怖いかも・・・」
えま「るる!!!!」
えま「今日は一緒に“時空警戒区域”の調査に行くよ!!!」
るる「ヒッ!!ヒィィィィーー!!」
こうして俺の周囲は
“現実離れしたテンション女子”が3人に増えた。
まったく。春はまだ始まったばかりだというのに・・・・