第1回つきの組卒業式

つきの

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第1回つきの組卒業式

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〇ファンタジーの学園
  これは、とあるゲームの中に実在するギルド「つきの組」の物語

〇ホール
  6月22日 日曜日
  天気 快晴
  
  本日、つきの組にて初めての卒業式が行われる

〇豪華な部屋
  そのため、つきの組ギルドルームでは数日前から準備に追われていたのだが、当日の朝もバタバタとメンバーたちが走り回っていた

〇豪華な部屋
つきの「みんな準備は順調かな〜」
  つきのは準備しているメンバーたちを見ながらニコニコしていた
つきの「この一致団結!的なまとまり感、見れるのホント嬉しいんだよね〜」
メンバーたち「つきのちゃん! 何してるの!! 早く着替えて!!」
つきの「ご、ごめ〜ん! すぐ着替えまーす!!」
  こうして準備は着々と進み、いよいよ卒業式開催時刻となった

〇ホール
メンバーたち「卒業生入場!」
  メンバーによる楽器演奏で厳かな曲が流れ、卒業生を出迎える
  この時点で、つきのや一部のメンバーの目には涙が浮かんでいた
  そして、大きな拍手の中、今回の卒業生であるAKが入場し、席に着席すると会場は静けさに包まれた

〇ホール
メンバーたち「開式の辞」
メンバーたち「ただ今より、第1回つきの組、卒業式を行います 一同、礼!」

〇ホール
メンバーたち「卒業証書授与」
  つきのはドレスの裾に気をつけながら、ゆっくり壇上へ上がった
  メンバーが卒業証書の入った箱を、そっと、つきのの前に置いた
メンバーたち「つきの組幹部及び四天王AK」
AK「はい!」
  名前を呼ばれたAKは、元気良く返事をすると、つきのが待つ壇上へ向かった
つきの「卒業証書 AK殿 あなたは本ギルドが定めた課程を卒業したことを証します」
つきの「2025年6月22日 つきの組ギルドマスター つきの 卒業おめでとう!」
  つきのは涙声になりながらも読み上げた卒業証書をAKに差し出し、その気持ちを受け止めるかのようにAKが卒業証書を受け取った

〇ホール
メンバーたち「ギルドマスター式辞」
メンバーたち「つきのさん、お願いします」
メンバーたち「つきのちゃん、がんばって!」
  壇上でホロホロ涙を流している、つきのを見てメンバーたちが励ます
  つきのは、うんうん、とうなずきながら、涙をぬぐった
つきの「式辞 AKさん、あなたが移籍してきてくれたのが3月 あなたを口説き落とすために、いっぱいメッセージを送り、」
つきの「つきの組の特徴や、ゆかいな仲間たちの良さ、そしてギルマスつきのの可愛さ(ぇ?)や素晴らしさ(ぉ〜ぃ!)を伝えて、」
つきの「あなたからOKの返事をもらい、花咲く野原で誓いのワルツを踊ったことが昨日のことのように思います」
つきの「あっという間の3ヵ月でしたね 移籍後すぐのリーグ戦では毎日、幹部として遅くまで戦略会議に参加してくれて」
つきの「個人でもアリーナや幻影、その他イベントで大活躍されて、メンバーたちを引っ張っていってくれたこと、本当に感謝しています」
つきの「AKさん、ありがとうね 引退前にステージ代理の宿題を課した、悪いギルマスつきのをお許しください おかげで3位まで浮上!笑」
つきの「引退までに、つきの組で幻影の表彰台を独占すると、あなたに約束した奇跡を起こせたことは、つきのの1番の宝物です」
つきの「本当にありがとう〜 現実世界に戻られても、あなたなら、どんな難題も乗り越えてゆけると信じています!」
つきの「いつか、クインの風語りで、つきの組が天下取ったぞ〜と流してもらうので、お楽しみに! これからも応援よろしくね!」
つきの「AKさん、卒業おめでとう! これからの、あなたの前途に良いこといっぱいやってきますように・・・」
つきの「そう祈りながら、わたし、ギルマスつきのの式辞とさせていただきます AKさん、ありがとう!」
  最後は笑顔で・・・と思いながらも、溢れる涙を止める術もなく、式辞を終えたつきのは壇上を降りた

〇ホール
メンバーたち「ギルメン代表 送辞」
メンバーたち「ヒムロさん、お願いします」
  名前を呼ばれてヒムロが壇上へ上がる
  AKの移籍前のギルド「野菜組」のギルマスで共につきの組に移籍してきてくれた、
  つきの組の幹部であり、四天王の1人でもあるヒムロがメンバーを代表して送辞を伝え始めた
ヒムロ「送辞 つきの組 卒業生 AK様 向夏の候、梅雨入り宣言はどこへやら、あっという間に真夏のような暑さになりました」
ヒムロ「本日、卒業を迎えるAKさんに、僭越ながら、思い出の振り返りと感謝の言葉を贈らせていただきます」
ヒムロ「AKさんと出会ったのは、前のギルド、野菜生活の時でした。明らかに戦力以上に結果を出し、ステージの進みも速く、」
ヒムロ「あまり話したことが無い頃から、この人は絶対頭良い、絶対すごい人だと勝手に注目していました」
ヒムロ「成り行きで私がギルマスを引き継いだ後は、最も頼れるギルメンの1人として、長く一緒に戦っていただくこととなりました」
ヒムロ「私がギルマスになって初めてのギルドリーグ、どうやって進めていくのが良いか考えた時、作戦なら絶対にAKさんだと思いました」
ヒムロ「当時ギルマスとサブマスという立場ではあったものの、まだ挨拶程度の軽い会話しかしたことのない間柄で、」
ヒムロ「負担の大きい参謀役をお願いしてよいものか、あまり交流が好きでない方だったらどうしようかと思いながら、」
ヒムロ「恐る恐る打診をしてみると、とても紳士的で優しい方で、快く依頼を引き受けてくれました」
ヒムロ「自分がリスペクトしていたプレイヤーと、一緒に作戦を考えながらプレイできるようになったことは、」
ヒムロ「私にとって本当に嬉しいことでした。思い出すと胸が熱くなります」
ヒムロ「その後あなたは悩めるギルマスに的確な助言を与え、心の支えとなり、時には深夜遅くまで同盟ギルドとの交渉役という大役をこなし」
ヒムロ「ギルマス不在の時には細やかな調整を行い、編成を磨いて勝利を重ね、遥かに格上のギルドがひしめく中、」
ヒムロ「最終戦ではグローリー2位、総合でもエリア内3位という素晴らしい結果をギルドにもたらしてくれました」
ヒムロ「1ヶ月連続という長く大変な期間でしたが、二人三脚で奮闘した、最高に熱くて楽しい時間でもありました」
ヒムロ「つきの組に移籍後は、ますます実力を発揮され、ギルドに多大な恩恵をもたらしてくれました」
ヒムロ「特に今シーズンの活躍は凄まじく、仕様の変更により私を含め多くのプレイヤーの心が折られていく中、」
ヒムロ「持ち前の正確かつ迅速な判断力と決断力、指先の技術、やり通す精神力を遺憾なく発揮して、常に最前線を走り続け、」
ヒムロ「あらゆるモードでトップクラスの結果を叩き出しました あの戦力であれだけの結果を出せた人は、」
ヒムロ「おそらく他に誰もいなかったでしょう サーバー内、エリア内を含めても、間違いなく最も活躍したプレイヤーだったと思っています」
ヒムロ「そんな方と今まで一緒にプレイできたこと、熱い時間を共有できたこと、本当に嬉しく、そして誇らしく思います」
ヒムロ「これまでも今も、おそらくこれからも、AKさんは私が最もリスペクトするプレイヤーです」
ヒムロ「長いような、あっという間のような、そんな時間でしたが、今まで本当にお世話になり、ありがとうございました」
ヒムロ「最後に、今後のあらゆる場面でのAKさんのご活躍をお祈りし、送辞とさせていただきます」
ヒムロ「つきの組ギルメン代表 元野菜生活ギルマス ヒムロ」
ヒムロ「〜追伸〜 AKさん、今まで一緒に仲良くプレイしてくれて、本当に本当にありがとうございました!」
ヒムロ「卒業はとても寂しいですが、もう今までの感謝の気持ちでいっぱいです」
ヒムロ「これからお忙しくなるようですが、無理はなさらず、お身体には気をつけてくださいね」
ヒムロ「そして、また気が向いたらいつでも戻ってきてください! お待ちしてます!! 親愛なる友人ヒムロより」
  送辞を伝え終えたヒムロは、笑顔で元気良くAKに向かって手を振りながら壇上を後にした

〇ホール
メンバーたち「四天王代表 送辞」
メンバーたち「アルビノさん、お願いします」
  名前を呼ばれたアルビノは今にも泣き出しそうな表情を浮かべ、壇上に向かった
アルビノ「送辞 tukino& ! には、以前からAKさんを知る人も少なくなく、」
アルビノ「常に前線に立つAKさんは、大きな壁であり、師であり目標のような存在だったかと思います 私もその中の1人です」
アルビノ「ランキングに載った時は祝い合ったり、編成や育成の相談に乗ってもらったこともありました 全てが輝かしい思い出です」
アルビノ「AKさんと共に戦い高め合えたことを心から誇りに思い、嬉しく思います」
アルビノ「これまで本当にお世話になりました 心の底から感謝しています」
アルビノ「今後ともお身体に気をつけ日々邁進していって欲しいです 一層の活躍とご多幸を祈願しまして送辞の言葉とさせて頂きます」
アルビノ「つきの組四天王代表 元野菜組メンバー アルビノ」
  最後まで涙をこらえて送辞を伝え終わり壇上を降りたアルビノは、つきのと目が合った瞬間、頬を涙が濡らし、
  つきのの胸で声を押し殺して泣いた
  そんなアルビノにメンバーたちもハンカチを差し出したり優しく声をかけた

〇ホール
メンバーたち「卒業生 答辞」
メンバーたち「AKさん、お願いします」
AK「はい!」
  会場に響き渡る返事をしたAKは、メンバーが見守る中、ゆっくりと壇上に上がっていった
AK「お疲れ様です、AKです 多忙の為、本日をもってギルド脱退、引退することにしました」
AK「皆さんが積極的にイベントに取り組んでいて、自分もモチベがあがり、チャットも毎日のように賑わっていて、」
AK「とても楽しくて居心地が良くて、このギルドに来てよかった!と心から思ってます! 短い間でしたが、ありがとうございました!!」
  笑顔で両腕をブンブン振り上げながら、メンバーたちに壇上から手を振るAKに、メンバーたちも涙ながらの笑顔で拍手をした
つきの「工エエェェ(´д`)ェェエエ工 そんだけ〜?? もう最後なんだから、もっと、もっとさ・・・」
つきの「AKさんの言葉、いっぱい聴かせてよ〜 でないと、また代理やらせるよ〜! (´•̥ ω •̥` )」
AK「つきのさん、ありがとう みんなも、ありがとう これ以上は・・・自分も言葉にできそうにない笑」
  そんな2人のやり取りを見て、どっと会場が笑いに包まれると、メンバーたちはそれぞれの送辞をAKに伝え、みんなで笑い泣きした

〇ホール
メンバーたち「閉式の辞」
メンバーたち「これにて第1回つきの組卒業式を終わります 一同、礼!」
  練習したわけでもないのに、ピシッとメンバー全員の礼が綺麗に揃ったのを見た、つきのは
つきの「AKさんも、みんなも、みんな、最高に最強にゆかいな仲間たちだよ〜!!」
  泣き叫びながら高く右腕を上げた
  それに応えるかのように、メンバーみんなが歓声をあげて右腕を上げた
  もちろんAKも・・・

〇豪華な部屋
つきの「AKさん、卒業おめでとう! つきの組の卒業式はどうだったかな 突然、思いついてしまったので、開催が遅れてごめんなさい」
つきの「メンバーのみんな 卒業式参加ありがとう ホントは1人1人寄せ書きみたいに言葉もらって参加してもらいたかったのだけど」
つきの「この仕様の式を思いついたのが昨日の午後でして・・・ 全員分のキャラ作る時間もなくて・・・ ホントにごめんね」
つきの「ギルド抜けられた後も数日はインされてるそうなので、AKさんを捕まえて、ヘクト神殿に幽閉・・・」
つきの「ではなく、個々に送辞を送ってあげてください笑 みんなでAKさんを笑顔で見送ってあげてね つきのも泣かないように頑張る!」
つきの「これから、もし、もしも引退すると決めた時は、ちゃんと、つきのに教えてね 共に楽しく遊んできた仲間なので、盛大に見送りたい」
つきの「きっと、みんなもおんなじ気持ちだと思うから これを機に、つきのと約束してね」
つきの「みんな、いつもありがとう! これからも頼りなさでは一級品の ギルマスつきのと、 つきの組をどうぞ、よろしゅう〜」
つきの「最後になりますが AKさん、お疲れさまでした ありがとう 元気でね 卒業おめでとう!」
  おしまい!笑

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