第5話「死神の鎌・後編」(脚本)
〇宇宙空間
第5話
「死神の鎌・後編」
〇塔のある都市外観
シャイラ星人
いわゆるヒューマノイドタイプの宇宙人であり
人間と変わらない姿、生態、そして文化を持つ
〇炎
ただ、地球人と違う点が3つ。
一つは、戦闘時に
身長25m近くある宇宙怪獣
スティンガンに変身する能力。
〇渋谷のスクランブル交差点
もう一つは、女性の持つ異常な”愛の重さ”
浮気はまず起こらないし、
愛する人のためなら手段を選ばず、
戦争も辞さないという。
そして最後の一つは・・・
既に滅ぼされた種族であるという事。
そう、シャイラ星人という種族は絶滅種。
もう宇宙のどこにもいない・・・
・・・はずだった。
〇明るいリビング
ルーナ・アルテミア「・・・とどのつまり、怪獣に変身できるヤンデレな女の子ばかりの星って事ねぇ」
榊翔太(サカキ・ショータ)「いや言い方・・・」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・まてよ?滅ぼされた?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「もしかしてシャイラ星人って、その危険性から銀河文明連盟に滅ぼされたとか、そういう・・・」
ルーナ・アルテミア「いいえ?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「えっ、でも・・・・・・」
ルーナ・アルテミア「・・・翔太くん」
ルーナ・アルテミア「・・・そんな危険な種族でも ”ああそんな事か”で片付けられる程の世界が、宇宙というものなのよぉ」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・凄まじい世界なんだね」
ルーナ・アルテミア「それにその理屈なら、地球人が真っ先に滅ぼされてないとおかしいわぁ♪」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・・・・耳が痛いぜ」
ルーナ・アルテミア「・・・・・・」
ルーナ・アルテミア「・・・・・・」
ルーナ・アルテミア「・・・・・彼らを滅ぼしたのは、 不快獣よぉ」
榊翔太(サカキ・ショータ)「なんだって!?」
ルーナ・アルテミア「しかも、ただの不快獣じゃないわぁ」
〇宇宙空間
──不快獣は
文明が一定水準に達すると
それを滅ぼすために発生する
当然、その中には不快獣に勝てず
または連盟の支援が間に合わず
滅ぼされた文明もある。
そして────
文明を滅ぼし、
代わりに宇宙に進出した
不快獣達がいた。
宇宙を渡り歩き、
他の文明まで手をかけ、滅ぼす。
そんなより強力な不快獣・・・
言うなれば────”超”不快獣が。
〇学校の校舎
〇教室
榊翔太(サカキ・ショータ)(・・・シャイラ星人、オレが手も足も出ない相手を倒す程強い宇宙人)
榊翔太(サカキ・ショータ)(そして、それすら滅ぼす超不快獣・・・)
榊翔太(サカキ・ショータ)(もしそいつらが向かってきたら・・・ そんな奴等相手に、オレは勝てるのか?)
男子「おいショータ、何難しい顔してんだよ?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「ん?ああ、ちょっとな」
男子「そんな事より今日は体験の日だぜ!」
榊翔太(サカキ・ショータ)「あー・・・・・・そーいや今日か」
説明しよう!
近隣の女子中学から社会体験として
女子中生達がやってくるのだ!
男子「中学生のお姉さん達のカラダ・・・ ・・・ぐへへへへ」
榊翔太(サカキ・ショータ)「ホドホドにしとけよ? 結託した女子にカンニングでっち上げられても知らねーぞ?」
〇教室
先生「社会見学として、皆様と過ごすXX女子中学の生徒さん達です どうぞー」
男子「ムホホ!今年も上玉ですなあ!」
男子「特に真ん中のオネーサン! 見てよあのやわからそーなムネ!」
榊翔太(サカキ・ショータ)「エロガキ通り越してオッサンになってんぞおめー・・・」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・ん?」
〇レンタルショップの店内
〇教室
榊翔太(サカキ・ショータ)(・・・・・・あっ)
榊翔太(サカキ・ショータ)(あの時タナカ電機にいた人だ この近くに住んでたんだ・・・)
蒼井リサ「・・・・・・」
JC「リサちゃん、どうかした?」
蒼井リサ「ううん、なんでもないよ」
蒼井リサ「・・・・・・・・・」
蒼井リサ(・・・・・・見つけた)
〇学校の校舎
〇明るい廊下
榊翔太(サカキ・ショータ)(ダチはずーっと社会見学のお姉さんにべったりだし、一人で暇だな)
榊翔太(サカキ・ショータ)(お昼休み、どう過ごすか・・・)
榊翔太(サカキ・ショータ)「──────────────!?!?!?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・あ」
蒼井リサ「こんにちは」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・ど、どうも」
榊翔太(サカキ・ショータ)(なんだったんだ今の殺気は・・・?)
蒼井リサ「私リサ、蒼井(あおい)リサって言うの」
蒼井リサ「・・・榊翔太くんだよね?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「あ・・・はい」
蒼井リサ「ちょっと話があるの、ついてきてくれる?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「え、ええ、いいですよ」
〇体育館裏
榊翔太(サカキ・ショータ)(・・・こんな人気のない所に連れてきて 何の話なんだろ?)
蒼井リサ「・・・・・・君さ」
蒼井リサ「先週の日曜日、タナカ電機にいたでしょ?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「あ・・・はい、ホイット2買いに来てたんです」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・買えませんでしたけど」
蒼井リサ「あたしも来てたんだ、大変だったよね 変な怪物も現れるしさー」
榊翔太(サカキ・ショータ)「ほんとですよね、ははは」
蒼井リサ「ホント大変だったよね!なんせ────」
蒼井リサ「───ビームソード、 効かなかったんだもんね?」
榊翔太(サカキ・ショータ)「──────!?!?」
蒼井リサ「機体も動かなくなっちゃうし、大変だったよね」
蒼井リサ「・・・・・君なんでしょ? レイセイバーのパイロット」
榊翔太(サカキ・ショータ)「なっ、なんで知って・・・」
蒼井リサ「知ってるよー、だって・・・・・・」
〇大きいデパート
〇体育館裏
蒼井リサ「・・・・あの不快獣倒したの あたしだし♪」
榊翔太(サカキ・ショータ)「え・・・・まさか!?!?」
蒼井リサ「そ、あの怪獣はあたし」
蒼井リサ「本名リサ・ソレイユ、表向きは絶滅したシャイラ星人の生き残り」
蒼井リサ「一緒にいる連盟の人から聞いてるでしょ? そーゆー事」
榊翔太(サカキ・ショータ)「そ・・・そのシャイラ星人がオレに何の用だッ!?!?」
蒼井リサ「まあ、そうカッカしないの」
蒼井リサ「あたしはね、単にご近所さんとしての ご挨拶をしに来ただけよ」
榊翔太(サカキ・ショータ)「挨拶・・・?」
蒼井リサ「あたし達は、別に君達と敵対するつもりはないし、邪魔をしようというつもりもない」
蒼井リサ「そしてあたし達は、君達に危害を加えられない限りは敵意を見せるつもりはない それだけを言いに来たの」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・敵じゃない、って言いたいのか?」
蒼井リサ「味方でもないけどね、あはは!」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・」
蒼井リサ「・・・・・・でも」
蒼井リサ「もーし君が、正義感拗らせたりして あたしと・・・特にお兄ちゃんを少しでも傷つけようとしたら、その時は────」
榊翔太(サカキ・ショータ)「!!!!!!!!!!」
蒼井リサ「────とことん苦しめて殺してやる」
蒼井リサ「・・・ま、そういうワケだから よいご近所関係を結ぼうじゃない」
蒼井リサ「じゃあね〜」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・」
榊翔太(サカキ・ショータ)(・・・・ナイフを抜くのに気づかなかった)
榊翔太(サカキ・ショータ)(気がついたら、首元に刃を突きつけられていた・・・)
榊翔太(サカキ・ショータ)(もし本気で殺しにかかられたら、 オレは・・・・・・)
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・」
榊翔太(サカキ・ショータ)「・・・・・・ヤツは、強い!」
〇空
「もっと・・・強くならねーと!」
次回へ続く