第11話『必要とされる者』(脚本)
〇魔界
大帝「私の妃になれば、後悔も不自由もさせないぞ」
ユーリ「お前、自分で何言ってるのか分かってるのか」
シャルティア「そうよ! ユーリは私のフィアンセなんだから!」
大帝「美しいものに男や女など関係ない」
ユーリ「少しかっこいい事言ってんじゃねえ!」
シャルティア「絶対に許さないから」
大帝「ならば、仕方あるまい」
「ちっ」
↑ ↑ ↑
ユーリが大帝の誘いに乗らず
少し残念に思ってるけど口に出来ない人たち
大帝「お前たちにはここで消えてもらおう」
ユーリ「どうせ、こんなことになるとは思ってたぜ」
ユーリ「結局最後は実力行使だ」
大帝「ほう、やれるもんなら、やってみるがいい」
ユーリ「言われなくても」
ユーリ「でやああああ」
シャルティア「塞がれた!?」
ユーリ「まだまだ」
ユーリ「また塞がれた」
シャルティア「魔法ならどう?」
大帝「残念だったな」
大帝「この大帝の力を舐めてもらっては困る」
ユーリ「魔法も効かないのか」
大帝「ハハハハハ」
大帝「貴様らに勝機はない」
大帝「では、私の番だ」
ユーリ「くっ」
シャルティア「やはり、強い」
上杉「まだ、私たちがいるわ」
伊藤 「そうです」
上杉「てやああああ」
伊藤 「てい!」
大帝「無駄だ」
アストピア「私も」
伊藤 「やはり、強い」
アストピア「このままじゃ負けちゃう」
ユーリ「力が出ない」
シャルティア「魔法が使えない」
大帝「お前たちの能力を封じさせてもらった」
大帝「諦めろ、お前たちの負けだ」
〇洋館の廊下
ユーリたちがピンチの頃
オタクたちは・・・・・・
岩本「どうしよう、ピンチみたいだ」
石井「そうですね」
大帝のいる部屋に入るタイミングを
完全に逃していた
家来「身内の方がピンチみたいですけど 助けに行かないんですか?」
石井「いや、我々が行ったところで 何も役に立てませんから」
岩本「その通り」
家来「最低だ、この人たち」
岩本「えっ!? 今最低って言いました!?」
家来「言いましたけど どう見てもクズじゃないですか」
石井「まさか、敵側に言われるなんて」
家来「普通、助けに行きますよ」
岩本「我々無力ですし」
家来「そんなダサいこと言ってるから 女性にモテないんですよ」
岩本「くはっ!」
石井「我々は足手まといですし」
家来「そんなクズな考えだから 元の世界に戻れないんじゃないんですか?」
石井「ぐはっ!」
家来「どうせ、そうやって都合が悪くなったら 逃げる人生を送ってきたんでしょうね」
〇魔界
大帝「それでは、全員まとめて 私の妃になってもらおうか」
ユーリ「断る!」
シャルティア「お断りよ!」
上杉「そうだそうだ!」
伊藤 「この展開、エッチすぎる」
大帝「なら、トドメを刺してやろう」
ユーリ「くっ! ここまでか」
「ちょっと待った!」
大帝「何者だ」
ユーリ「この声はまさか!?」
岩本「僕は異種◯には興味ないんだ!」
ユーリ「何言ってんだ?」
石井「その通り、ユーリさんは シャルさんのフィアンセです!」
村田「その通りです! NTRには興味ない!」
山田「2人には挙式を上げてもらいたいんだ!」
ユーリ「お前達、見直したぜ」
シャルティア「みんな、信じてたよ」
上杉「やるじゃない すっかり忘れてたわ」
山田「出てきて良かった」
村田「危うく忘れ去られるところだった」
大帝「貴様達が出てきたところで 何も変わらないがな」
村田「バレてる」
大帝「まあ、いい」
大帝「それよりも・・・・・・」
大帝「お前達、未練があるようだな?」
村田「未練?」
山田「そんなものはない!」
村田「そうだそうだ!」
石井「我々に未練などない!」
佐々木「我々には帰る場所も 親に合わせる顔すらないんだ!」
大帝「・・・・・・嘘だな」
大帝「ベットの下、クローゼットの中 本棚の奥の隙間、机の引き出し」
大帝「そこに何か隠しているな?」
「!?」
〇汚い一人部屋
パソコンの中身
ベッドの下
本棚の隙間
机の引き出しの奥
スマホの閲覧履歴
〇魔界
石井「なぜ、それを知ってるんです!?」
村田「それ以上はいけない!」
北川「やましいものなんて隠してませんよ」
大帝「安心しろ」
大帝「それを晒すようなことはしない」
村田「ほっ」
北川「良かった」
大帝「貴様達が隠したがっているものを 消し去りたくはないか?」
「えっ!?」
大帝「私であれば、貴様達のその不安を 全て消し去ってやることができる」
大帝「親に内緒で隠してある成人向け書籍」
「くっ!?」
大帝「コンカフェ嬢やオタサーの姫への 痛いダイレクトメール」
「くっ」
大帝「黒歴史ノート、裏垢でのイキリ発言集」
「くはっ」
大帝「まさに”負の遺産”」
大帝「私であれば、貴様達が向こうで残してきた 負の遺産を全て無かったことにしてやる」
村田「それは本当ですか!?」
いのうえ「も、目的はなんだ!」
大帝「私の部下になれ」
大帝「お前達は同人誌を作れるらしいな」
大帝「その影響力、創造性、経済性を考えれば 必要なのだ」
いのうえ「俺たちが」
岩本「必要?」
村田「そ、そんな・・・・・・ これまで邪魔者扱いされてきたのに」
いのうえ「学校では虫以下」
岩本「社会ではゴミ以下」
村田「この世界では腫れ物扱い」
いのうえ「こんな我々を 必要としてくれてる人がいたなんて」
岩本「なぜか、目から涙が溢れてくる」
村田「なぜでしょうか」
大帝「待遇も良くしよう」
大帝「完全週休2日制 年間休日130日以上 有給休暇は20日以上」
北川「そんなに休んでいいんですか!?」
大帝「1日の平均労働時間は6時間 昼休憩1時間以外にも休憩を認めよう」
山田「労働時間がそれだけ!?」
大帝「無論残業代は1分単位で支給 ボーナスは売り上げに応じて支給」
大帝「どうだ? 悪くないだろう?」
佐々木「好条件すぎます」
石井「そんなに貰っていいんですか?」
大帝「当然だ、貴様達には それだけの価値がある」
「大帝」
シャルティア「なんか、みんなの心揺らいでない?」
上杉「なんで、基準が日本の労働基準なのよ」
ユーリ「大丈夫だ」
ユーリ「長い間の付き合いだからな」
シャルティア「そうだね」
上杉「信じましょう」
大帝「さあ、答えを聞こうか」
石井「見損なわないでほしい」
岩本「その通り」
シャルティア「みんな」
ユーリ「信じてたぜ」
上杉「見直したわ」
石井「我々にだって必要としてくれる人が・・・・・・」
石井「いるのか?」
岩本「僕らにだって守りたいもの・・・・・・」
岩本「あったっけ?」
〇教室の教壇
ギャル木原「じゃあ、学園祭の役割分担を発表しまーす」
ギャル木原「以上でーす」
石井「き、きはらさん」
ギャル木原「なに? 岩井くん」
石井「僕の役割決まってないんですが」
ギャル木原「ごめーん 岩井くんの役割忘れてた」
ギャル木原「やることないから、当日休んで良いよ」
石井「やったあああ」
石井「あれ?」
〇教室
不良生徒「チクショー、ムシャクシャするなぁ」
いのうえ(やっば、こっち見てる)
いのうえ(絶対いつもみたいに 肩パンしてくるつもりだ)
不良生徒「何見てんだ! いのうえ!」
いのうえ「あ、いや」
不良生徒「てめえ、肩パ・・・・・・」
不良生徒「肩パンする価値もねえわ」
不良生徒「じゃあな」
いのうえ「・・・・・・」
〇教室
北川「家で1人ゆっくり過ごせて 良い日曜日だったぜ」
柳「ねえねえ 日曜日の”クラス会”楽しかったね」
白井「うん、凄い楽しかった」
北川「クラス会? 前の学年のクラスのことかな」
柳「今のクラス、本当仲良いよね」
白井「”みんな”誘ったら来たもんね!」
北川「えっ?」
柳「あっ」
柳「やばっ! 北川に聞かれちゃったかも」
白井「せっかく内緒にしてたのに」
柳「あっち行こう」
北川「・・・・・・」
〇教室
村田「今日は僕の誕生日だ」
村田「誰か祝ってくれないかな」
皆川「ねえねえ 村田君」
村田「は、はい」
皆川「誕生日のことなんだけど」
村田「ま、まさか!?」
皆川「今日、高橋君が誕生日なの」
皆川「だから、クラスのみんなで サプライズでお祝いするから 一緒に『おめでとう』って言ってね」
村田「は、はい」
〇学校の校舎
山田「・・・・・・ん?」
山田「誰も登校してない?」
教師「どうした!? 山田!」
山田「他の生徒がいないですね」
教師「お前、今日臨時休校だぞ」
教師「連絡いかなったのか?」
山田「えっ?」
教師「えっ?」
〇家の廊下
岩本「さて、今日も仕事探すフリして 遊ぶでござる」
「あの子、いつになったら 働いてくれるのかしら」
「大丈夫、あいつだって 分かってくれるさ」
「そう言って働かないで もう何年経つのよ!」
「お、落ち着けって!」
「誰があんなろくでなしを 雇ってくれるのよ!」
「そんな本当のことを言って あいつに聞かれたらどうするんだ!」
岩本「・・・・・・」
岩本「ネトゲーするか」
〇魔界
石井「僕らなんて必要とされてないんだ」
北川「どうせ、ろくでもない扱いしかされないんだ」
山田「存在を認めさせてやる!」
大帝「どうやら、決まったようだな」
「大帝! 大帝!」
「大帝! 大帝!」
「大帝! 大帝!」
大帝「では、まずはそこの反逆者たちを 牢屋に捕えろ」
「御意」
ユーリ「お前ら、人として恥ずかしくないのか」
岩本「こちとら、生まれた時から 恥ずかしい人生送ってきたんじゃい」
上杉「最低よ!」
石井「今更、最低と言われても 我々には効きませんよ」
石井「大帝様への反逆者ども さっさとこっちに来い!」
「こいつらぁぁ」


