第7話 スーパーキュート神社ボーイ(脚本)
〇和風
鳥居のそばでキスをして
第7話 スーパーキュート神社ボーイ
〇神社の本殿
みかん「あぁっ! 境内の掃き掃除、忘れてた!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「さっき、やっておきました」
松尾のじいちゃん「なぁ、あれ、あの、あれや! どこやったっけ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「右下の棚に」
みかん「のあのあ先輩、1ヶ月と思えぬ成長ぶり」
松尾のじいちゃん「ほんまやで。もうベテランの貫禄やん」
英田 乃亜(あいだ のあ)「いえ、そんな」
参拝客「〈すいませーん〉」
参拝客「〈これください〉」
英田 乃亜(あいだ のあ)「〈ありがとうございます、800円です〉」
参拝客「〈待って、もしかして「英語ペラペラ神社ボーイ」!?〉」
参拝客「〈ほんとだ! 一緒に写真撮ってー!〉」
英田 乃亜(あいだ のあ)「〈い、いいですよ〉」
参拝客「〈やったー! てか本物・・・かわいすぎる〉」
参拝客「〈あの、お仕事いつ終わりますかっ!?〉」
英田 乃亜(あいだ のあ)「へっ」
参拝客「〈一緒にご飯どうですか!?〉」
英田 乃亜(あいだ のあ)「〈えーっと・・・〉」
荒木 煌一(あらき こういち)「ソーリー! ヒー・イズ・ビジー」
英田 乃亜(あいだ のあ)「コウイチ!?」
荒木 煌一(あらき こういち)「エンジョイ・ユア・トリップ、センキュー!」
参拝客「それじゃ・・・」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あ、ありがとう」
荒木 煌一(あらき こういち)「えらい、盛り上がってたやん」
みかん「のあのあ先輩、有名ですもんね〜」
荒木 煌一(あらき こういち)「どーゆーこと?」
みかん「荒木先輩知らんのですか!?」
みかん「「英語ペラペラ神社ボーイ」って、全世界のSNSでトレンドワード入りですよ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「全世界って、大げさな」
松尾のじいちゃん「わしも知っとる、バズってるんやろ」
荒木 煌一(あらき こういち)「ちょ、見せてみい!」
煌一がみかんのスマホを覗き込む。
僕の観光案内を気に入ってくれた海外からの参拝客が、
僕の写真とともに載せた投稿がSNS上で少し話題になっているらしく・・・
荒木 煌一(あらき こういち)「この写真の乃亜、えらいよー写ってるなぁ」
荒木 煌一(あらき こういち)「て! なんやこれ、めっちゃいいねついてるやん!」
みかん「もうのあのあ先輩は、うちらだけのもんちゃうんですよぉ〜」
英田 乃亜(あいだ のあ)「僕は誰のものでもないけど」
荒木 煌一(あらき こういち)「ちょお待って、このコメント」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ん?」
僕もスマホ画面を覗き込む。
煌一が大げさに震わせた指で差している箇所、
なんだか見覚えのあるアイコンだな・・・
英田 乃亜(あいだ のあ)「ハオラン!?」
荒木 煌一(あらき こういち)「はおらん!?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「前の学校の、友達」
荒木 煌一(あらき こういち)「「スーパーキュート」って書いてあるけどぉ!?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はは、ハオランたら」
荒木 煌一(あらき こういち)「誰やねんそいつぅ・・・」
まさか、見てくれている友人がいるなんて。
英田 乃亜(あいだ のあ)「・・・連絡してみようかな」
荒木 煌一(あらき こういち)「ええぇ!?」
みかん「荒木先輩、リアクション芸人すぎるんですけど」
煌一の母「煌一! やっぱりここやん」
煌一の母「はよ戻り。先生待ってはるで」
荒木 煌一(あらき こういち)「せやった! ノア、またな!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「先生?」
松尾のじいちゃん「踊りのお稽古や。11月に、お祭りあるやろ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あぁ、これ・・・」
社務所の壁に、神社の秋祭りの告知が貼られている。
有名なお祭りらしく、観光客もたくさんやって来るらしい。
松尾のじいちゃん「そこで、煌ぼんが踊るんやで。狐のお面つけてなぁ」
みかん「へー! あれ、今年は荒木先輩がやるんや」
松尾のじいちゃん「これから、わしらも準備で忙しなるでぇ」
煌一も、これから忙しくなるのだろうか。
一抹の寂しさを覚えながら、僕は業務に戻った。
〇一戸建て
〇男の子の一人部屋
ハオラン「おっ、神社ボーイ!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「誰が「スーパーキュート」だって?」
神社でのアルバイトのあと、僕はハオランに連絡をしてみた。
思えば、自分から昔の友人に連絡するのは、初めてかもな。
ハオラン「あれな! SNSで写真回ってきて、ノアじゃんってなってさ」
ハオラン「クラス中で盛り上がったわ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ほんとに?」
離れたら終わりだと思ってた。
でも、こうやって繋がることもできるのか・・・
英田 乃亜(あいだ のあ)「そっちは今、ランチタイム?」
ハオラン「あぁ。アレックスと中華食べに行く予定なのに、まだ迎えに来ない」
英田 乃亜(あいだ のあ)「アレックス! 彼も元気?」
ハオラン「元気すぎ。先週、付き合って2年と3ヶ月記念日忘れててブチギレられた」
英田 乃亜(あいだ のあ)「それは細かすぎるでしょ」
懐かしい思い出が蘇ってくる。
離れた場所のことなんて、と思っていたけど
案外、楽しかった思い出になってるのかも・・・
ハオラン「で、ノアは? 日本でいい人いた?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「え」
ハオラン「おっ! それはいる顔じゃん!?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ち、違う。そういうんじゃないけど」
ハオラン「どんな人!?」
もちろん僕の頭には、煌一のいたずらっぽい笑顔が浮かんでいた。
英田 乃亜(あいだ のあ)「仲良くしてくれてる人はいるけど・・・そういうのじゃない」
英田 乃亜(あいだ のあ)「面倒見のいい人だからさ、誰に対しても」
ハオラン「ふーん。2人で遊んだりしないの?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「それは・・・」
学校の行き帰り、休み時間。
煌一は何かと声をかけてくれるけれど、だいたい他の友人も一緒だ。
思えば2人でどこかへ出かけたのは、この前の京都観光くらいかもしれない。
英田 乃亜(あいだ のあ)「いつも誰かに囲まれてるから、その人」
ハオラン「人気者じゃん! ノア、チャレンジャーだな」
英田 乃亜(あいだ のあ)「だからそういうんじゃないって! まだ」
ハオラン「まだぁ?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はぁ。ハオランの揚げ足取りは健在だね」
ハオラン「ちょっとでも気になるなら誘ってけよー」
ハオラン「フツーに友達としても、仲良くなれればいいだろ?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「や、でも、最近忙しそうだし」
ハオラン「「スーパーキュートボーイ」のためなら、時間作ってくれるって」
英田 乃亜(あいだ のあ)「それ、もういいから」
ハオラン「あっ、アイツ! 窓に石投げんなって言ってんのに」
ハオラン「今行くー!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「楽しんで」
ハオラン「ノアも、今度進捗聞くからな。じゃあ!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「進捗って・・・」
英田 乃亜(あいだ のあ)「・・・・・・」
乃亜:この前、案内が上手くできなかった観光地があって。
乃亜:一緒に行かない?
英田 乃亜(あいだ のあ)「送信・・・」
英田 乃亜(あいだ のあ)「・・・言い訳っぽかったかな」
乃亜:やっぱり、忙しいだろうから今度に
英田 乃亜(あいだ のあ)「!」
煌一:いつ行く!? どこ行く!?
英田 乃亜(あいだ のあ)「へ・・・」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はは・・・」
英田 乃亜(あいだ のあ)「もうほんと、即行動だなぁ・・・」
コウイチに対しては、うじうじと悩んでいるのがバカらしくなる。
僕はスマホを手に取り、ある場所の名前を打ち込んだ──
世界観やキャラに魅力があって素敵ですよね✨☺️
乃亜の引っ込み思案なところや、煌一のまっすぐなところ、、、良いですよねー✨2人がデートしてるところずっと見ていたいですね✨🥰
いよいよデート!次回も楽しみにしております💖🥰
第7話読みました。
SNSによって乃亜くん大バズりですね。🥳
海外の友人ハオランにも認知されて、僕も乃亜くんを応援したくなりますな。
乃亜くんは何処に行こうとしているのか。続きが楽しみです!