しぶやの秘密

ヒロシ

皆さんは渋谷の秘密を知っていますか?(脚本)

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〇時計
僕「僕は福岡から上京してきた23歳だ」
  よくテレビや雑誌で取り上げられている渋谷のスクランブル交差点に来てみた。

〇SHIBUYA109
「うわー、なんて人が多いんだろう。実際に来てみると凄いヒト、ヒト、ヒト」
「電車も井の頭線、東急東横線、東急田園都市線、山手線。もう何がなんだか訳がわからない」
  信号が青になった。四方八方から人が押し寄せてくる。
  前方から歩いてくるオジサンが迫ってきた。
  あ!危ない! 激しく衝突してしまった。

〇黒
  その後の記憶が無い、、、、、

〇渋谷のスクランブル交差点
  気がつくと、もやーっとした誰もいない交差点に立っていた。
  ここはどこ?確か、スクランブル交差点のはず。
  さっきぶつかってきた、オジサンがこっちに向かって来た。
オジサン「ほう、あんたかね さっき、人が多いだの 路線がいっぱいあるだの訳わからんことを言っていたのは」
僕「ぶつかってきたのに謝らないんだ。ま、いっか」
「渋谷は穏田川と宇田川の二つの川の合流地点なんだよ。 地名が表すように「谷」になっていろんなものが流れ込んでいるだな」
「人が多いのはそのせいかもな?」
僕「んな、訳ないだろ」
オジサン「風水的には渋谷は良くない土地だが、ヒトが集まり、ヒトが持っている「気」が行き交う、パワースポットを生み出しているのさ」
僕「よくわからないが、なんかわかる気がしてきた。 というか、なんでこんな話しをするんだ?」
オジサン「面白い話がある」
オジサン「井の頭線はかつて小田急電鉄の路線だったのさ」
オジサン「昭和初期の「大東急時代」を経て、戦後になって小田急、京王、京浜急行などが独立したことにある」
オジサン「小田急が大東急に合併・独立したとき、井の頭線は京王帝都電鉄、今の京王電鉄の路線になったのさ」
オジサン「もともとは、井の頭線は独立した会社の路線だった。当時の会社名は帝都電鉄という」
僕「だから、京王帝都電鉄だったのか。 しかし、長いな~ けど、そんな歴史があったとは」
オジサン「ほう興味を持ってくれたようだね。渋谷好きな私にとっては嬉しい限りだ。 もっと面白い話しをしよう」
オジサン「渋谷センター街の入口に大盛堂書店があるが、この本屋は日本で初めての建物全てを使用した本のデパートなんだよ」
僕「へー 本のデパートと言っても小さいなあ」
オジサン「第2次世界大戦の時に、パラオ諸島アンガウル戦に参加した舩坂(ふなさか)弘が作ったのだよ。当時23歳で出兵したんだね」
オジサン「一方的な米軍の戦いで、弘は負傷したが、軍医が傷口を一目見るなり、自決用の手榴弾を手渡して去ったくらいの状態だったそうだ」
オジサン「しかし、奇跡的に生き残った」
オジサン「今度は、米軍司令部へ肉弾自爆を決行し失敗。カラダもぼろぼろの状態であったが一命を取り留めたそうだ」
オジサン「どうやら、体の傷が早く回復する体質だったようだね」
僕「何だか信じられないなー」
オジサン「弘はアメリカとの戦いから、アメリカの先進的なことを学ぶことが、復興中の日本に役立つと考え、書店経営をはじめた」
オジサン「書店の敷地は今ある渋谷駅前の養父の土地に店を開いた」
オジサン「この書店は、日本初の建物を全て使用した「本のデパート・大盛堂書店」へとつながったのさ」

〇SHIBUYA109
  と話しが終わったとたん、僕は大盛堂書店の前に立っていた、、、、、
僕「ひょっとして、あの頑強なオジサンは舩坂さんだったのかもしれないな」
僕(日本のことを思って見守ってくれているのかもしれない)

コメント

  • 普段毎日普通に生活していては、歴史って振り返ることはなくって、渋谷に対する知識って今の渋谷だけです、、、楽しく読ませて頂きました。

  • 渋谷というと若者の街という意識が強いですが、こうして知れば知るほど、歴史もあって味がある街なのだなぁということがわかります。本屋さんは大好きな場所のひとつなので、そんな場所のはじまりがここにあったと知り、人生得した気分になりました。

  • 地名の由来、私も変わった名前の地名の由来はたまに調べることがあります。
    必ず理由があって、誰も昔起きたことや住んでいたお殿様の名前とか、昔のことを知ることができますよね。

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