〇渋谷駅前
　　渋谷

〇占いの館
　　占い館 アタルゥム
みくる「あなたは一週間後――――」
みくる「運命の女性と出逢いますっ!!」
　　ビシィ!!!!
宗近 高志「えぇっ!?」
みくる「ちなみに、ハチ公前で」
みくる「18時きっかりです」
宗近 高志「占いでそこまで、具体的にわかります!?」

〇占いの館
　　占いで分かるわけがない
　　しかし、必ず彼のもとに
　　――――運命の女は現れる!!

〇黒
　　なぜ運命の女が現れると分かるのか
　　答えは簡単
　　――――私が運命の女だからだ!!

〇占いの館
　　運命とは待つものではない
　　運命とは自ら作るもの！
みくる（来週の今日、私がカレと運命の出逢いをするのっ）
みくる（このイケメンの名は、宗近 高志）
みくる（高校時代、私が好きだったオトコ）
みくる（今日彼は偶然、）
みくる（この占い館にやってきた）
みくる（服装のせいか、私を同級生だとは気づいてないらしい）
みくる「『あなたの運命の女はズバリ私です！』」
みくる（なーんて言おうかと思ったが、）
みくる（それはさすがに告白じみていて）
みくる（恥ずかしくてできず・・・）

〇占いの館
宗近 高志「い、一体どんな女性なんですか」
みくる「素敵な女性じゃないかしら」
みくる「一週間後、必ず女性のほうから」
みくる「あなたに声をかけます」
みくる「そのひとが貴方の運命のひとです」
宗近 高志「一週間後と言えば・・・」
みくる「はい次の人！」
宗近 高志「え、終わりですか」
みくる「私も忙しいので」
みくる「ちなみに来週のラッキーカラーは赤よ」
みくる（また来週、ねっ）

〇露天風呂
　　運命の日まで一週間
　　私は自分を磨いた

〇トレーニングルーム
　　彼を想いながら走ると
　　不思議と時間はあっという間に過ぎた

〇図書館
　　知性や教養も自身の魅力をあげる

〇ハチ公前
　　そして運命の日
みくる「・・・いよいよかァ」
みくる「ちょっと早く来すぎたかな」
みくる「なんて声をかけたらいいの」
コスプレA「ウェーーイ!!」
みくる「きゃっ」
みくる（なんだ・・・）
みくる（ただのコスプレか）
コスプレB「ふ～じこちゃあぁ～ん」
コスプレB「ねぇねぇ」
コスプレB「カノジョは何のコスプレ？」
みくる（・・・）
コスプレC「うしっ」
コスプレC「今日だけは職質されない日だ」
みくる（もしかして・・・）
みくる（今日は）
みくる「ハロウィン!?」

〇ハチ公前
コスプレE「ハッピーエ ハロウィーーン！」
みくる「どこ？いない・・・」
コスプレF「逮捕するッ！」
コスプレF「なんちて！」
みくる（もしかしてカレ・・・）
みくる（今日コスプレしてる？）
コスプレG「よっ!!」
みくる「・・・」
コスプレG「遅ぇーよ」
コスプレG「オレだよ、オレ」
みくる「・・・運命のひと？」
コスプレG「そう！そうだよ！」
みくる「見ぃーつけたっ」
コスプレG「運命の変態だよ！へへへ」
みくる「ま、まちがえました!!」

〇黒
　　すでに19時――――

〇ハチ公前
　　結局、彼には会えなかった・・・
みくる（いや、最初から来てないのかも・・・）
みくる「いきなり、運命の女と出逢いますって」
みくる「言われて信じるひともいないか・・・」
みくる「バカみたい・・・帰ろ」
みくる「・・・」
みくる「何これ、ゴミだらけじゃん・・・」
みくる「少しだけ拾ってから帰ろう」
みくる「よいしょ、よいしょ」
宗近 高志「ハァハァ」
宗近 高志（やべっ 休日出勤で完全に遅れた）
宗近 高志「コスプレだらけだな」
宗近 高志（こんなとこでスーツのサラリーマンに）
宗近 高志（声かける女性なんていないだろ）
宗近 高志「あの・・・」
みくる「あっ」
宗近 高志「えっ？」
みくる「い、いえ」
宗近 高志「ぼくも拾います、ゴミ」
みくる「あ、はい」
宗近 高志「綺麗ですねぇ」
みくる「えっ」
宗近 高志「ゴミを拾う所作が美しいというか、」
宗近 高志「いつもやってるんだろうなって」
みくる「いえ、そんな」
宗近 高志「ゴミを拾うと運がよくなるって」
宗近 高志「有名なプロ野球選手が言ってましたけど」
宗近 高志「どうなんでしょうね」
みくる「あるかもしれませんね」
宗近 高志「あれ、君どこかで見たことある気が」
宗近 高志「高校の同級生？」
みくる「は、はい」
コスプレX「ハァーイ！スーツのお兄さーん」
みくる「!?」
コスプレX「楽しんでるー!?」
宗近 高志「・・・話しかけてきた女性」
宗近 高志「う、運命のひと!?」
みくる「はいっ!?」