〇SHIBUYA109
　　『渋谷スクランブル交差点』
　　
　　人はこんなにもいるんだと圧倒される
　　そして、人とすれ違う度に
　　こんなことも考えてしまう
　　あの人は何をしている『人』なのだろう？
　　この人は何を考えている『人』なのだろう？
　　そして、自分と言う『人』がこの渋谷スクランブル交差点に『かき混ざる』感覚が・・・
　　不思議で仕方がない
　　だからこそ、私は考えられずにはいられない『人』すべてが交差し、かき混ざるこの場所で・・・
　　―――私は思考するんだ

〇SHIBUYA109
　　ビジネス展開が進み
　　日本での流行発信源でもある
　　――渋谷区
　　ビジネスマンから学生
　　地味な恰好の人から
　　派手な恰好の人まで
　　色んな人がいる
　　この、スクランブル交差点はまさに・・・
　　人の『交差点』だ
　　そこで思うわけです
　　ビジネスマンは学生を見て
　　過去を懐かしみ
　　学生はビジネスマンを見て
　　未来を想像する
　　地味な恰好の人は
　　なぜあんな派手な恰好ができるのかと思う
　　派手な恰好の人は
　　なぜあんな地味な恰好ができるのかと考える
　　思いが交差し、かき混ざる。
　　いや、だから『人』は面白い・・・
　　だが、これはあくまでも私の思考でしかない
　　思考は客観的だと思っても、偏見であることもある
　　相反する意味がかき混ざる、これも『人』の思考と言うものである
　　さて、私もそろそろ学校へ行こう・・・
　　――そう、私はただの学生である

〇SHIBUYA109
　　お金は天下の回り物と言う
　　相も変わらず、ここスクランブル交差点で思考を巡らせる私だ
　　今日も今日とて色んな人とすれ違う
　　かつて、全身をブランド品で着飾ってた人がいたが・・・
　　今や全身ボロボロの服を着ている
　　前はボロボロの服を着ていた青年が・・・
　　今は立派なスーツを身に纏っている
　　天下を回るお金の流れすらも予期させるここは・・・
　　
　　『渋谷スクランブル交差点』だ
　　そういえばスーツ姿と言えば・・・
　　私も昔、学生時代にどんな大人になるのかと想像したものだ
　　そろそろ会社に戻ろう・・・
　　――そう、私は普通の会社員である

〇SHIBUYA109
　　人は成長する
　　昔、両親と一緒にここ―
　　『渋谷スクランブル交差点』を渡っていた
　　可愛らしい少年は・・・
　　今や恰幅の良いサラリーマンだ
　　時の流れを感じる・・・
　　そうなると、この少年だったサラリーマンのことを考えてしまう。
　　いまだに思考する私がいる
　　少年はあれからどんな人生を歩んできたのか？
　　両親は健在なのか？
　　いつから太ったのか？
　　どんな会社に勤めているのか？
　　年収はどれくらいなのか？
　　結婚しているのだろうか？
　　様々な人生が交差し、かき混ざるここでは色んな生き方があるのだろう
　　そういえば・・・
　　彼はどんな人生を歩み、私と出会ったのだろうか？
　　まぁ、これからは彼と
　　人生を歩んでいくのだから
　　ゆっくり聞いてみるのもいいだろう
　　そろそろ打ち合わせに向かおう・・・
　　――来週は私の結婚式だ

〇SHIBUYA109
　　私も子供と旦那とで
　　ここ『渋谷スクランブル交差点』を渡った
　　なんの用事だったかは・・・
　　
　　忘れてしまった
　　思えば学生時代から、ここで色んな『人』と交差した
　　その度に思考した・・・
　　色々と思考した結果がかき混ざり
　　私という『人』が生まれた
　　・・・やはり不思議な感じだ
　　たかが交差点で壮大な話だと思う・・・
　　だが、こんなにも多くの『人』が交差する場所は―
　　ここ以外に思いつかない
　　まぁ、前も思考したことだが
　　思考は客観的だと思っても偏見になっている場合もある
　　あくまでも私にとって
　　ここ『渋谷スクランブル交差点』が
　　多くの『人』との交差点だったというわけだ
　　そして、私自身もその『人』の一部だった
　　さて、思考の振り返りも済ませた
　　そろそろいこうと思う
　　私は・・・
思考者「――幸せでした」
　　あなたにも素敵な交差がスクランブルがありますように──