エピソード1(脚本)
〇集落の入口
私は雪乃。
毎年ある夢を見る。とても美しい女性の夢だ。
〇桜並木
神社の裏山の桜の木の下に立っている。一体誰なんだろう。
〇祈祷場
小夜「今から、雪乃の「お勤めの儀式」を始める」
雪乃「はい」
小夜「雪乃はこの度12才となり、正式にこの神社の巫女になった」
雪乃「・・・はい!」
小夜「我が神に感謝を捧げるのだ! 神に祈りを!」
雪乃「神に祈りを!」
小夜「・・・大きくなったわね、雪乃」
雪乃「ありがとう、母上」
〇屋敷の寝室
その夜、またあの夢を見た。
〇桜並木
美しい女性「・・・」
美しい女性「雪乃・・・」
美しい女性「大きくなったわね」
〇屋敷の寝室
次の日の朝
雪乃「・・・・・・」
雪乃「あの女性が・・・」
雪乃「喋った!?」
〇屋敷の大広間
雪乃「母上、夢の中に女性が・・・!」
小夜「雪乃、はしゃぎたいのはわかるけど、朝のお祈りをしてくださいな・・・」
雪乃「・・・わかりました」
小夜「神に祈りを!」
雪乃「神に祈りを!」
小夜「よくできたわね、雪乃」
雪乃「・・・ありがとうございます、母上」
小夜「それで、夢の話とは?」
雪乃「そうなのです!」
〇雪山の森の中
雪乃「はぁっ、はぁっ・・・」
〇屋敷の大広間
小夜「そんなに気になるのなら、行ってきなさい!」
〇雪山の森の中
雪乃「ふぅ・・・」
雪乃「寒いな・・・」
「雪乃・・・」
雪乃「・・・・・・はい?」
「こっちよ・・・私はこっちよ・・・」
雪乃「この声は・・・」
〇桜並木
「ひい・・・おばあ様?」
美しい女性「・・・雪乃」
雪(ひいおばあさま)「やっときてくれたわ」
雪(ひいおばあさま)「5年も待っていたのよ」
雪乃「5年も?」
雪(ひいおばあさま)「そうよ」
雪(ひいおばあさま)「この5年もの間、何をしていたの言うのよ?」
雪乃「本当は、ここには入ってはいけないのです」
雪(ひいおばあさま)「なんですって!私が生きていたときにはそんな掟、なかったわ!」
雪(ひいおばあさま)「ともかく、私の話を聞いて!」
雪乃「はい」
〇葬儀場
乃木(お祖母様)「母上・・・」
小夜「お祖母様・・・・」
雪乃「ひいおばあさま・・・」
小夜「・・・雪乃」
雪乃「なあに?」
小夜「雪お祖母様は実は神使だったのよ」
雪乃「かみつかいって なあに?」
乃木(お祖母様)「神を従えるもののことを指すのじゃ」
雪乃「ひいおばあさまは、かみさまと、おともだち!」
(わざわざ違うって言うとめんどくさいし、説明し直すのも面倒だから、そういうことにしとこう・・・)
小夜「そうよ!そんな感じよ! お友達なのよ!」
乃木(お祖母様)「そうよ!みんなで仲良し小好しだったのじゃ!」
〇桜並木
雪乃「そうか!仲良し小好しのお友達! ひいおばあさまは神使!」
雪(ひいおばあさま)「良かった、思い出してもらえて・・・」
雪乃「私も神使になってみたい!」
雪(ひいおばあさま)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
雪(ひいおばあさま)「では、話しましょう」
雪乃「??」
雪(ひいおばあさま)「実はあなたも神使なのよ」