嘘のかたまり

ななミロ

読切(脚本)

嘘のかたまり

ななミロ

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嘘のかたまり
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〇綺麗なダイニング
  私の夫”ダイゴ”は嘘のかたまりで出来ている──

〇豪華なベッドルーム
桜子「ダイゴー!朝だよ!」
「んー・・・」
ダイゴ「うそ〜・・・もう朝〜?」
桜子「おはよう!」
ダイゴ「まだ、眠い・・・」

〇綺麗なダイニング
桜子「あっ!今日、急に仕事になっちゃったからお昼は一人で食べてね?」
ダイゴ「うそー!?せっかく久しぶりに一緒に食べれると思ってたのに!」
桜子「夜は一緒に食べようね♪」
ダイゴ「だな!」

〇一軒家の玄関扉
  ザァァァ──
  ──その日の夜──

〇飾りの多い玄関
桜子「ただいま〜!」
ダイゴ「おかえりー!」
桜子「帰る時は天気良かったのに急に雨降ってきたよぉ・・・」
ダイゴ「うそ!?マジで!?」
桜子「ほんとー。おかげで靴ビショビショ・・・」
ダイゴ「うそぉ・・・最悪だな・・・」
桜子「先にお風呂入ってからご飯にしてもいい?」
ダイゴ「うそ?じゃあ俺その間ゲームしてよーかな?」
桜子「ゲームして待っててね〜♪」

〇綺麗なダイニング
「いただきまーす!」
桜子「・・・でねぇ──」
ダイゴ「うそぉ〜」
  ・・・・・・・・・
桜子「そういえばさっきまで何のゲームしてたの?」
ダイゴ「うそぉ!」
桜子(ん?)
桜子「私がお風呂入ってる時ゲームしてたんだよね?」
ダイゴ「うそぉー?」
桜子(んんん!?)
桜子(これはまた・・・人の話聞いてないな!?)
桜子「ダイゴー?また人の話聞いてないでしょー?」
ダイゴ「うそぉ!?」
桜子「ほんとっ!さっきから何聞いても”うそ”って答えてるよ?」
ダイゴ「うそ〜っ・・・あっ!」
桜子「ほら!ね?」
ダイゴ「俺なんですぐ”うそ”って言っちゃうんだろう?」
桜子「わからない(笑)おもしろいけどね♪」
桜子「でもちゃんと話してるときは聞いてよね〜?」
ダイゴ「ごめんごめん」

〇一戸建て
  ──翌日──
  ダイゴの実家にて

〇綺麗なリビング
  ────・・・
桜子「・・・ってことがあったのー!」
ダイゴの妹「分かるー!」
桜子「分かってくれる?」
ダイゴの妹「昔からの口癖なんだよね〜・・・」
ダイゴの妹「何でもかんでも『うそ』って・・・うそじゃねーよ!ってなる〜」
桜子「あはは!そうそう!」
ダイゴの妹「あ!そういえば今日桜子さんの好きなアーティストTVに出るみたいですよ!」
桜子「うそ!?」
「・・・・・・」
桜子「・・・っ」
ダイゴの妹「ぷっ・・・」
桜子「やばい・・・」
「うつってるー!!笑」
ダイゴ「なになにー?二人共楽しそうじゃん!」
ダイゴの妹「お兄ちゃんの話!」
ダイゴ「うそー!俺の話?」
桜子「ウソじゃないよ!ダイゴの話♪」
ダイゴ「うそぉー・・・」
「あははっ」
  私の大好きな夫”ダイゴ”は──
  今日も”嘘のかたまり”でできています♪

コメント

  • どんなに悪い嘘つきな旦那さんが出てくると思ったた口癖だったんですね。確かに、「うそ〜」てよく言ってる人いるいるって思っておもわずくすっとしちゃいました。実は私も以前の口癖が、うそ〜?でした。でも学生時代に、うそっていうのは良くないから「ほんとに?」って言いなさいって注意されて、今では、「ほんとに?」が口癖になっちゃいました。

  • 口癖って気付かないけど誰しもありますよね!笑
    私の場合は凄い!です。話を聞いてない時にすごーい!って無意識に言ってしまいます…。
    どこの家族やカップルにもありますし、うつってしまうのもあるあるですね笑

  • こんな優しそうな旦那さんにどんな嘘が…?と思ったらそういうことだったんですね!明るくて笑えるお話でほっとしました。口癖って他の人に言われないと本当に分からないことありますよね。教えてくれて笑ってくれる人がいるってあったかいな〜と思いました。

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