渋谷のへびのお約束

徒然花

渋谷の竜神誕生!(脚本)

渋谷のへびのお約束

徒然花

今すぐ読む

渋谷のへびのお約束
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇電脳空間
谷彦「今日が約束の日だ。2025年6月21。 太陽の上辺が地平線と一致する時、午前4時25分、僕は最終形態へと進化する」
谷彦「僕は神宮の森に棲息する白蛇一族の血を引く谷彦。70年間この森でアキラ婆ちゃんについて暮らしてきた」
谷彦「アキラ婆ちゃんに守られて育てられた、兄の山彦とぼくは、渋谷の街を守るために選ばれたへび。今日僕達は龍となり、天に上る」
谷彦「アキラ婆ちゃんは渋谷がまだ荒れた谷だった頃からその辺り一帯の主として、渋谷を見守ってきたのだという」
アキラ「終戦後の渋谷、漢方薬半畳足らずの入り口横のガラスケースの中にからいつも街を見ていたよ」
アキラ「貧しい街だったが、人々の目には、生き抜こうとする情熱を秘めた貪欲さが、漲っていた」
  駅前開発に便乗して、一儲けを、狙う奴らがうろついて、美味い話を鵜の目鷹の目で、狙っていた。
  先ずは駅前から、開発は始まった。
  その最中であったが、私は、目的を果たすために、その契機を待っていた。なぜなら。
アキラ「私には使命があったからだ。今後大きな変化を迎える渋谷の、街を、疫病、災害、テロから守り抜く2人の竜神を天に送り出すのだ」
アキラ「山彦、谷彦を2025年の夏至の朝、日の出とともに、渋谷の天空に向かわせること」

〇大企業のオフィスビル
谷彦「あと、30分で空は白み始める」
  その時、渋谷の上空に新しい二頭の竜神が誕生する。
  日本列島を守る七頭の竜神に新たに加わるのだ。
谷彦「僕と兄の山彦は70年前に神宮の森で生まれた。ぼくたちは、アキラ婆ちゃんと白蛇一族の長老たちからさまざまなことを学んだ」

〇渋谷のスクランブル交差点
  僕の祖母。アキラ婆ちゃん。
  70年前の渋谷スクランブル交差点から宮益坂に向かう左手にあった蛇屋の看板娘。
アキラ 「いろいろなお客が私を物珍しそうに見ては通り過ぎたよ」

〇工事現場
  駅前の開発が始まり、あちこちで、建設工事が着工した。終戦後の焼け野原から街が徐々に出来上がった。

〇古びた神社
アキラ「山彦、谷彦よくお聞きなさい。 あなた方は選ばれたのです。天の定めです」
アキラ「あなたたちには、白蛇一族の知恵と 神宮の森の精霊達の叡智を全て授けました。 そしてその心と身体で次なる進化を待つのです」

〇宇宙空間
アキラ 「さあ!その時が来ました! お行きなさい! 山彦!谷彦!」
谷彦「はい!」
山彦「はいっ!」
谷彦「はいっ!」
山彦「アキラ婆ちゃん 今まで、ありがとうございました!」
谷彦「また、会いに参ります! その時まで、どうぞお元気で!」
アキラ 「さあ!」

〇カラフルな宇宙空間
山彦「谷彦行くぞ!」
谷彦「はい!」

〇雲の上
  僕は身体中の鱗が剥がれ落ち、スクランブル交差点に舞い散るのが見えた。

〇雲の上
  北の方から赤銅色の蛇が同じく、金の鱗を撒き散らしながら、天空を目指し一直線に上る姿が見えた。

〇渋谷駅前
  ぼくたちがいつも渋谷の
  街を守っていることを誰も知らない。

コメント

  • ヘビたちがかわいかったです!
    ヘビって守り神っていいますよね。
    ひょっとしたら、私の住む街もこういったヘビたちに守られてるのかもしれない…と思いました。

  • 昔はいろんな街に古びた漢方屋さんがあったなーと思い出しました。(おっと年齢が……)お客もなく古びたお店のガラスケースに色々あったことが記憶に残ってます。
    もしかして、そのお店と中にあったものは守り神だったのかもですね!

  • 渋谷の昔のお話が特に面白かったです。龍が見守ってくれていることを想像したら、安心感がありますね。本人たちはこれから成長していくぞ!って感じでしょうか?これから新しい時代が始まる、爽やかな空気感がすてきです。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ