UMAハンター・カレン【vsチュパカブラ】

鷹志

UMAハンター・カレン【vsチュパカブラ】(脚本)

UMAハンター・カレン【vsチュパカブラ】

鷹志

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UMAハンター・カレン【vsチュパカブラ】
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〇魔物の巣窟
  魔物、怪獣、妖怪・・・この世には、その存在が謎に包まれている生物、いわゆる未確認生物(UMA)が数多く存在する。
  そのUMAの中には、人間に害を及ぼし脅威となっている存在のものも多い。
  一方、そんなUMAから人々を守る者も存在する。
  それが「UMAハンター」
  その中の一人が「UMAハンター・カレン」

〇寂れた村
カレン「人があまりいない。なんか活気のない村だなあ・・・」
カレン「あそこに人がいる。行ってみよう」

〇村の広場
カレン「こんにちは」
村長「おお、外から人が来るとは珍しいの・・・」
カレン「珍しい?」
カレン「そういえば、なんかあまり活気のない村だよね」
村長「そんなことはない。少し前までは家畜も作物もよく育ついい土地じゃった」
村長「村人もみんな明るく活気もあった」
カレン「へえ、そうなんだ」
村長「それがあいつが現れてから・・・」
カレン「あいつ?」
村長「吸血怪獣・チュパカブラじゃ」
カレン「チュパカブラ!」
村長「一年ほど前に現れた奴は、次々と家畜の生き血を吸って殺してしまった」
村長「今では村にいた家畜はほとんどいなくなってしまった」
村長「奴はそれに飽き足らず、最近は畑の作物も食べてしまっている」
村長「人が襲われて大ケガをしたこともある」
村長「「こんなところにはいられない」と村を出ていった者も多い」
村長「さらに、「魔物の住む村」という噂も流れて、今では外部から来る人間もいない」
村長「それで、今はこのありさまじゃ」
カレン「そんなひどいことに・・・何か対策は取っていないのか?」
村長「以前、被害を食い止めようと、村の若い者や中央の役人が集まって、奴に立ち向かったことがあった」
村長「しかし・・・」

〇霧の立ち込める森
役人「取り囲んだぞ。かかれ!」
村人「おう!」
  役人や村人たちが、チュパカブラに向かって一斉に攻撃を仕掛けるが・・・
役人「何だと!」
村人「動きが速すぎる! 攻撃が当たらない!」
役人「奴の攻撃が来るぞ!」
役人「・・・・・・」
村人「・・・・・・」

〇村の広場
村長「・・・奴には全く歯が立たなかった」
カレン「そんなに強いのか。チュパカブラ、村の人をこんなに苦しめて・・・許さん」
村長「ところでお主は・・・」
カレン「私か? 私は・・・」
村人「村長大変だ!」
村長「どうした、そんなに慌てて」
村人「村にまたチュパカブラが現れた!」
村長「何じゃと!」
村人「奴はまた家畜や畑を襲っている」
村長「おのれ、チュパカブラ・・・」
村人「それと、実は・・・」
村長「どうした?」
村人「その話を聞いて、舞が一人で現場に向かったという話が・・・」
村長「何じゃと!!  どうしてそんなことを・・・」
村人「舞は私たちが困っているのを見て、ずっと悩み続けていました。それでつい飛び出して行ったのかと・・・」
村長「何て馬鹿なことを・・・」
村人「私も村の男たちを集めて、すぐ現場に向かいます」
村長「頼むぞ。舞はこの村の希望じゃ。なんとしても救いだせ!」
村人「はい!」
カレン「待て!」
カレン「現場に向かったところで何とかなるのか? チュパカブラに勝てるのか?」
村人「それは・・・」
カレン「大人数で行っても犠牲が増えるだけだ」
村人「しかし、舞を見捨てるわけにはいかない」
カレン「私が行く」
村長「何じゃと!!!」
村人「どこの馬の骨ともわからない女が何を言っているんだ!」
カレン「私の名はカレン。 私はUMAハンターだ」
村長「何じゃと!!!!」
カレン「ここは私に任せてくれ」

〇寂れた村
村長「お主があのUMAハンター・・・」
カレン「ところで村長、舞という人は・・・」
村長「舞はこの村で唯一の神社の巫女」
村長「とちも聡明でやさしく、村のみんなからも信頼されておる」
村長「さらに、舞は不思議な力を持っている」
村長「しかし、チュパカブラに対抗できるかどうかは・・・」
村長「舞はこの村の希望。何としても舞を助けてくれ」
カレン「わかった。じゃあ、行ってくる」
村人「村長、そのUMAハンターというのは?」
村長「わしも聞いたことしかないが、魔物や怪獣に対抗できる特殊な能力を持った人間らしい」
村人「あんな女の子が・・・ しかし、本当にあんな子がチュパカブラに勝てるんでしょうか?」
村長「わからん。だが、あの子はチュパカブラの強さを聞いても、全く恐れることなく向かって行った」
村長「あの子に賭けるしかない」

〇先住民の村
チュパカブラ「ちっ、しけた食い物しかねえな」
舞「チュパカブラ、やめなさい!」
チュパカブラ「あ? 何だ、この女?」
舞「あなた人間の言葉を話せるのね。いったいあなたは何者・・・」
チュパカブラ「あ? そんなことどうでもいいだろ」
チュパカブラ「ここの家畜や野菜にも飽きてきた。今度は人間の生き血を吸うというのもいいかもしれないな・・・」
チュパカブラ「お前のような若い女の血はうまそうだ」
舞「そんなことはさせません」
舞「私があなたを倒して、村の平和を守ります!」
  舞が目をつむり、呪文を唱える。
舞「はっ!」
舞「よし、決まった!」
チュパカブラ「「うわー!」・・・なんてな」
舞「効いていない!?」
チュパカブラ「面白い術を使うお嬢ちゃんだが、そんなものは効かねえなあ」
チュパカブラ「攻撃ってのはこうやるんだ!」
  チュパカブラの攻撃を受けた舞は倒れてしまう。
  ケガを負って動くことができない。
チュパカブラ「残念だったな。 さて、たっぷりかわいがってやるか」
チュパカブラ「チュパカブラがニヤニヤしながら舞に近づいていく」
舞「くっ・・・」

〇先住民の村
チュパカブラ「さーて、お嬢ちゃんの生き血をいただくとするか」
舞「・・・・・・」
カレン「待て!」
カレン「舞、よくがんばったな」
舞「あなたは?」
カレン「私はカレン。後は私に任せてくれ」
舞「カレンさん??」
チュパカブラ「ちっ、いいところだったのに。何だ、お前は?」
カレン「私が相手だ、チュパカブラ」
チュパカブラ「あ?」
チュパカブラ「・・・ほう、お前も若いな。お前の血もうまそうだ」
チュパカブラ「さっさと片付けて二人まとめていただくとするか」
チュパカブラ「一瞬で終わらせてやる」
  チュパカブラの凄まじい速さの攻撃がカレンを襲う!
  しかし、カレンをはその攻撃を簡単にかわす。
チュパカブラ「何だと! お前はいったい・・・」
カレン「この程度か。今度はこっちの番だ」
  カレンの攻撃を受けたチュパカブラが、あまりの衝撃に倒れる。
  なんとか立ち上がるが、かなりのダメージを受けてふらふらしている。
カレン「どうした、もう終わりか? でも、こんなもんじゃ許さないぞ」
チュパカブラ「くそっ、俺がこんな奴にやられるなんて・・・」
チュパカブラ「そうか、お前はUMAハンターか。どうりで強いはずだ」
チュパカブラ「だか、勝つのは俺だ」

〇先住民の村
  チュパカブラが今いる場所から素早く離れる。
カレン「何だ?」
舞「キャー!」
  チュパカブラがケガをして動けない舞のそばに行き、舞の顔に鋭い爪をあてる。
カレン「舞!」
チュパカブラ「お前が俺を攻撃しようとしたら、この女を突き刺す」
カレン「くそっ、卑怯者め」
舞「カレンさん、私に構わずこいつを攻撃してください!」
チュパカブラ「・・・だそうだが、どうする?」
カレン「・・・・・・」
チュパカブラ「そうだよな。攻撃なんてできないよな」
チュパカブラ「食らえ!」
カレン「くっ・・・」
  チュパカブラの攻撃がカレンに命中する。
  カレンは足にケガを負い、動けなくなってしまう。
舞「カレンさん!」
カレン「卑怯者め」
チュパカブラ「何とでも言え。さて、とどめといくか」
  チュパカブラがカレンに近づいていく。
舞「どうしよう、私のせいでカレンさんが・・・ 何とかしないと・・・そうだ!」
舞「カレンさん!」
  舞が目をつむり、カレンに向かって呪文を唱える。
  なんと、ケガをしていたカレンの足が回復した!
カレン「ケガが治っている!」
カレン「舞、ありがとう!」
チュパカブラ「何だと!」
カレン「よーし、こっからは本気でいくぞ!」
チュパカブラ「本気って・・・おい、さっきのは謝る。 だから・・・」
カレン「許さん!」
カレン「まだまだ!」
チュパカブラ「ひー、勘弁してくれ」
チュパカブラ「ぐへっ。あの、このぐらいで・・・」
カレン「これはお前に苦しめられてきた村の人たちの分だ!」
チュパカブラ「・・・・・・」
カレン「もう村に来て悪さはしないと誓うか?」
チュパカブラ「誓います。 もう絶対にここには来ません・・・」
舞(すごい。カレンさんはいったい何者・・・)
カレン「舞、大丈夫か?」
舞「は、はい」
カレン「じゃあ、帰ろう」
舞「はい」

〇村の広場
村長「一人であのチュパカブラを倒すとは。UMAハンター恐るべし・・・」
舞「カレンさん、もう行くんですか?」
カレン「ああ。UMAに苦しめられている人たちは他にもたくさんいるはずだからな」
カレン「それを助けに行かないと」
舞「そうですか。もっとこの村でゆっくりしていって欲しかったけど・・・」
舞「カレンさん、本当にありがとうございました」
村長「達者での。今度はゆっくり遊びにきてくれ」
カレン「うん、そうするよ。みんなも元気でね」
舞「カレンさん!」
舞「カレンさんが困っているときはいつでも駆けつけますからね」
カレン「ああ、頼りにしてるよ、舞」

〇山間の集落
カレン「いい村だったな。みんないい人で」
カレン「早く村の活気が戻るといいな」
カレン「さて、そろそろ行くか」
  悪のUMAから人々を救うためのカレンの旅は続く・・・

コメント

  • 勧善懲悪ものは、やっぱりいいですね〜!!
    チュパカブラも意外といいやつの気もするし …謝ってるのは笑いました😁
    回復系の舞ちゃんは大事ですね!
    楽しかったです👍

  • カレンは絶大な強さを持っていますが,舞が居てくれたおかげでピンチを交わすことができました。この作品を読んで,強い力とともに仲間の存在はとても大切だとしみじみ感じました。

  • こういった王道の勧善懲悪ヒーローものってやっぱり好きです。今後、UMAが連携したり、所謂悪の組織みたいなものを作ったりするのかと想像するとワクワクしてきますね。

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